NGT48本間日陽インタビュー、2nd写真集は「自分の軸になる部分を見つめ直せるような一冊」

本間日陽

 NGT48の1期生として人気を博し、今春にはグループからの卒業を控えている本間日陽。1月17日には「NGT48 本間日陽 2nd写真集 陽射し色」(KADOKAWA)がリリースされた。

 アイドルとしての最後の姿を収めた同写真集では、本間がずっと行きたかったという四国水族館を中心に、香川県でオールロケを敢行。水族館で楽しそうに遊ぶカットや、小豆島のオリーブ畑で自然と戯れる姿を収めている。

 今回のインタビューでは撮影に関するエピソードや、写真集に掲載されているエッセイに込めた想いなどを語ってもらった。いずれ一人の芸能人といて羽ばたいていく彼女がいまどんな思いを抱いているのか。これまで語っていなかった弟への想いなど、彼女の言葉に耳を傾けていただきたい。

インタビューに応じる本間日陽

■エッセイは初心に帰れるよう自分のために書きました

――2021年5月発売の1st写真集から約2年半が経ちましたが、その間の変化についてどう捉えていますか。

本間 1stは初めての写真集だったこともあり、それまでに見せたことのない一面を見てもらいたかったり、新しい自分を発見してもらうきっかけになったらいいなとの想いでした。それが今回の2nd写真集はグループを卒業するというタイミングで出させていただくので、自分の素の部分だったり、パーソナルな部分を詰め込んでいます。

――パーソナル部分はどんな形で出ているんでしょうか。

本間 今回、自分でエッセイを書かせてもらいました。これまで言葉にしてこなかったようなアイドルになってからの自分のことだったり、それこそアイドルになる前の自分のことを、私自身の言葉で伝えています。グループを卒業するにあたって自分自身の今後について考える時間が増えるなか、これから先、悩んだりつまずいたときに読むことでまた初心に帰れるよう、自分のために書きました。そこから発展して、ほかの誰かにとっても何かが伝わるきっかけになったらいいなという想いも込めています。

――アイドルを卒業した後に向けての一冊だと。

本間 芸能を始めるきっかけがNGT48だったので、アイドルとしてステージに立っている自分しか知らないんです。卒業後にどんな自分に出会えるのかは自分でもまだ分からない状態で、それに対して希望が持てるような一冊にできたらいいなと思っています。卒業後、ちょっと上手くいかないことがあったりした時も、自分の軸になる部分を見つめ直せるような一冊にできたらいいですね。

――もしNGT48に入っていなかったら、それでも芸能人になっていたと思いますか。

本間 芸能に対する漠然とした想いは抱いていましたし、これはエッセイにも書いてありますが、自分が住んでいた(新潟県)村上という街を飛び出したいという気持ちが強かったので、その想いの向かう先が芸能でした。だからNGT48がなかったとしても、別の形で何かしら始めていたと思います。

 でも私が中3だったタイミングで新潟に48グループができるという発表があり、そこに飛び込めたということは結果的に、自分の人生において大きなターニングポイント…自分の人生が動き出した瞬間だったなと思います。

2nd写真集を手に笑顔を見せる

■弟がいたからこそ自分にとって大切なものが生まれた

――今回の写真集を作る際、もう卒業は決めてらっしゃったんですか。

本間 決めてはいましたが、それ以前に、自分の家族のことを本にしたいという目標を持っていました。アイドル卒業というターニングポイントも含めて、自分のパーソナルな部分を詰め込ませてもらえたと思っています。

――パーソナルな部分、とはどんなことでしょうか。

本間 今回の写真集で初めて書いたんですけど、弟が生まれつき障がいを抱えていて、私自身“きょうだい児”という枠組みになるんですけど、弟が障がいを抱えていることに対してのコンプレックスだったり、辛さを抱えることもありました。一方では弟がいたからこそ自分にとって大切なものが生まれたという部分もあります。

 私は小1からクラシックバレエを習っていましたが、そのきっかけは弟がいることで辛い想いをしていることについて母が、自分にとって大切なものになるような習い事をさせてあげたいという気持ちだったからなんです。だから弟がいなかったら、私がいま大切に思っているバレエという軸も生まれなかったですし、お芝居したいという気持ちも芽生えなかったかもしれない。そう思うと、やはり夢に対する原動力とか頑張ろうという気持ちには弟の存在がすごく大きいと思っています。

――写真集を通して、自分の生き様も表現しているわけですね。

本間 もちろんファンの方にとっては私がアイドルを卒業する記念の一冊でもあるので、たくさんの方に手に取ってもらいたいという気持ちはあります。そのうえで1st写真集とは違って、自分のためにも作ることができた一冊になっていると思っています。

スタイルの良さは舞台上でも映える

■明るい笑顔も大人っぽい表情も、どっちも自分

――そんな自分のための一冊で、ロケに行った場所が香川県の四国水族館です。

本間 私、水族館の年間パスポートを持っているくらい水族館めぐりが趣味で、時間があったら水族館に行きますし、水のある空間がすごく好きなことに気づいたんです。水の流れる音だったり、周りに水がある空間ってすごく落ち着くと思っていて、それってけっこう日本人的な感覚じゃないですか。

 そのなかでも四国水族館はインスタグラムでも「映える水族館」として紹介されていることが多く、四国は芸術に触れられる場所が多かったりもするので、行ってみたいなとずっと思っていました。これまで四国に行ったことがなかったので、グループの卒業と絡めて自分の中で卒業旅行と言いますか、写真集の撮影で自分が楽しめる要素があってもいいかなって思って、ここをチョイスしました。

