大阪☆春夏秋冬が東名阪ツアーを完走!「目の前にいるひとりひとりが愛おしい」

 5人組ダンス&ヴォーカルユニットの「大阪☆春夏秋冬」(略称:しゅかしゅん)が1月5日、東京・Spotify O-Crestにてワンマンライブを開催。東名阪ツアー「RELEASE TOUR~シンガロングをもう一度~」のファイナルを飾った。

 この日は昼にミニライブ&トークショー、そして夜にワンマンライブという2部構成で開催。昨春に卒業したANNAの東京ラストライブとなった4月4日の公演以来、東京では9カ月ぶりのワンマンライブとなり、しゅかしゅんに飢えていたファンでチケットはソールドアウトの人気だ。フロアに熱気がこもるなか、ワンマンライブはオープニングのSEに続いて昨年12月5日にデジタルリリースされたツアー表題曲の「シンガロングをもう一度」で幕を開けた。

 作詞作曲をボーカルのMAINAが担当し、今のしゅかしゅんの気持ちがこもった同曲でライブは序盤からヒートアップ。続けて「ROCK SHOW」「MOVE AROUND」「BRAVE SOUL」とアップテンポでご機嫌なナンバーをノンストップでドロップし、久しぶりに生で観るしゅかしゅんにフロアはいきなりの盛り上がりを見せていた。

大阪☆春夏秋冬「シンガロングをもう一度」

大阪☆春夏秋冬「ROCK SHOW」

大阪☆春夏秋冬「MOVE AROUND」

大阪☆春夏秋冬「BRAVE SOUL」

 4曲を終えた時点で、「あけましておめでとうございます! ソールドアウト、ありがとうございます!」との挨拶で始まったMCは、途中でMAINAのイヤモニを調整する必要に迫られたこともあり、実に13分超にわたる長丁場に。それでもファンを少しも飽きさせないところが、大阪☆春夏秋冬らしさの表れだろう。

 久しぶりの東京ワンマンにそわそわしていたというメンバー。「珍しくみんな今日さ、早かったよなあ、舞台袖集まるの」(EON)とのことで、いつもは1分前ぎりぎりに集まるところ、この日は3分前にはメンバーが舞台袖に揃っていたという。

 ANNAの卒業後、5人体制でのワンマンライブは東京では初めて。「始まったってことはもう終わるやん」とEONが語るなか、いつもの調子でなごやかにMCは進む。EONはこの日、顔に塗るキラキラを「前髪にもいっぱい付けたら可愛いと思って」と髪に付けていたことをRUNAからバラされ、「言わんといてよ~」とハニかむ姿にファンもニッコリだ。

 ボーカルのMAINAは寅年にちなんだのか、ツーブロックを後ろで結んだ髪が虎っぽい色合いに。大阪☆春夏秋冬のロゴにも虎が使われており、フラッグの前で「がおーっ!」とお約束のポーズを披露だ。

 その後、ステージではMAINAのイヤモニを調整するためPAスタッフが奮戦。普通ならトラブルと言えそうな状況も、しゅかしゅんならむしろMCで盛り上げるチャンス。その様子を温かく見守るファンに対してメンバーは「どこにいってもアットホームな雰囲気でできるのってこの一体感ヤバい」との感慨を見せていた。

 ここでMANAが「今年10周年なんですよ!」(2011年4月結成)と切り出し、「10年間ライブをたくさんいろんなところでさせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。最近はコロナで来れないファンがいらっしゃって、ずっと会いたいなあって言ってたんですよね。ようやくライブすることができて本当に嬉しく思っています。ありがとうございます」と感謝の言葉を口にすると、フロアからは満場の拍手が送られた。

EONのキラキラ前髪にYUNAもビックリ!

