果たして算太の正体に気づくのは誰なのだろうか?
NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、回転焼き屋の娘である大月ひなた(川栄李奈)がヒロインを務める「ひなた編」を絶賛放送中。親子三代にわたる物語において、初期の「安子編」で重要な役割を果たしていた橘算太(濱田岳)が第17週から復帰を果たしていた。
2月23日放送の第80話にて、ひなたが勤める条映映画村のCM撮影現場に突如現れた初老の振付師。翌日の第81話ではひなたに対して「サンタ黒須」と名乗ったその人物こそ、ひなたの大叔父である算太だった。しかも制作側が公開した次週予告によると、算太は今後、ひなたの実家である「回転焼 大月」を訪ねるというのである。
ひなたは、物語初期のヒロインだった雉真安子(上白石萌音)の孫であり、安子の兄が算太となる。算太と安子の兄妹は、戦争の影響で店仕舞いした実家の「御菓子司 たちばな」を再興しようとしており、昭和26年の春に算太は物件の契約で単身大阪に。しかし算太は開業資金を持ち逃げしてしまい、失踪。残された安子は進駐軍将校のロバートについてアメリカに渡り、一人娘のるいは安子の嫁ぎ先である雉真家で育てられたのであった。
成長したるい(深津絵里)は高校を中退し、一人で大阪に出ることに。そこで紆余曲折を経てトランぺッターの大月錠一郎(オダギリジョー)と結婚し、移住先の京都で「回転焼 大月」を開業。そこで生まれた娘のひなたは、両親の愛情をめいっぱい受けながらすくすくと育ったのであった。
「ひなたはアメリカに渡った祖母の安子に会ったことがなく、算太に至っては存在すらも知らなそう。たとえ算太が本名の《橘算太》を名乗ったところで、自分との血縁関係に気づくこともないでしょう。算太の姪であるるいにしても、叔父の算太と一緒に暮らしていたのは小学校入学前の幼児期のみ。当時30歳前後だった算太はいまや63歳の初老男性となっており、幼い記憶から叔父だと気づけるかどうかは疑問です。しかも現在の算太はあえて《黒須》を名乗っているので、名前も手掛かりにはならなそうですね」(テレビ誌ライター)
そうなると算太は自分の正体を知られることなく、自分の姪や姪孫という肉親と交流していくことになるのだろうか。
だが実は、現在の「ひなた編」にも一人だけ、安子編から引き続いて出演している人物がいるという。その人物なら現在の算太を見ても、あの橘算太だと見破れる可能性を秘めているというのだ。
「その人物とは、大月家の近所で『荒物屋 あかにし』を営む赤螺吉右衛門の母、清子(松原智恵子/安子編では宮嶋麻衣)です。赤螺家は今でこそ京都で商売しているものの、戦前には岡山の朝丘町商店街に店を構えており、安子の実家である『御菓子司 たちばな』とは町内会仲間でした。それゆえ清子なら、算太のことを覚えていても不思議はありません」(前出・テレビ誌ライター)
ただ清子は2月23日放送の第80話にて、自らが産気づいた時の思い出を回顧。その際、荒物屋の店頭に置いてあったラジオをイタズラで盗んだのが算太だったのだが、清子は「あのお店の名前もあの子の名前も忘れてしもうたなあ」と振り返っていた。これでは清子すらも算太の正体には気づけないのではないだろうか。
その算太はダンサーを目指して大阪に出た後、ダンスホールが閉鎖されたことで昭和16年には岡山に帰郷。借金取りに追われていたことで家から勘当されるものの、昭和18年には赤紙が届いたためにまたもや帰郷し、実家には入れなかったもののそこから出征していた。
「算太は成長してからも何度か岡山に戻ってきているので、清子は子供だった算太のことは覚えていなくても、大人になった算太のことは見知っているかもしれません。今は70歳過ぎのおばあちゃんですが、心身ともに健康な様子ですし、初老を迎えた算太を見たら岡山時代を思い出すのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
なお、清子の息子である吉右衛門も岡山時代の幼少時には算太と交流していた。ただ、るいと同様に算太とは大人と子供の年齢差があったことから、算太の顔を覚えている可能性はほとんどなさそうだ。果たして2月28日からの週では、ひなた編に大きな展開が生まれるのか。算太の動きから目が離せないことだろう。