NGT48のエースとして人気を博し、昨年4月に同グループを卒業した本間日陽の3rd写真集『プレパレーション』(KADOKAWA)が2月14日にリリースされた。
タイトルのプレパレーションは本間が長年親しんできたクラシックバレエの用語で「準備」の意味。アイドルを卒業し、女優として羽ばたきつつある現在の彼女にはぴったりの書名と言えるだろう。
撮影は本間自身も初めて訪れたというインドネシアのバリ島にてロケを実施。地元の人たちと触れ合うシーンも収録されるなど、彼女の素の姿が収められた一冊となっている。
今回のインタビューでは3rd写真集に込めた想いや、今後の芸能生活への展望などを語ってもらった。新しい世界に飛び立とうとしている彼女の覚悟を感じ取ってもらいたい。
【本間日陽 プロフィール】
ほんまひなた、1999年11月10日生まれ、新潟県村上市出身。
2015年、NGT48に1期生として加入。AKB48シングル選抜総選挙では、2017年に初ランクイン13位、2018年には16 位となり、2年連続の選抜入りを果たす。
NGT48のエースとしてグループを牽引し、2024年4月13日に同グループを卒業。主な出演作に、新潟4局合同ドラマ『夜明けまえの彼女たち』主演、テレビ朝日木曜ドラマ『Believeー君にかける橋ー』、東海テレビ連続ドラマ『嗤う淑女』、テレ東ドラマNEXT『ひだまりが聴こえる』など。ほかにBSN新潟放送ラジオ『ひなたまつり』レギュラー、CM『キューピーコーワαチャージ』など、女優業を中心に幅広く活動中。
◆今回の3rd写真集は、まだ何者でもない自分に近い感じ
――前回の2nd写真集はNGT48在籍時の作品でした。卒業から1年近く経ったいま、写真集に向き合う意識はどう変わりましたか。
本間 2nd写真集と今回の3冊目では、込めた想いが全然違うと思っています。2nd写真集では「アイドルとして全部出しきるぞ」という想いが強かったのに対し、今回の3rd写真集は、まだ何者でもない自分に近い感じ。今後に向けて自分はどうなっていくんだろう、みたいな葛藤を抱えながら撮影したので、これまでの自分とこれからに期待している自分が入り混じった、今しか撮れない一冊になっているんじゃないでしょうか。
――女優やタレントとして羽ばたいていくプリパレーションを込めた本作ですが、現在はどれぐらい“準備”できていますか。
本間 2nd写真集(※昨年1月17日発売)からあまり日が経っていないので、どう変化がつけられるのかなって考えたなかで、それまであまりしてこなかったボディメイク、とくにマシンピラティスに挑戦しました。お尻とくびれを中心的に鍛えたんですけど、撮影が終わってからはもう趣味の一つになって、最近は呼吸法で背骨の側弯症を治しています。
――ピラティスでそんなことまでできるんですか。
本間 ピラティスの動作で呼吸すると、背骨の歪みみたいなのを治すことができるらしくて。これまで左右の肩で高さが違うことが悩みでしたが、揃ってきたんです。あと握手会ではかがんで話すことが多く、腰痛に悩んでいました。それもピラティスで反り腰が治ってきて、腰痛での悩みもだいぶ減りましたね。
◆青いワンピースでのカットでは、現地を楽しんでいる自分が出せた
――一期生として9年間続けてきたアイドルを卒業し、いまは女優として後輩の立場になりました。
本間 グループを卒業してから、お芝居に向き合う時間がすごく多くなりました。レッスンを受けることによって見方がちょっとずつ変わってきたというか、この人の表現が素敵だなとか、自分だったらどうアプローチするのかなどを考える時間が増えて、よりお芝居が好きになってきたと感じています。上手くできないこともまだまだ多いんですけど、それでさらに燃えるというか、好きなことに対して努力している時間が好きなんだなって改めて思いました。
――アイドルはわりとすぐに本番に臨む必要のある世界ですが、そんな環境の変化はいかがでしょうか。
本間 これまでは振付や歌割りをいただいてすぐにステージに立つといった環境が長かったからこそ、お芝居に対して綿密に向き合う時間は大きな変化だと感じます。お芝居には正解がなくて難しいなって思うこともあるんですけど、レッスンで先生から新しいアドバイスをもらった時に、次はもっとこうしてみようと考えるきっかけをもらえるので、今は充実した時間を過ごせています。
――アイドル時代にも演技のお仕事をされていましたが、卒業前と卒業後で変化したことはありますか。
本間 より本格的なレッスンを受けるようになって、台本を読む力がすごくついたと思います。これまでは、自分だったらこの物語をどう感じるかにフォーカスを当てていました。それがレッスンを受けるようになってからはそこにプラスして、お芝居を観る方が自分と同じ感情で観ていただけるように、ロジック的な台本の読み方ができるようになっています。そのおかげで表現の幅がより広がったと思っています。
――今回の写真集でお気に入りの写真を教えてください。
本間 街中で撮った青いワンピースのカットがお気に入りです。バリの皆さんがフレンドリーで、一緒に写真を撮ろうよとか多くの人に話しかけてもらいました。だから青いワンピースでのカットでは、現地を楽しんでいる自分が出せたなって思います。
――撮影の様子は前2作と比べてどうでしたか。
本間 1作目の時は移動時にもマスクが必須で、誰にも会うことなく撮影が進みました。2作目もまだコロナ禍で、出会った方との触れ合いを写真として残すことができなかったんです。だから今回、こうやって街中で歩いている姿を収められたのは、最初からずっとやりたかったことだったので、それが叶って嬉しいです。
――本作では姿勢がとても綺麗ですし、なかでもお尻のラインがすごく綺麗だと感じます。
本間 嬉しいです。10代の頃、先輩の柏木由紀さんに、「日陽のお尻はまゆゆ(渡辺麻友)と同じ」って言われたことがあって。麻友さんとは選抜総選挙がきっかけで一緒のステージに立たせていただくことがあって、その期間に麻友さんが憧れの先輩から大好きな先輩になった実感がありました。そんな素敵な先輩に近づけていたらいいなって思います。
◆いま自分が挑戦したいのは医療系ドラマだなと思っています
――バリ島を訪れるのは初めてとのことですが、驚きや発見はありましたか。
本間 海外特有の、空港に着いた瞬間の香りみたいなのをすごく感じて、テレビ番組で言っているのはこういうことか!って実感しました。
――本間さんは顔立ちがエキゾチックな印象なので、すごくバリに溶け込んでいるように感じました。
本間 写真集を見てもらうと分かるんですけど、眉毛が出ているカットがすごい多いんです。これまで以上に前髪が薄めだったり、オールバックやポニーテールのシーンがあるので、眉毛の印象が強いと思います。だから自分で言うのはちょっと恥ずかしいですけど、エキゾチックな顔立ちが際立った一冊になったと思います。
――もし4作目の写真集を撮るとなったら、次はどこに行ってみたいですか?