しゅかしゅんの虎ロゴの前で「がおーっ!」とおどけるMAINA。

 やっとイヤモニ問題が片付くと、そこからは怒涛の5曲を連チャンで披露。メローなナンバーの「ひゅるり」で始まり、ファンクなビートが特徴の「NEW ME」、地元・大阪の名所で踊りまくるMVが話題になった「Dance to the light」、そして「mellow mellow」「かなしいうた」と畳みかけ、ファンは久しぶりに体感するしゅかしゅんの熱いビートに酔いしれていた。

 そして迎えた二度目のMC。MANAが「でもな、気づいてん最近。面白いMCせなあかんって思ってんのしゅかしゅんくらいやで」と切り出すと、MAINAが“アイドルあるある”として「特典会で自分の列がない時どんな顔で待っていたらいいのか分からない」とのネタを投入するなど、いつものしゅかしゅんらしさを全開だ。

 MC番長のEONは得意の客席イジリを発動。10歳の女児ファンを見つけると、「1月23日まで『大阪☆春夏秋冬2nd』のオーディションやってるから」と、現在応募受付中の妹分グループオーディションをアピールだ。これにはMAINAも「この人と一緒にね、審査員するの」と乗っかることに。デビュー後にはMAINAが楽曲を提供する「大阪☆春夏秋冬2nd」も要チェックだろう。

 そのオーディションで“お姉さん”になるしゅかしゅんは今年が10周年。MANAが今年の抱負として絵馬に「Thank you for 10th」と書いたことを明かし、ファンからもらった愛を「倍返しでも足りないくらい返していければいい」との想いを口にしていた。

大阪☆春夏秋冬「ひゅるり」

大阪☆春夏秋冬「NEW ME」

大阪☆春夏秋冬「Dance to the light」

女児に「大阪☆春夏秋冬2nd」のオーディションを勧めるMAINAとEON。

 そしてメンバーはアカペラで「SUNSHINE LOVE」を披露。そのまま「いつもありがとう。『BABY CRAZY』!」とMAINAがシャウトして、再びパフォーマンスを投下だ。

 ここからはメジャーデビュー前から歌い続けてきた「BABY CRAZY」、そしてしゅかしゅんのアンセムソングと言える「Let you fly」をドロップ。TIF2015でアイドルファンの度肝を抜いた「Let you fly」では、いまやアイドル業界全体にしゅかしゅんのシグネチャームーブとして知られるヘッドバンドを繰り出し、コロナ禍で声援を挙げられないファンもメンバーと一緒になって前後に頭を振り続けていた。

 ここでいったん本編は終了。ファンの手拍子ですぐさまステージに戻ってきたメンバーたちは、2019年の初公開以来、ライブのラストに歌われる定番曲となった「その手」を披露。フロアのファンは「その手をあげて 夢をみさせて この手に掴む君との約束♪」とのサビを頭のなかでシンガロングしながら、心の握手をしゅかしゅんメンバーたちと交わし合っていたことだろう。

大阪☆春夏秋冬「BABY CRAZY」

大阪☆春夏秋冬「Let you fly」

大阪☆春夏秋冬「その手」

 そして迎えたダブルアンコール。真っ赤なツアーTシャツに着替えてきたメンバーたちは横一列に並び、MAINAが「次の曲、新曲です」と切り出す。

「大阪☆春夏秋冬は今年で10周年を迎えます。今までのたくさんの思い出は、私にとって、かけがえのない宝物です。そんな宝物が私が死んでもずっと生き続けられるようにと作った曲があります。どうかこれからもそんな宝物をずっと忘れないでいたい。聴いてください。『忘れないもの』」

 様々な出会いと別れを歌った同曲では、メンバー一人一人がメッセージを告げるように自分の想いを歌いあげていく。<エモい>という流行り言葉では言い表せないほどの感情が込められた「忘れないもの」では、メンバーと同様にフロアのファンも目から流れるものがあったのではないだろうか。

 会場が少し感傷的な気分に包まれるなか、MAINAは最後の曲紹介を始めた。

「新年を迎えられるのは本当にファンの方のおかげです。心を込めてありがとうございます。私たちの歌、永遠に歌い続けます。どうかラストの曲、みんなで拳をあげて。『シンガロングをもう一度』。みんなの大きなクラップを聞かせてください!」

 ツアーのタイトル曲を本編の一発目と、ダブルアンコールのラストに配した今回のセットリスト。そこには久しぶりに逢うことのできたファンたちに、自分たちの曲をシンガロングしてもらいたいというメンバーの想いがこもっていたのではないだろうか、

