【カムカムエヴリバディ】るいは京都を終の棲家に?地名に隠された意味とは

 岡山で生まれた彼女は、京都を第二の故郷とするのか。そんな予感を抱かせる演出に視聴者も感心していたようだ。

 1月27日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第61話では、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)の夫婦が京都で開いた回転焼きの店「大月」を、友人の一子(市川実日子)が訪れることに。かつて大阪の短大に通っていた一子は卒業後に京都の実家へと戻り、3人は京都でも交友関係を続けていくようだ。

 だが、るいから回転焼きの試食を勧められた一子は「いらん」とにべもない様子。日ごろから良い和菓子を食べているという一子は、「ただ鉄板に生地流してあんこ挟んだだけのしょうもないお菓子で喜ぶと思うてんのか」と、いかにも京都人らしい嫌味だ。実際、食べなれない味に抵抗感を持つ京都の人々は、るいの回転焼きを手に取ることもなく、開店初日はほとんど売れない有様だった。

「そんな一子でしたが、るいがこだわりを持って作ったあんこを食べたら、その美味しさの虜になった様子。近所にも美味しいと触れ回ったようで、店に群がるおばちゃんたちからは《野田さんとこの一子ちゃんが美味しい言うんやったら、間違いあらへん》との声があがっていました。その様子に驚くるいに、一子は『認めたるわ。どないな老舗のお茶菓子より一番美味しかった』との声を掛けていたのです」(テレビ誌ライター)

 母親から受け継いだ自信の味のあんこ、そして一子という友人のおかげで、今後繁盛していきそうな回転焼き店「大月」。その店舗を構える商店街にもまた、るいがこの場で長く商売を続けていく理由が隠されているというのだ。

「大月」が店を構える通りには、左上に「あかね通り商店街」の文字が見えている。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

「『回転焼 大月』は“あかね通り商店街”にオープン。おそらく夕方には美しい夕陽があかね色に空を染める様子が見渡せる場所なのでしょう。その名称は、るいの母親・安子(上白石萌音)の実家である御菓子司『たちばな』を想起させます。たちばなが店を構えていたのは岡山の“朝丘町商店街”。数十年の時を経て、朝から夕方へと場所を変えてるいは、和菓子の店を再興させることになったわけです。そしてたちばなとは違い、今度は戦争で店を閉めることもないでしょうから、おそらくるいはこの地でいつまでも『大月』を営んでいくのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 この地で娘のひなたを産み、育てていくはずのるい。どうやら京都は彼女にとって終の棲家となりそうだ。