【舞いあがれ!】浩太が総理大臣に?「あさイチ」の朝ドラ受けでフジテレビ「罠の戦争」が話題に!

 まさかNHKで民放のドラマが話題になるとは、意表を突かれた視聴者も多かったのではないだろうか。

 1月17日放送の情報番組「あさイチ」(NHK)では冒頭、恒例の朝ドラ受けを展開。そこでMCの博多華丸が前日にスタートしたドラマ「罠の戦争」(フジテレビ系)について触れる場面があった。

 同日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第73回では、ヒロイン岩倉舞(福原遥)のもとに、長崎・五島からハガキが届くことに。幼馴染の貴司(赤楚衛二)が舞のことを心配し、短歌を送ってくれたものだった。

君が行く
新たな道を
照らすよう
千億の星に
頼んでおいた

 その短歌にほっこりする舞。朝ドラ受けではMCの博多大吉が「なんかロマンチックな回でしたね」との感想を口にすれば、鈴木奈穂子アナもしみじみと「いい歌ですねホント、このタイミングで。ロマンチックだわあ」と心にしみていた様子だ。

貴司からのハガキを見る舞と久留美。この回で唯一、ほっこりできる場面だった。©NHK

 ここで華丸が「何してるんでしょうかね、島で?」と貴司の現状に疑問を呈すると、鈴木アナは「星眺めながら、舞ちゃんのことを想いながら」と呼応。すると大吉が「その星の中の一つがお父ちゃんじゃないですか」と、心筋梗塞で急逝した舞の父親・浩太(高橋克典)について触れたのだった。

「すると華丸は、前日に別のドラマを観ていたと前置きしつつ『お父ちゃんが総理大臣に…』と切り出したのです。番組スタッフの笑い声が聞こえるなか、大吉は『それはまあまあまあ、別の話ですから』といなしていましたが、華丸がドラマ『罠の戦争』(フジテレビ/カンテレ系)について触れたことは間違いありません」(テレビ誌ライター)

 その「罠の戦争」には、高橋克典が内閣総理大臣の竜崎始役で出演。総理大臣らしい威厳に満ちた演技を見せている。その姿は娘の舞に大いなる愛情を示していた浩太とはずいぶんと異なっており、作品が違えば演技の内容も変わってくることを示していたと言えるだろう。

 ただ華丸が朝ドラ受けにて「罠の戦争」について触れたことは異例だ。いくら朝ドラの主要キャストが出演しているとは言っても、NHKの情報番組で民放ドラマについて語ることは通常、あり得ないことだからだ。

 それもあって大吉も「まあまあまあ」と、その話題には深入りしなかった様子。だがここで華丸があえて「罠の戦争」を話題に出したことには、朝ドラ「舞いあがれ!」の現状が表れているとの指摘もあるという。

「朝ドラファンのあいだでは『舞いあがれ!』の展開が暗すぎて、見るのが辛いとの声が少なくないのです。それゆえ朝ドラ受けでも物語の内容に深入りせず、やれ短歌がロマンチックだとか、父親(浩太)が別のドラマで総理大臣になっているとか、本筋を外れた話題で盛り上がるしかないのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)

 ヒロインの舞は航空会社の内定を辞退し、実家の部品工場を手伝うことに。しかし従業員たちは“お嬢さん”の舞を冷ややかな目で見ており、社内の雰囲気は最悪だ。しかも時代はリーマンショックの真っただ中で、客観的に見ても工場の業績が回復するとは考えづらい状況。それでいて舞はネジについてイチから勉強を始めており、どうにも付け焼き刃感が否めないのである。

「これでは楽し気に朝ドラ受けをする余地もないというもの。華丸が民放ドラマという禁じ手を話題にするしかないのも致し方ないのでしょう。この調子では『元気な浩太さん』を観ようと、朝ドラ離れした視聴者が『罠の戦争』に離脱する可能性もありそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 果たして「舞いあがれ!」はこの閉塞感を打開することができるのだろうか。

※トップ画像は©カンテレ