【舞いあがれ!】公式ツイッターがこんねくとに反旗?ランプの値段に「意味がない」と正論ぶっこむ!

 中の人も、この展開に呆れているのだろうか?

 3月9日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第110回では、ヒロインの梅津舞(福原遥)が音頭を取って試作したランプを巡り、大手メーカーのバイヤーがコストを下げての大量生産を打診。そのやり取りに、番組の公式ツイッターが絶妙なツッコミを入れたという。

 東大阪の町工場と人を繋げることを目的に起業した株式会社こんねくと。最初の試作品は、仙波(森下じんせい)の工場が誇るパンチングメタルの技術を活かしたランプだ。その仙波は大手インテリアメーカー「SIAZ」を紹介。同社のバイヤーはパンチングメタル以外の部品を中国で生産することにより、ランプの価格を1万円に設定したいと提案してきた。

 舞と一緒にこんねくとを起業した御園(山口紗弥加)は、最低でも3万円以上の価格で売り出すことで考えていると反論。バイヤーは「その値段で誰が買いますか?」と主張し、仙波もバイヤー側に同調するも、御園は「自分勝手じゃないですか?」と反論していた。

 このやり取りに関して公式ツイッターでは、「職人さんの技術を安売りしてはいけない。でも買ってもらえる値段でなければ意味がない…」と、御園の主張した3万円がいかにも高すぎるといったツイートを投下していたのである。

「よもや公式ツイッターがそうつぶやくとは驚きました。作中では誰も『意味がない』とまでは言ってなかったからです。ただ公式がつぶやいた内容が、視聴者の思いを代弁していたことも確か。御園はこんねくとの理念を押し出すばかりで、自分たちが消費者向けの製品を扱っている自覚がない様子です。それこそ御園のほうこそ、こんねくとの都合ばかりを押し通す『自分勝手』なのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)

売価1万円を主張するバイヤーと3万円以上を死守したい御園がせめぎあった。トップ画像ともに©NHK

 最終的には社長の舞が決断し、バイヤーに販売をゆだねる方向にシフト。ランプの電源や照明部分を設計・制作した我妻(久保田磨希)に頭を下げることとなった。その姿は公式ツイッターが指摘した「買ってもらえる値段でなければ意味がない…」への返答だったのではないだろうか。

 そもそも仙波が持つパンチングメタルの技術とは異なり、我妻が果たした役割は中国の工場が激安で代替できることに過ぎず、それは視聴者の目から見ても明らかだ。つまり御園が主張した3万円という価格は、消費者にとっては意味のない高値なのである。

「これぞ、舞が御園と一緒に起業した必然性だったのではないでしょうか。舞には東大阪の技術を結集したいという思いがある一方で、自らもねじ工場の営業として銭単位での交渉を行ってきた経験があり、コスト低減の必要性を体感しています。それに対して御園は大手新聞社の記者として高給を食んできた一方で、消費者と直接やり取りした経験がありません。商売という観点では完全な素人であり、だからこそ3万円というとんでもない高値を堂々と主張できるというわけです」(前出・テレビ誌ライター)

 制作側としては3万円がランプとして法外な価格だと理解したうえで、御園にその金額を言わせたのだろう。そして公式ツイッターでも「買ってもらえる値段でなければ意味がない」と制作側の意図を後押し。御園への反論に思えたツイートは実のところ、巧みな連係プレーだったのではないだろうか。