クロフェス2023現地レポ、陽春の屋外会場に広まった「1年で最初の野外フェス」の熱気!

 クロちゃんが総合プロデューサーを務めるアイドル野外フェスの「クロフェス2023~野外フェスでキュンからのバッキューン♡だしん!!~」が4月22日~23日に、東京・海の森水上競技場で開催。約130組のアイドルたちが広々とした会場で、思う存分にパフォーマンスを繰り広げた。

 夏にかけて多くのアイドルフェスが開催されるなか、この「クロフェス」は野外フェスとして1年で最初に開催されるイベントとしてのポジションを確立しつつある。昨年は雨にたたられる場面もあったが、今回は初日に少しだけ天気が崩れるも、おおむね晴天に恵まれることに。青い空と海、そして芝生に囲まれるなか、暑くもなく寒くもないという野外フェスには持ってこいの環境で、来場者は2日間を思う存分楽しめたことだろう。

 asageiMUSEでは2日目の模様を現地取材。4回目の開催にして初の「声出しオーケー」となったクロフェスの熱気をお伝えしたい。

夜に映えるダイヤモンドステージ。野外フェスならではの光景だ。

 東京五輪で整備された海の森水上競技場を使用するのは昨年に続いて2回目。前回はメインステージとなる「ダイヤモンドステージ」と、3つのサブステージが物販エリアを挟む形に配置されていた。

 それが今回はダイヤモンドステージの裏側に、準メインステージとなる「クリスタルステージ」を新設。全5ステージへと規模を拡大し、さらに多くのアイドルとファンがパフォーマンスを楽しめる形へと進化していた。

ダイヤモンドステージを見下ろしながらご満悦のクロちゃん。会場は東京湾に面している。

 昨年と同様、総合プロデューサーのクロちゃんは様々なステージに顔を出し、出演アイドルたちを応援。バラエティ番組ではすっかりクズキャラが定着しているが、このクロフェスではまさに主役で、アイドルからもファンからも盛んな声援を浴びる姿が印象的だった。

 クロちゃん自身がMCを務める特別企画イベントの「アイドルの主張 ファンの主張」では、両日ともに4組のアイドルがステージに登場。青年の主張よろしく、普段はなかなか声に出せない思いを青空のもと、マイクにぶつけていた。

 2日目の同イベントでは、トップバッターに「サクヤコノハナ」の水城こまが登場。ポーカーに熱中するあまりなかなか日本に戻ってこない事務所社長に対し、なぜか武田鉄矢のものまねで「このバカチンが!」とクレームだ。二番手の「PinkySpice」大塚れなは、自身は北海道出身ながら関西のグループなので面白いことを期待されているとクレーム。ところがクロちゃんの話術に乗せられてなぜか一発ギャグを披露することになってしまい、「布団が吹っ飛んだー! わわわわー!」というベタなギャグに、観客からの温かい歓声が寄せられていた。

コーナーMCを務めるクロちゃん。

 3組目には「疾走クレヨン」が登場。「Task have Fun」の後輩ながら、昨年6月にデビューしたばかりとあって、イエロー担当の水野七葉が「早く疾走クレヨンの魅力に気づけー! ばかやろー!」と絶叫だ。さらにはクロちゃんに対し、ツイッターのプロフィール欄に略称の「ソーヨン」を追加するように要求。リクエストされたクロちゃんは「今日終わった時に見てもらえば」とはぐらかしていたが、実は3日後にきっちりリクエストに応えていたようだ。

 ラストの「C;ON」は、7年目なのにクロちゃんにも覚えてもらっていないとして「いつ有名になれんだよー! ばかやろー!」とシャウト。ハートを撃ち抜かれたというクロちゃんが「むチュー」とキスマークでお返しすると「きゃー!」とガチ悲鳴をあげていた。さらにC;ONは、自分たちの名前もプロフィールに入れて欲しいとリクエスト。果たしてこちらの結果はどうだったのだろうか。