本間 ヨーロッパですね。できたらフランスに行きたい。今回のタイトルもバレエ用語から取っていますし、私がエンタメに興味を持ち始めたのはクラシックバレエがきっかけなので、その原点に行ってみたい気持ちがあります。あとは最近、美術館巡りが趣味で、国立西洋美術館のモネ展も観に行きました。それこそモネが晩年を過ごしたフランスで、パリだけじゃなくちょっと地方のほうにも行ってみたいなって思います。
――女優としてこれから挑戦してみたい役は何でしょうか。
本間 医療ドラマや刑事ドラマなど、職業ものに挑戦してみたい。自分自身も学生ではなくなり、職業ものにすごい刺激をもらうようになりました。昨年放送された『アンメット』(フジテレビ系)が医療ものでありつついろんな人間関係を反映した素敵な作品だったので、いま自分が挑戦したいのは医療系ドラマだなと思っています。
◆川栄李奈さんはこの10年以上ずっと私の目標です
――以前から朝ドラや大河ドラマに出てみたいと話されています。たとえば朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)でヒロインを務めた川栄李奈さんの印象はどうですか。
本間 『カムカムエヴリバディ』観てました! すごく素敵な作品ですよね。私がNGT48に入ったきっかけもお芝居でした。お芝居をやりたくて芸能界を目指したんですけど、当時まだ15歳で上京できるような状況ではなく、思い悩んでいた時に地元に48グループができるってなって。
その当時、48グループの中でも舞台やドラマ作品を作っていましたし、前田敦子さんや川栄李奈さんが卒業されてからいろんな作品に出演されていたのを見て、ここだったら自分がやりたいお芝居に挑戦できるかもしれないって思ったのがきっかけでした。だから川栄李奈さんはこの10年以上ずっと私の目標でもあり、いつか作品でご一緒できるような俳優になれるよう頑張りたいです。
――本間さんがNGT48に入った時(2015年8月21日)にはもう、川栄さんは卒業されていました(同年8月4日)。
本間 そうなんです。在籍期間は被っていなくて…。ただ川栄さんと横山由依さんがすごく仲良くて、私がドラマ『マジムリ学園』(日本テレビ系、2018年7~9月)で横山さんと共演させていただいた際に、川栄さんが横山さんと一緒に観てくださったそうです。それで川栄さんから感想をいただけて、心の中では大ジャンプするくらい嬉しかったです。
――その川栄さんはいきなり朝ドラのヒロインに抜擢されたのではなく、『とと姉ちゃん』(2016年度前期)にも出演されていました。そんな風に本間さんも何かの作品で見つかるといいですね。
本間 そうなれるよう、本当になりたいなと思います。それこそ川栄さんも今ではもう大女優ですけど、私が川栄さんを知ったきっかけは『めちゃイケ』だったりするので、本当にすごいなって思います。自分もNGT48の印象がまだまだ強いと思うんですけど、いつかは「あの女優さん元アイドルだったよね」って言ってもらえるように頑張りたいです
――最後に、今回の写真集をこれから手にする読者やファンの方に向けてのメッセージをお願いします。
本間 今回、3rd写真集を出させていただくということで、1冊目や2冊目とはまったくテイストが違う、本当に素敵な本に仕上がりました。初めてのバリ島での撮影で、ここでしか撮れない、今しか収められない自分をこの一冊に詰め込めたんじゃないかなと思っています。男性・女性問わずに楽しんでいただける内容になっていると思いますので、ぜひお手に取ってもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします!
(取材:早川千鶴/撮影:Issey Nakanishi)
【書誌情報】
『本間日陽3rd 写真集 プレパレーション』
著者:本間日陽
撮影:下田直樹
定価:本体3200円+税
仕様:A4判/128ページ
ISBN:978-4-04-738076-9
発行:株式会社KADOKAWA