大阪☆春夏秋冬「忘れないもの」

大阪☆春夏秋冬「シンガロングをもう一度」

【セットリスト】
M01 OP SE
M02 シンガロングをもう一度
M03 ROCK SHOW
M04 MOVE AROUND
M05 BRAVE SOUL
MC
M06 ひゅるり
M07 NEW ME
M08 Dance to the light
M09 mellow mellow
M10 かなしいうた
MC
M11 BABY CRAZY
M12 Let you fly
アンコール
M13 その手
ダブルアンコール
M14 忘れないもの(新曲)
M15 シンガロングをもう一度

最後は笑顔でワンマンライブを締めくくった大阪☆春夏秋冬。

【ライブ後 メンバーコメント】

MANA いちばん思ったのは、目の前にいるひとりひとりが愛おしいなあと。いっぱいいてくれているけど、しっかりひとりひとりと目が合って、目が合うと自分も嬉しいし、この空間で生まれる愛がたくさんあると思ったし、「ああ、大好きやなあ」って思えました。

RUNA 久々の東名阪ツアーで、新しくデジタルリリースした曲をもって東名阪を周らせてもらいました。ほんまに全会場温かくて、大阪はもちろん名古屋も東京も温かい空気で「好きやな、ライブハウス」と思わせてくれるのは、ファンの人がその会場に来てくれるからやなって思えました。いつもアットホームな空気にしてくれたり、温かい空気を作ってくれるaKind(しゅかしゅんファン)のみなさんが好きやなって改めて思ったツアーファイナルでした。

YUNA ツアーって始まると同時に残りの会場数が減っていったり、ライブが始まったら1曲目2曲目というより残り16曲、15曲っていうカウントダウンを感じるのが特別な部分だと感じました。今日も実際にそれを感じつつ、残りの数字が少なくなっていくほど楽しさも増していくし、達成感などすべての感情が満ちあふれていく。ゼロになってもなくならない、感情は逆に増えていくという不思議な感覚を持ちながら今日はライブができました。

EON もともと昨年8月に主催フェスをやるはずだったのが、私自身がコロナに罹ったりコロナの影響で主催フェスができなくなって。だから東名阪ツアーができるってなってすごい嬉しかったし、ツアーファイナルがソールドアウトしたことで「こんなに待ってくれてはるファンの方がおったんや!」というのが正直な気持ちです。ファンひとりひとりの目を見て、歌って、心で会話している時に、ほんまに10年間やって今日のこのステージを無事に迎えられてホンマに良かったなって感じました。もう「大好きやな♡」って思いました。

MAINA 10年間、大阪☆春夏秋冬をやってきて、夢がかなったライブでした。中三の卒業式から曲を書き始めて、しゅかしゅんの曲にはスゴいアーティストさんが関わってらっしゃるから自分なんて恐れ多いなか、自分が作った「シンガロングをもう一度」でツアーを周らせていただいて。今日というファイナルの日にラストの2曲で自分の作った曲をメンバーが歌っていて、自分の曲でライブを締めくくれるような最強の楽曲を作りたいというのも夢の一つだったので、それが叶った瞬間が「え、ヤバッ!」ってめちゃめちゃ嬉しくて。

 まだまだみんなの力を借りないと何もできないですけど、自分の作った曲はすごく思い入れがあるし、こういう想いで作ったという情景が浮かぶし、しゅかしゅんで過ごしてきた10年間の思い出みたいなものをたくさん詰め込みまくって作ったからこそ、「夢かなった! まだまだやけど、もっとガンバるぜぇ!」って思いましたね。本当にありがたいなって思いました。

 新曲の「忘れないもの」は、一人が発する言葉って5人分やと思ってて。「その手」でYUNAがサビ前にすごく熱い言葉を言ってくれたり、EONのMCだったり、RUNAのダンスだったり、MANAのコーラスだったり、私の歌だったり、全部が<5人で一つ>というイメージなんです。だからこそ「自分が作りました」という感じではなく、メンバーみんなで作ったもの。みんなが熱い言葉を掛けてくれるから、すごく嬉しかったです。

大阪☆春夏秋冬。左上からYUNA、MAINA、MANA。左下からRUNA、EON。

(取材/カゲ)