【舞いあがれ!】航空マニアが社名の元ネタを推理、ひとつだけ残された間違いとは!?

 元ネタ探しに航空マニアが沸いていたようだ。

 1月24日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第78回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が「航空機産業参入支援セミナー」に参加。ここで映し出された数々の企業名に注目が集まるなか、ひとつだけ残念な間違いが発見されたという。

 株式会社IWAKURAの営業課で働く舞は、亡き父・浩太(高橋克典)の念願だった航空機の部品製造に意欲を燃やすことに。2013年8月には現社長で母親のめぐみ(永作博美)と共に中小企業向けのセミナーに参加し、自ら手をあげて発言するほどの熱心さを見せていた。

 そのセミナーでは、数多くの日本企業が航空機の製造に関わっていることを説明。スクリーンに映し出された数々の会社名に航空マニアの注目が集まっていたのである。

「セミナーではE320およびE797という機材における、日本企業の担当割合を説明。総2階建てのE320はエアバスの『A380』、そして双発機のE797がボーイングの『B787』であることは明らかです。そこには物語にも登場する菱崎重工業のほか、牡牛重工業や西レといった架空の企業名が記載されており、それらはすべて、実在の企業をモチーフにしていました」(飛行機に詳しいトラベルライター)

セミナーに参加する舞とめぐみ。トップ画像ともに©NHK

 それら架空の企業名と、現実の企業名を対応させると、およそ以下のようになる。

菱崎重工業 → 三菱重工業
牡牛重工業 → SUBARU(当時は富士重工業)
新名長工業 → 新明和工業
目新製鉄 → 日本製鉄(当時は新日鉄住金)
丸日飛行機 → 日本飛行機
ギャレーテック → ジャムコ
横須賀ゴム → 横浜ゴム
西レ → 東レ
東日精工 →日東精工
蒲田重工業 → 川崎重工業
ジーバッテリー → ジーエス・ユアサ
友水精密工業 → 住友精密工業
荒川精機 → 多摩川精機
ブルテスコ → ナブテスコ
下松アビオニクス → パナソニック・アビオニクス
BURNIGAIR → ブリヂストン

 いずれも日本を代表する航空機関連メーカーばかり。まるでクイズを解いているようで、航空マニアはもちろん、経済誌の愛読者も思わずニンマリしてしまうことだろう。

 このうち菱崎重工業(三菱重工)や目新製鉄(日本製鉄)などは、元の社名をもじったもの。牡牛重工業は、SUBARU(スバル)=プレアデス星団が牡牛座にあることが由来だろう。下松アビオニクスはパナソニックの旧社名である松下電器産業に由来し、蒲田重工業はJR川崎駅の隣が蒲田駅だからに違いない。

 ところがこれらの架空社名の中で一社だけ、明らかにおかしな社名があったというのだ。

「それは『カスケード』という社名。同社が扱っているのは逆噴射流整流格子という部品のようですが、実在の企業では日機装が相当し、名前がかけ離れています。その原因ですが、実は『カスケード』というのは会社名ではなく、逆噴射流整流格子そのものの英語名。どうやら元の資料から企業名と製造部品を抜き出すとき、『日機装 カスケード(逆噴射流整流格子)』となっていたのを、ここだけ間違って『カスケード 逆噴射流整流格子』としてしまったのでしょう」(前出・トラベルライター)

 ことさら「考察ミス」とあげつらうほどのことではないものの、航空マニアにとってはいくら知恵を巡らせても正解にたどり着かない、難問になっていたようだ。