平手友梨奈、東大合格と五輪出場の両立は可能だという根拠!

 果たして彼女は東大合格とオリンピック出場の両方を叶えることができるのか? 6月13日に第8話が放送されたドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)を巡って、視聴者の間で議論が交わされているという。

 全国トップクラスの実力がありながら、膝のケガで高三のインターハイ出場を断念したバドミントン選手の岩崎楓(平手友梨奈)。第8話では東大専科に所属したことを元バドミントン選手の両親に隠していた楓が、親の支配に打ち勝って本心を告白する場面がハイライトとなった。

「楓は強権的な父親からのビンタを受けつつも、真っ直ぐな目で『私は本気で話してるの』と自らの想いを吐露。『東大も、オリンピックも、両方叶える』との決意を口にしました。その言葉に父親は『バカバカしい、そんなことできるわけないだろ』と反論しますが、楓の言葉に心を奪われていた視聴者のほうにも《さすがに東大とオリンピックの両立は無理じゃないのか?》という疑念が渦巻いていたようです」(テレビ誌ライター)

 一方で、大学スポーツの実情に詳しいスポーツライターは、楓の決意は決して無謀ではないとの考えを示しているという。

 実際、オリンピック代表となった東大出身選手は補欠も含めると33人にものぼっている。その多くは日本スポーツ界の黎明期に輩出されたものの、戦後も10人の選手が五輪に選出。最後の出場者は1976年のモントリオール五輪でボート競技の“エイト”に出場した山本真伸選手(当時ソニー)だ。

「東大の体育会では六大学野球で数年に一度しか勝てない野球部の印象が強いため、弱いと思われがち。しかし強化の進んでいるアメフト部ではガチで日本一を目指しており、実力で所属が決まる関東1部リーグにて最上位の『TOP8』で闘っています。バドミントンのような個人競技でも、選手自身の頑張り次第でオリンピックを狙うことは十分に可能です」(前出・スポーツライター)

ヒザを護るニーブレスを装着した姿がおなじみとなった楓役の平手友梨奈。ドラマ「ドラゴン桜」公式インスタグラム(@dragonzakuratbs)より。

 そもそも学問とスポーツの両立が可能なことは、アメリカの大学スポーツで実証されている。世界中の大学で頂点の一つとされるハーバード大学ではこれまで、金メダル46個を含む108個の五輪メダルを獲得。それに加えて現役の学生がオリンピックに出場する例も決して珍しくないというのだ。

「直近では東京五輪の男子ボートで3年生のクラーク・ディーン選手が出場内定。2018年の平昌五輪では男子アイスホッケー米国代表に3年生のライアン・ドネイト選手が選出され、現在はNHLのサンノゼ・シャークスにてプロ選手として活躍しています。2014年のソチ五輪では女子アイスホッケー米国代表としてリンゼイ・フライ、ミシェル・ピカード、ジョセフィーヌ・プッチの3選手が出場し、銀メダルに輝くという実績を残しました」(前出・スポーツライター)

 しかし、基本的に学力試験でしか入学できない東大と、スポーツ推薦制度の整ったアメリカでは、比較の対象にならないのではないだろうか?

「ハーバード大学はNCAA(全米大学体育協会)に所属しているものの、実はスポーツ奨学金を提供していません。有力な高校スポーツ選手は一般入試よりも合格しやすいという統計はあるものの、非常に厳しい選考を課せられることに変わりはなく、入学後もまともに単位が取れなければ退学を余儀なくされるのは一般のハーバード大生と同じ条件なのです。そのハーバード大生にはできて、東大生にはできないという理屈は、単なる思い込みに過ぎないのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)

 そんな実情に加えて「ドラゴン桜」の楓には、スポーツ選手として有利な面もあるという。

「彼女はケガでインターハイを断念するまでは、有力選手としてバドミントンに打ち込んできました。そのため東大受験のために練習をセーブする期間が半年強と短く、選手としての旬を逃さないで済むのです。もっとも彼女の場合、膝半月板の損傷という大きな怪我から復帰できるかどうかのほうが、五輪を目指すにあたっては東大受験よりも大きな障害となることでしょう」(前出・スポーツライター)

 まずは東大合格を目指す楓に、サクラサクの朗報が届いてほしいものだ。