【舞いあがれ!】リュー北條の「写真集」提案に貴司ファンがザワつく!デジタル時代に歌人を売り出す方法とは?

 見た目はうさん臭くても、その考えに同調する視聴者は少なくなかったようだ。

 1月31日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第83回では、リュー北條(川島潤哉)と名乗る編集者が貴司(赤楚衛二)のもとを訪れ、写真集の制作を示唆する場面が描かれた。そんな北條のアイデアに貴司ファンの視聴者がザワついているという。

 貴司は“短歌界の芥川賞”と言われる長山短歌賞を受賞。北條は長山出版の文芸編集部で短歌を担当しており、受賞者の貴司に会いに来たようだ。公式サイトによると北條は「貴司に難題を注文して不安にさせる」というのだが、その難題とは何なのか?

「北條は貴司のヴィジュアルに惹かれた様子。短歌賞の応募では作者の写真が不要なので、今回の来阪で初めて、貴司が男前だと知ったのでしょう。ちゃんとした場所で宣材写真を撮るため『スタイリスト呼ぶからさ』と提案しており、どうやら出版社内では短歌担当以外の仕事もこなしていたと思われます。そんな北條のアイデアは貴司にとっては面食らうものかもしれませんが、出版人としてはごく真っ当な提案だと言えますね」(出版関係者)

 スマホで撮影した貴司の画像を観ながら「せっかくの男前なんだからさ…これ写真集いけんじゃないかな」とつぶやいていた北條。その言葉には視聴者からも<完全同意!><写真集なんて…否定できない!>といった声が続々とあがっていた。

貴司を「せっかくの男前」と評していた北條。トップ画像ともに©NHK

 たしかに貴司のヴィジュアルなら、作者自身をアイドル的に売り出す作戦もアリだろう。かつて俵万智の「サラダ記念日」が280万部という空前の大ヒットになった前例はあるものの、歌集というのは基本的に売れないというのが出版業界の共通認識。その状況で貴司という男前の歌人を見つけた北條が、そのイケメンぶりにチャンスを見出すのは出版人として当然のことだ。

 そして作中の2013年という時期も、貴司のヴィジュアルにこだわる北條の考えを後押ししているというのである。

「2013年にはスマホの普及率が28%に達しており、ツイッターやインスタグラム、LINEもすでにサービスイン。オンラインで画像や動画を共有する時代が始まりかけていました。紙に頼っていた出版社がデジタルに進出し始めたのも、ちょうどこの時期。そのタイミングで北條がデジカメではなくスマホで貴司を撮影していたことには、デジタル世代における歌人の売り出し方が示唆されていたのではないでしょうか」(前出・出版関係者)

 視聴者としても北條が撮影した貴司の画像をぜひ、公式ツイッターに掲載してほしいところだろう。パッと見はうさんくささ満載の北條だが、貴司は彼の提案に乗っかっていくのが正解なのかもしれない。