月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)が好調だ。1月31日放送の第4話は視聴率13.3%をマーク。ここまでの平均視聴率も13.2%とほぼ同じ数字で、安定した人気の表れだと言えよう。
また「TVer」では第1話の配信再生回数が350万回を記録し、民放ドラマ全作の初回で最高記録に。テレビでもネットでも広く視聴されるヒット作となっている。
その一方で同作には一部視聴者からの批判も続出。その多くは原作である同名マンガの読者によるもので、<菅田将暉が主人公にふさわしくない>といった配役批判から、<風呂光の出番が多すぎる>という脚本批判まで多岐にわたっている。そんな批判が逆説的に、ヒロインの新米刑事・風呂光聖子役を演じる伊藤沙莉への応援になっているというのだ。
「バスジャックを題材にした第1~3話は概ね原作に沿っており、ゲスト出演のヒコロヒーが原作マンガと一字一句変わらないセリフを口にする場面もありました。そのなかで唯一、原作との違いを見せていたのが風呂光。ドラマ版では明確に『ヒロイン』と位置付けられていることもあり、原作に比べて出番もセリフも多く、さらには風呂光に焦点を当てたオリジナルシーンまで挿入されているのです」(テレビ誌ライター)
今回の第4話は、原作マンガの第4巻に収録されている「雨は俎上に降る」というエピソードが題材。爆弾に関するトリックや犯人のバックグラウンドはほぼ原作通りだが、ドラマ版で事件解決に活躍する風呂光刑事(伊藤)は原作に一切登場していないのである。
そのため原作ファンからは<風呂光が出しゃばりすぎ><なぜそんなに風呂光を出させる!?>といった批判が続出。ドラマ版しか知らない視聴者にとっては過敏な反応にも思えるが、累計800万部の人気作とあってファンのこだわりも相当強いようだ。
「ここで興味深いのは、原作ファンの批判が一切、伊藤には向いていないところです。ドラマ版ではヒロイン風呂光の存在感が大きく、原作の雰囲気を損ねているとの批判が強いなか、それらの声を発している原作ファンは一様に《伊藤沙莉は好きだけど》《風呂光役は完璧》と伊藤のことをポジティブに評価。批判はあくまで脚本や制作陣にのみ向けられており、伊藤自身へのアンチな声はほとんどありません」(前出・テレビ誌ライター)
ちなみに原作マンガでの風呂光刑事はもっと幼げで華奢なイメージ。それに対してドラマ版で伊藤が演じる風呂光刑事は未熟な自分を自覚しつつ、刑事として成長したいという強い意思を感じさせるキャラになっている。
「ドラマの制作陣が明確なヒロインを求めるのは当然なところ。そのヒロイン像に伊藤は見事に応えていると言えるでしょう。今後も原作ファンからは《これでは違う!》《風呂光出さないで》という声は出続けると思われますが、それが伊藤への批判に発展する恐れはなさそうです。むしろ伊藤自身の好感度は爆上がりしていると言っても過言ではないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
原作は原作、ドラマはドラマと割り切って、伊藤が演じる風呂光刑事の活躍を応援するのが吉かもしれない。