果たして警察側が真犯人だというオチはありえるのか。そんな期待を抱く40代超の視聴者も少なくないようだ。
いよいよ3月13日に最終回を迎えるドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)。母子失踪事件の真犯人が誰なのかに視聴者の興味が集まるなか、3月6日放送の第19話では、主人公の相良凌介(西島秀俊)を当初から支え続けていた部下の二宮瑞穂(芳根京子)が、事件に大きく絡んでいる可能性が示された。
当初は母子3人がいっぺんに誘拐されたと思われていたものの、実は各々が異なる事情で姿を消していたことが判明。長女の光莉(原菜乃華)は自主的な家出が発端であり、長男の篤斗(小林優仁)は彼を自分の息子だと思い込んでいるバタコこと木幡由美(香里奈)に誘拐されていた。
しかし妻の真帆(宮沢りえ)に関しては杳として行方が知れないばかりか、失踪の原因が誘拐なのか、それとも自主的に身を隠しているのかもまだ不明なまま。果たして3つの事件にはそれぞれ関連性があるのだろうか。
「最終話では、瑞穂が何を語るのかがカギになるのは確実。彼女が真帆の協力者であろうとなかろうと、真帆の失踪について何かを知っているのは確実だからです。そして瑞穂の姉を殺害したであろう強羅誠(上島竜兵)に関しても、復讐代行業者として誰かの依頼で動いていただけかもしれませんが、事件の裏側を知っている可能性は高い。ただ本ドラマの場合、果たしてその二人だけを疑っていればいいのかどうかもまた疑問なのです」(芸能ライター)
視聴者のあいだでは、主人公・凌介の旧友であり、バー「至上の時」のマスターである日野渉(迫田孝也)の関与を疑っている向きも少なくない。そして被害者とされる凌介自身の犯行という推理まであるなか、シニア層からは意外な人物の名前が挙がっているというのである。
「ファミコン世代の視聴者が怪しいとニラんでいるのは、阿久津浩二刑事(渋川清彦)の部下として母子失踪事件を捜査している落合和哉刑事(吉田健悟)です。彼は事件の全容を知る立場にあるほか、作中では警察からの情報漏れが疑われる場面も少なくありませんでした。それこそ篤斗が入院している病室にいろんな人物が侵入できたのはおかしな話ですし、殺されてしまった不動産会社営業マンの林が警察の捜査網をかいくぐっていたのも不自然。真犯人とまでは言えなくても、その協力者である可能性は十分にありえそうです」(前出・芸能ライター)
その落合刑事、取調室ではバタコ(木幡)に対して「全部あなたの都合のいい妄想です!」と声を荒げる場面も。いざという時には熱くなる面も持ち合わせているようだが、その落合刑事が犯人の一味だったとして、なぜ彼を怪しむのがシニア世代の視聴者に限定されるのだろうか。そこには意外な理由があるという。
「ファミコン黎明期を知る世代であれば、初期の名作ゲーム『ポートピア連続殺人事件』のことも知っているはず。推理アドベンチャーの嚆矢として名高い同ゲームでは、最終的に判明する犯人が、主人公である刑事(ゲームプレーヤー)の相棒で部下の“ヤス”こと真野康彦刑事だったのです。この設定は当時のゲーム好きに大きな影響を与え、『犯人はヤス』というミームはネット時代になっても掲示板などで使い続けられているほど。それゆえ『真犯人フラグ』でもその説を当てはめれば、『犯人は落合』ということになるわけです」(前出・芸能ライター)
ドラマ公式サイトで毎週行われている真犯人当て企画の「#みんなの真犯人フラグ」では、落合刑事が最高で6位にランクインしたことも。普段もベストテンぎりぎり辺りにランクインしており、20位以内から漏れることも多い先輩の阿久津刑事に比べると段違いに順位が高く、落合刑事を怪しいと思っている視聴者の多さが示されている。
作中では刑事らしからぬ軽さを見せる場面も多いが、果たして正義感のほうまで軽いのか。そんな落合刑事の真相もまた、最終回では見逃せない要素の一つになりそうだ。