月9ドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)が好調発進を見せている。第3話までの視聴率は13.4%、10.6%、11.7%と高い水準で推移。同枠で前クールの「イチケイのカラス」と同じような数字となっており、この調子なら平均視聴率も12%台を維持できそうだ。
一方で視聴者からは、そのリアルな医療描写に称賛の声が集まっている。本作の医療監修を務める日本医科大学千葉北総病院の救命救急センターでは、公式インスタグラムと公式フェイスブックにて、医療シーンの詳細な解説を掲載。プロの目から見ても納得のリアリティであることを証明する形となっている。
「医師も認めるリアルさに加え、ゴールデンタイムのドラマでは避けがちな血の描写も本作の特徴です。第1話の手術シーンでは《グロすぎる》といった声もあがっていましたが、回を追うにつれてそのリアルさが視聴者にも浸透し、医療ドラマとしての現実味を担保しています。どうしても医療行為中の場面が多く、代わり映えのしない絵面になりがちな本作において、リアルな血の描写は視聴者を惹きこむ重要な要素となっています」(医療系ライター)
救命医役の波瑠が様々な手術に臨むシーンが続出の「ナイト・ドクター」。そこでのこだわりが、同じ救急救命をテーマにした日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系)との差別化を可能にしているというのである。
「第1話を見る限り、『TOKYO MER』ではいかにドラマチックな舞台を用意するかに力点を置いているように見受けられました。もちろん『TOKYO MER』でも医療行為のリアルさには十分こだわっているのですが、基本的に災害救助のシーンがメインとなるため、その描写は切った張ったという外科的処置に偏りがち。同じ流血でも外科的な出血は多くの人が見慣れているのに対し、『ナイト・ドクター』の内科的な出血には拒否反応を示す人も多く、そのぶんリアリティの重要性が際立つというわけです」(前出・医療系ライター)
「TOKYO MER」に引き続いて手術シーンを2日連続で見ても、既視感を抱かせない「ナイト・ドクター」。今クールの医療ドラマ2作品はどうやら、似て異なる作品に仕上がっているようだ。