【舞いあがれ!】母親のめぐみに共感できない視聴者が続出、親なら舞をパイロットにさせるべき?

 自分が母親にしてもらったことを、すっかり忘れてしまっていたようだ。

 1月13日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第71回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)がパイロットになる夢をあきらめ、実家の部品工場を手伝うと宣言。社長代行で母親のめぐみ(永作博美)が涙を流しながら笑顔でハグする場面が描かれた。

 傍目には母娘の感動シーンで幕を閉じたと言えそうだが、この場面に視聴者からは不満の声が続出しているという。

 前週、社長だった浩太(高橋克典)が心筋梗塞で急逝し、一家の大黒柱を失っていた岩倉家。めぐみは当初、会社を畳む気でいたが、夫の遺志を継ぐとの思いから存続の方向に舵を切ることに。浩太の生命保険金を当面の運転資金に充てつつ、娘の舞を会社の大事な現場に同席させていた。

「視聴者からは無給のお手伝いに過ぎない舞が、信用金庫との面談や退職勧奨者への通告現場に同席していることを疑問視する声もあがっています。ただ従業員20名ほどの町工場に過ぎず、岩倉家以外に株主がいる気配もない状況を鑑みれば、経営者の実子である舞は経営陣の一角も同然。兄で投資家の悠人は経営に関わる気が一切ないのですから、この時点で舞が取締役に就任しても不思議ではありませんね」(週刊誌記者)

実家に隣接するお好み焼うめづで母娘の作戦会議。従業員はこの姿をどう思うのか…。トップ画像ともに©NHK

 航空学校を卒業した舞は、ハカタエアラインへの就職が内定。リーマンショックの影響で入社が1年先延ばしになったものの、念願のパイロットになれることは確実だ。もしハカタエアラインが倒産しても、航空学校の卒業生なら引く手あまただろう。

 しかし舞は2年間の努力をなげうって、実家の工場のために働きたいとめぐみに懇願。その気持ちをめぐみは「ホンマにええの?」と受け止め、泣き笑いしながら娘を抱きしめていた。

 号泣するめぐみにもらい泣きする視聴者もいたようだが、一方ではめぐみに対して<同じ母親として理解できない><そんな人だとは思わなかった>と反発する声も続出することに。なによりめぐみ自身、母親の反対を押し切って大阪に出ていった過去を持っているのだから、視聴者が不満に思うのも無理はない。

 中学のころに父親を亡くしためぐみは、母親の祥子(高畑淳子)が女手一つで育てあげ、教師になる夢を実現するために故郷の五島を出て長崎市の大学に通っていた。そこで浩太と出会い、大学を中退して駆け落ち同然に東大阪の町工場でおかみさんになったのだから、娘の舞に対しても工場のことはどうでもいいから自分の夢を追うべきと説得するのが筋ではないだろうか。

「なぜ、工場を手伝いたいという舞の申し出を突っぱねないのか。母親なら『あなたはパイロットになりなさい』と突き放すのが本当の愛情というものでしょう。この時点でそんな経営判断しかできないようであれば、次期社長としての資質にも疑問が呈されるというものです」(前出・週刊誌記者)

 社長を継ぐと決心しためぐみにとって、社内で唯一の肉親である舞の存在は、精神的に大きな頼りとなるのだろう。もっとも外部から見れば、経営未経験の妻が、社会人未経験の娘を引き込んで会社ごっこをしているように見えるというもの。こんな調子で工場が存続できるのか。視聴者としてもお手並み拝見といったところかもしれない。