――そんなお気に入りの場所に行きつつ、ランジェリーや彼シャツといった大人っぽい姿も見せています。お気に入りの衣装やカットを教えてもらえますか。

本間 全部自分でイメージを決めたので、どの衣装にもこだわりがあります。そのなかでも表紙で着ている白ニットはお気に入り。ランジェリーカットではあるんですけど、ヘルシーな肌見せを意識していて、その辺のバランスが私らしさを表現できたんじゃないかなと思っています。この写真集は旅要素が強めで、写真集をめくっている方が私と一緒に旅をしている気分になるような一冊になったらいいなという想いを込めています。

お気に入りだという白ニット&ピンク色のランジェリー
©KADOKAWA ©Flora PHOTO/You Ishii

――今回の写真集に向けて、体形の維持など気を付けたことはありますか。

本間 今回の撮影にあたっては、身体を絞り過ぎないように気を付けました。撮影の前には舞台出演が多く、それも運動量の多いけっこうハードな舞台だったので、食べても食べてもどんどん絞られちゃったんです。だから撮影に向けてしっかり食べるように意識していました。

 ほかには温かいお茶を常に飲むようにしています。私の地元は「北限の茶どころ」と呼ばれているところで、普段から家で温かいお茶を飲む習慣があるんです。お茶を飲んでいると体調面が安定して風邪もひかなくなりますし、健康的にスタイルを維持できているんじゃないかなと思います。

――笑顔の素敵な本間さんですが、表紙ではしっとりとした大人の表情を見せています。

本間 名前も日陽(ひなた)ですし、とくに初対面の方には明るいイメージを持たれることが多いですね。でも掘り下げていくと明るいネガティブというか、けっこう陰の要素もあったりして、だからこそ名前の陽の部分を褒めていただけるのかもしれません。この表紙にはそんな自分の、どちらの面も併せ持っているところをしっかりと収められたんじゃないかなと思います。

――秋元先生の帯コメントには「彼女にも、時々、普段は見えない“色”が見えるからだろう」という言葉があります。

本間 周りの人から抱かれる印象と、そんな明るい人間じゃないのになって自分で思ったりする違いが、秋元先生の言葉で心にストンと落ちるところがありました。なので明るい表情や笑顔も、ちょっと大人っぽいしっとりとした表情も、どっちも自分なので、楽しんでもらえたらいいなと思います。

しっとりとした大人っぽい表情も見せてくれた

■新しい環境に身を置けるのはすごく素敵なこと

――先ほど卒業旅行というキーワードがありましたが、新潟に卒業旅行に行く際のおすすめスポットを教えてください。

本間 この時期だとやはりウインタースポーツが楽しめると思うので,みんなでスキーやスノーボードに行ったら絶対にいい思い出になると思います。最近はグランピングに力を入れている地域もあるので、オシャレなウインタースポーツを楽しめそう。

――本間さんご自身はウインタースポーツの経験は。

本間 小さいころにスキーをやっていたので、スキーは滑れます。今度挑戦できるならぜひスノーボードをやってみたい。北京五輪金メダリストの平野歩夢選手が同郷で(※平野選手が1学年上)、地元に帰ると「さっき歩夢くん歩いてたよ」なんて話も出るので(笑)、やはりスノーボードは身近に感じます。

――グループを卒業する本間さんと同様に、この春に学校を卒業する人も多いので、そういう方に向けてのメッセージをお願いします。

本間 春ってやっぱり出会いと別れの季節なので、私自身もそういう春を迎えるにあたってドキドキしたり、これからどうなっていくんだろうっていう不安も少なからずあります。そのドキドキもありつつ、新しい環境に身を置けるのはすごく素敵なことだなって思うので、ピンチはチャンスじゃないですけど、新しい出来事を面白がって過ごせたらいいんじゃないかなと思っています。

――それでは最後にあらためて、今回の写真集のアピールポイントを教えてください。

本間 今回、2nd写真集を発売するにあたって、素で楽しんでいる自分をいろんな人に見ていただけたらいいなと思っています。グループ卒業への想いも写真に詰め込ませてもらいましたし、エッセイに込めた気持ちもすごく大きいので、この写真集を見ていただけたら、本間日陽をより深く知っていただけるんじゃないかなと思います。ぜひたくさんの方に手に取ってもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!

(取材協力:山下恵里佳、渡辺梨子/撮影:Issey Nakanishi)

【書誌情報】
書名:NGT48 本間日陽 2nd写真集 陽射し色
著者:本間日陽
撮影:You Ishii
定価:本体2500円+税
仕様:B5判/128ページ
発行:株式会社KADOKAWA
発売中

本間日陽 2nd 写真集(帯付き)

【本間日陽 プロフィール】
ほんまひなた。1999年11月10日、新潟県村上市生まれ。
2015年、NGT48の1期生として加入。2017年4月にリリースされたNGT48のメジャーデビューシングル「青春時計」で表題曲選抜メンバーに選ばれる。2018年4月リリースの3rdシングル「春はどこから来るのか?」で表題曲初センターに抜擢。2020年1月にはTOKYO DOME CITY HALL にて「本間日陽ソロコンサート~来いっしゃ!ひなたまつり~」を開催した。

2021年5月、1st写真集「ずっと、会いたかった」(光文社)を発売。2022年12月リリースのNGT48・8thシングル「渡り鳥たちに空は見えない」では表題曲2度目のセンターを務めるなど、エースとしてグループを牽引してきた。2023年9月1日、活動の幅を広げるため芸能事務所「HONEST」に移籍。2023年10月24日にはNGT48からの卒業を発表した。NGT48としての活動は2024年春ごろまでを予定している。