CLASS:yが初登場の渋谷で魅せた、K-POP第4世代の実力とファン想いのパフォーマンス!

 K-POPガールズグループの「CLASS:y」(読み:クラッシー)が2月23日、東京・渋谷ストリームホールにて単独ライブ「CLASS:y JAPAN FAN CONCERT 2023 “STEAL YOUR HEART”」の東京公演を開催した。前日の2月22日には大阪でもライブを行っており、同日にリリースしたJAPAN 2ndシングルの「TARGET」を含む全11曲を披露したほか、MCやトークなど盛りだくさんな内容となった。

 CLASS:yは韓国で2021年11月~2022年2月に放送されたオーディション番組「放課後のときめき」にてデビューを勝ち取った7人で結成。昨年6月にはJAPAN 1stシングルの「SHUT DOWN -JP Ver.-」にて日本デビューを果たし、7月2日放送の「テレ東音楽祭2022夏」にてデビューステージを飾っていた。今回は満を持してのライブとなり、初めて生のメンバーに会えるとの期待と熱気が会場には充満していた。

 メンバーはヒョンソ、チェウォン、ヘジュ、リウォン、ジミン、ボウン、ソンユの7人。最年長で元「BUSTERS」のヒョンソ(21)以外は全員が10代で、リウォンとジミンは中学を卒業したばかり。ボウンとソンユはまだ中学生というフレッシュさが特徴だ。

CLASS:y トップ画像ともに撮影:上溝恭香

 最初に披露したのは、TARGETのカップリング曲「ZEAROUS」の日本語バージョン。パワフルなダンスと力強い歌声で、1曲目から会場を沸かせた。2曲目は1stシングルカップリング曲の「SAME SAME DIFFERENT」で、わずか2曲で会場はすっかりCLASS:yの雰囲気に支配された。

 最初のMCではジミンとリウォンが先日、中学校を卒業したばかりと語り、会場のファンは拍手で祝福。二人は今後の抱負を口にした。

ジミン「私は、今年高校生になるのですが、高校生になってもCLIKE:y(※ファンの愛称)の皆さんに素敵な姿をお見せしたいと思っています。そして、CLASS:yとしても、高校生としても、ウォン・ジミンとしてもベストを尽くしていきたいと思っているので、見守ってください」

リウォン「中学校を卒業し、高校生になるのですが、16歳のキム・リウォンよりももっと成長した17歳の姿をお見せしたいと思っています」

ジミン 2007年11月25日生まれ(15歳)撮影:上溝恭香

リウォン 2007年1月11日生まれ(16歳)撮影:上溝恭香

 MCではメンバーがアカペラで歌を披露する場面も。メインボーカルのチェウォンは最近ハマっているという米津玄師の「レモン」を、原曲通りの日本語でしっとりと歌いあげ、客席からは驚きの声があがることに。

 次いでグループきってのアニメ好きというソンユは映画「君の名は」の挿入歌である「なんでもないや」(RADWIMPS)を熱唱。こちらも日本語の歌詞を完璧に歌い上げ、突然の日本語曲の披露に会場は驚きと歓声に包まれていた。

チェウォン 2003年6月4日生まれ(19歳)撮影:上溝恭香

ソンユ 2008年3月20日生まれ(14歳)撮影:上溝恭香

 オーディション番組「放課後のときめき」を振り返るコーナーでは、メンバーが様々なエピソードを披露。視聴者を惹きつけるために努力していたことを聞かれると、ジミンはカメラを常に意識し、顔と名前を覚えてもらおうとアピールしていたと説明した。

 リウォンは、CLIKE:y(ファン)の視点で自分を見るように心がけていたという。課題曲「Dun Dun Dance」(OH MY GIRL)では、自分の魅力を最も見せることができたと感じたとか。歌やダンスが明るくて爽やかな曲だったので、自分の爽やかさをアピールできるよう練習に励んだそうだ。

 リウォンとソンユには、番組内でのエース対決についての質問が。リウォンは「ソンユに勝とうと精一杯戦ったが、今思い返すと、ソンユはとても上手だった」と1歳年下のライバルを称賛。今は同じグループとして一緒に練習を頑張っているという。

 一方のソンユは、リウォン・オンニ(リウォンお姉さん)とは5~6年前から知っている仲だったため、対決ではとても緊張したと告白。担任の先生として参加者を指導していたダンサーのAIKI先生による様々なアドバイスを参考にして挑んだと、当時を振り返っていた。

ヒョンソ 2001年6月25日生まれ(21歳)撮影:上溝恭香

ヘジュ 2003年12月9日生まれ(19歳)撮影:上溝恭香

ボウン 2008年2月11日生まれ(15歳)撮影:上溝恭香

 こういった番組のエピソードで会場のファンを盛り上げた後は、「放課後のときめき」で使われた楽曲を立て続けに披露。まずはヘジュを含む3・4年生チームがダンスポジション審査で挑戦した「POWER」(Little Mix)をCLASS:yバージョンとして7人でパフォーマンスだ。

