「ネメシス」橋本環奈の黒幕ぶりを際立たせた鮮やかすぎる色使い!

 やはり本当の黒幕は橋本環奈だった! 6月6日に放送されたドラマ「ネメシス」(日本テレビ系)の第9話にて、ヒロインの美神アンナ(広瀬すず)と、アンナを監禁した黒幕・菅朋美(橋本)が対峙した場面に注目が集まっている。

 朋美はゲノム(遺伝子)研究を手掛けていた遺伝子学者・菅容子の忘れ形見。母親を死に追いやった遺伝性の大脳変性症に罹患しているようで、その治療を目的にゲノム編集の第一人者だった立花教授(仲村トオル)を監禁。さらには立花教授の娘で、史上初の“ゲノム編集ベビー”として生まれてきたアンナの細胞や血液を採取し、美神親子が握るゲノム編集の秘密を奪おうとしていた。

「母親から受け継いだ菅研究所に二人を監禁した朋美は、立花教授が生まれたばかりのアンナを連れてインドに身を隠していたことについて『私の母も騙されて死んでいった』と言い放ちました。彼女にしてみれば、立花教授がゲノム編集の研究を続けていれば母親が遺伝性疾患で亡くなることはなかったとの恨みを抱えるのも無理のない話。一方でゲノム編集技術の結晶とも言えるアンナは脳のリミッターが解除された天才として出生しており、それが余計に朋美の神経を逆なでしたのです」(テレビ誌ライター)

 その朋美とアンナが対峙する場面は、同い年の橋本と広瀬という二大若手女優が共演する、なんともぜいたくかつ重要なシーンだった。ここで橋本が見せた演技に感心する視聴者が続出していたのである。

 この二人は人気面では負けず劣らずながら、演技力では女優歴の長い広瀬に一日の長があるとみなされていた。アンナ(広瀬)が自らの出生に関する秘密を知った前回には、「なんで黙ってたの…ねぇ…ねえっ!!」と鬼気迫る表情で絶叫する姿が視聴者を震えあがらせたもの。それに比べると橋本の演技はコミカルさや可愛らしさでは高く評価されているものの、凄みや圧といった面では広瀬の域に達していないというのが世間の評価だったはずだ。

現場では和気あいあいという広瀬と橋本。ドラマ「ネメシス」公式インスタグラム(@nemesis_ntv_)より。

「それが今回、研究所所長という黒幕を演じる橋本は、観る者が凍り付くような冷たい目線でアンナ(広瀬)をなじることに。その姿には子供っぽさを指摘されがちな普段の橋本らしさはなく、冷徹な研究者という凄みを感じさせました。前回の第8話では体の自由を奪られたアンナを蹴り飛ばす場面もあり、女優としての橋本が新しいステージに駆け上っていく様を体現していたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 その朋美、初登場の第3話ではアンナと同色系の紅いリップを塗っており、全身を白い衣装で決めた彼女にとって鮮やかな差し色となっていた。それが今回はほとんど生気を感じさせない白っぽい唇となっており、冷徹さを際立たせていたのである。

「唇や真っ白な衣装に加え、研究所の内装もすべてが白っぽい無彩色で覆われており、海外ドラマでよく見られる無機質さを表現していました。そしてトップから当たるライトが目元に影を落とし、それもまた朋美の冷徹さを浮かび上がらせていたのです。ともすれば嘘っぽくなりがちな監禁シーンを圧倒的な白さで生々しく表現した今回は、日本のドラマとしては異例なほどに凝った色使いだったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 そんな演出の妙と、橋本の覚醒した演技力が合わさった今回。果たしてアンナは父親と共にこの局面を切り抜けることができるのか、視聴者も次回の最終回を見逃せないと確信したに違いないだろう。