ソーヨンこと疾走クレヨンが青い空のもと、絶叫していた。

【MUSE特選アイドルのステージレポ】

 数多くのアイドルたちがいずれ劣らぬパフォーマンスでファンを魅了したなか、今回は4組のグループをピックアップ。ステージの模様をお届けする。

■CANDY TUNE

 エメラルドステージとクリスタルステージに登場したのは、3月にデビューしたばかりの「CANDY TUNE」。アソビシステムが手掛けるKAWAII LAB.の最新グループとして、新人ながら圧倒的なパフォーマンスで会場を盛り上げていた。

 クリスタルステージでは「hanamaru」「ナナイロプロローグ」「TUNE MY WAY」「キス・ミー・パティシエ」の4曲を披露。ラスト曲の「キス・ミー・パティシエ」はTikTokでメンバーが振り付けをレクチャーしており、デビュー2カ月目ながら、多くのファンが振り真似していたのが印象的だった。

CANDY TUNE

■FRUITS ZIPPER

 ダイヤモンドステージで大トリ前にファンを魅了したのは、2年連続出場となったFRUITS ZIPPER。TikTokで大バズりし、5月4日の豊洲PITワンマンもすでに完売という人気ぶりで、他のアイドルたちもパフォーマンスを一目見ようとステージに駆け付けていた。特典会ではブースの前に何重もの列ができており、その人気ぶりをあらためて見せつけた形だ。

 ステージではキラーチューンの「わたしの一番かわいいところ」や「RADIO GALAXY」などを披露し、会場のファンも振り真似で大盛り上がり。夜の東京湾を臨むステージで、7色のメンバーたちが華やかな笑顔を見せる姿は、今年のアイドルシーンで彼女たちが主役になる予感を抱かせてくれた。

FRUIT ZIPPER

■Task have Fun

 結成7周年記念ツアー「Lucky7」を控えるタスクは、クリスタルステージのトリを務めることに。今月にはテレ朝動画にて冠番組「Task have Fun Diary」もスタートし、ビジュアルレベルや熱量の高いライブパフォーマンスでライブアイドル界を牽引している。

 ステージでは初っ端から、いまやアイドル界を代表するアンセムソングの一つとなった「3WD」をドロップ。会場全体が一体となって特徴的なダンスを踊る姿は、タスクの人気ぶりを再認識させてくれた場面だった。ほかにも「けどハニカミ」など人気曲を立て続けに展開し、陽のとっぷり暮れた会場を熱気で包み込むことに。4回目のクロフェスにて会場全体が一緒になって盛り上がる、トリにふさわしいステージだった。

Task have Fun

■花いろは

 可愛らしい“超”王道系の「花いろは」はクロフェスの常連で、2日間にわたって2ステージずつをこなしていた。ただ今回はセンターの葵井ここあがコロナ陽性で欠場となり、6人でのステージを余儀なくされることに。それでも普段とそん色のないパフォーマンスを見せてくれたのはさすがだ。

 2日目のダイヤモンドステージでは、3月の3rdワンマンライブで初披露した新曲の「ラッキー☆ストラテジー」を含め、「究極LOVE」「LOVEバケーション!!!」「ナミダこぼれても」「ラビニュー」の5曲を披露。葵井の不在をしっかりとカバーし、王道可愛い系かつ安定感のある花いろはで魅せてくれた。

花いろは

 なお今回のクロフェス2023では、ダイヤモンドステージに隣接する建物の屋上にて「クロフェス撮影会」を開催。この入場券はクロフェスとは別になっており(※クロフェス入場者は割引)、TIFの会期中にグラビア撮影会の「TGIF」が同時開催されていることを思い出したファンも多かったことだろう。フードエリアのキッチンカーも前回より充実しており、フェスらしさが高まることに。いまから来年の開催ではどんな進化を見せてくれるのかが楽しみになるというものだ。

クロフェス撮影会。水色の水着はdelaの藤本南だ。

(取材:はせいあい、渡辺梨子/撮影:Issey Nakanishi)