【舞いあがれ!】御園はIWAKURAの取材記事で、犯罪者の悠人をスルーする無能記者だった!

 現実世界であればいまごろ、新聞社に抗議が殺到しているに違いないだろう。

 2月15日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第94回では、毎報新聞社の御園純(山口紗弥加)が株式会社IWAKURAについて書いた記事が登場。「母娘が立て直した町工場」とのタイトルで、ヒロインの岩倉舞(福原遥)と母親のめぐみ(永作博美)で倒産寸前だったIWAKURAを再建したいきさつが説明されていた。

 記事には「先代・夫の遺志を継いで」や「女性のパワーで製造業に活力を」といった小見出しが踊り、女性記者らしい切り口になっているようだ。だがこの記事には明らかな取材不足が露呈しているというのである。

「本作の視聴者なら誰でも、IWAKURAを倒産の危機から救ったのは、工場と土地を買い取ってくれた長男の悠人(横山裕)であることを知っています。悠人が事実上の資金援助をしたことで信用金庫からの借金を清算でき、運転資金まで確保することができたからです。しかし記事中には悠人について触れた箇所はなし。こんな記事をよく全国紙のデスクが通したものだと呆れますね」(週刊誌記者)

 記事を書いた御園は社会部の記者であり、普段から様々な事件にアンテナを張っているはず。それならばIWAKURAについての記事を書く際に、経営者一族に悠人がいることを知っていて当然だ。

 悠人はインサイダー取引事件で懲役3年の有罪判決を受けたばかり。テレビ出演も多かった著名投資家ゆえ、御園が事件について知らないことはありえないだろう。その判決が出た直後に、悠人の実家が営む町工場を褒めたたえる記事が新聞に載るなど、非常識にもほどがあるのは明らか。御園の上司は「岩倉悠人の実家をヨイショする気か!?」と問い詰めるべきところだ。

新聞記事に見入るめぐみは「悠人のことは書いてなかった…」と胸を撫でおろしていたのかも。トップ画像ともに©NHK

「悠人が工場を買いとっていたことは、登記簿などを調べればすぐに分かるはず。新聞記者ならそれくらいの調査力を発揮すべきです。それ以前の問題として、有罪判決を受けた著名投資家の実家を取材するなら、記事化に際しては相当に慎重になる必要があります。もし御園が悠人に思いが及ぶことなくこの記事を書いたのであれば、新聞記者としてあまりに無能だと指摘せざるを得ません」(前出・週刊誌記者)

 御園がめぐみと舞に接近した際には、悠人について調べていると予感した人も少なくなかった。ところが新聞記事が世に出てみると、悠人のことは完全にスルーされていたのだから、視聴者のほうもさすがに驚いたことだろう。

 まともな新聞記者であれば、有罪判決を受けた投資家の母親と妹が経営する町工場の記事など、危なっかしくて書けるはずもない。そんなメディアの常識に「舞いあがれ!」の制作陣は想いが及ばなかったのだろうか。どうやらこの世界では新聞記者までもが「舞応援団」として振る舞っているようだ。