 ここからはメンバーが3つのユニットに分かれ、それぞれのパフォーマンスを展開。まずはボウンとジミン、そしてボーカルポジション審査では対戦相手だったチェウォンの3人により「デカルコマニー」(MAMAMOOO)を熱唱。曲中の高音パートを見事に歌い上げ、会場を感動に包む。

左からジミン・チェウォン・ボウン。撮影:上溝恭香

 続いてはセミファイナルにてヘジュが自作ラップで勝利した「Come back home」(2NE1)をソンユと共に披露。今回のステージに向け、ラップパートを2人で新しく書き直したそう。スクリーンに映し出された歌詞に「絶対かなうはず」「未来をみて」と言った前向きな言葉が並ぶなか、パワフルなダンスでファンを圧倒した。

 このコーナーのラストは、ヒョンソとリウォンがセミファイナルで披露した「Feel Special」(TWICE)をドロップ。二人にとってメンバー入りのきっかけとなった曲であり、日本でも大人気のナンバーをしっとりと歌い上げた。

 これら4曲のパフォーマンスでは「放課後のときめき」の映像がスクリーンに流されていた。当時を思いださせる演出では、真っ直ぐなまなざしで「アイドルになりたい」と訴えるメンバーの姿が映し出され、番組を視聴していたファンは胸が熱くなったに違いない。オーディション中は時にはライバル同士として戦い、時にはチームとして団結し、共に成長していった様子が思い返されたことだろう。デビューから9カ月、ファンにより良いものを見せようと努力を続け、パワーアップしていく姿は観客の心を打ったはずだ。

左からソンユ・ヘジュ。撮影:上溝恭香

左からヒョンソ・リウォン。撮影:上溝恭香

 そんな思い出深いコーナーの後は、現在のCLASS:yを見せつける場面だ。前日に発売されたばかりの新曲「TARGET」のイントロが流れると、観客が一斉にスマホを取り出す。事前に同曲だけ撮影オーケーとアナウンスされており、楽曲が始まると観客は一瞬たりとも逃したくないと全神経をステージに集中していた。

 この「TARGET」は一度耳にしたら、頭から離れない中毒性の高いサビが必聴ポイント。そしてメンバーもポイントだと指摘していた「忍者ポーズ」や「猫ダンス」も繰り出され、見所満載のパフォーマンスにあらためてハートを射抜かれたファンも多かったことだろう。

 メンバーによる対決コーナーを挟んで、ライブ終盤では日本1stシングル表題曲の「SHUT DOWN -JP Ver.-」、そして韓国2ndミニアルバム収録の「Tick Tick Boom」を披露して、ライブは終了。メンバーがハケると、ステージには鮮やかなピンク色に輝く「CLASS:y」のロゴが光っていた。

CLIKE:yの熱気が充満していた渋谷ストリームホール。撮影:上溝恭香

 もちろんファンはアンコールをリクエスト。本公演では声出しが解禁されており、手拍子から次第に「CLASS:y! CLASS:y!」とメンバーの再登場を促す声援が会場中に鳴り響く。コロナ前はこれが日常だったなと思わせつつ、どんどんと熱を帯びるアンコールの掛け声。満を持して登場したメンバーは代表曲の「CLASSY」をパフォーマンスだ。

 そして迎えたラストは韓国1stミニアルバム収録の「TELL ME ONE MORE TIME」を披露。曲の終盤ではメンバーがステージの袖に駆け寄り、笑顔でファンに手を振ったり、ハートを作るなどファンサを投下だ。完璧なダンスで魅せる韓流らしいステージの最後に、ファンの近くに歩み寄りながら日本語で「愛してる~」「また会いましょう」と別れを惜しまれたら、ファンも感動が止まらなかったのではないだろうか。

 ファンに向けてハートを送り、手を振り続け、一生懸命に日本語で思いを伝えようとする姿からは、CLASS:yメンバーのファンを思う気持ちを汲み取ることができた。平均年齢17歳で、K-POP第4世代のガールズグループのなかでも実力者ぞろいと評判のCLASS:y。この日のライブは、今後はどんな姿を見せてくれるのかとさらなる期待を高めてくれる出来栄えだった。

【セットリスト】
M01. ZEAROUS -JP Ver.-
M02. SAME SAME DIFFERENT
M03-1. POWER (Little Mix)
M03-2. デカルコマ二ー(MAMAMOO)
M03-3. Come back home(2NE1)
M03-4. Feel Special(TWICE)
M04. TARGET
M05. SHUT DOWN -JP Ver.-
M06. Tick Tick Boom
EN1. CLASSY
EN2. TELL ME ONE MORE TIME

(取材:細井彩香)