これが人気急上昇中の芸人が持つ実力なのだろう。
6月16日放送の「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)では、5つの芸能事務所から芸人たちが集合。「人気芸人 所属事務所一斉調査SP!」と題して、各事務所の内部事情などを明かしていた。
松竹芸能からは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いでテレビに出まくっているピン芸人のヒコロヒーが登場。MCのダウンタウンに対してズバッと切り込んだ質問が話題を呼んだという。
冒頭では「ウチの事務所のお金事情」をテーマに、若手のころにやっていたアルバイトについてトーク。ここで後藤輝基が吉本興業の大先輩を相手に「ダウンタウンさんもバイトとかされてましたよね?」と水を向けた。
松本人志が「夜のバイト」と答えると、ヒコロヒーは驚いた様子で「夜のバイトですか? 水商売?」と質問。それに浜田雅功が「スナック」と答え、松本は「吉本の偉いさんの知り合いのママさんのスナックで」と説明していた。
「するとヒコロヒーが『お二人は人に物を運んだりするの、耐えれるんですか?』と質問し、スタジオは爆笑の渦に。これには浜田も『お前いい加減にせえよ!』と声を荒げながら、顔は笑っていました。一方で松本は『水割り作ったりしてましたよ』と当時の業務内容について説明していたのです」(芸能ライター)
そのヒコロヒーは芸歴11年の中堅芸人。彼女と同期で吉本所属の霜降り明星なら先輩芸人のダウンタウンに同じようなツッコミを入れられたかもしれないが、松竹芸能の所属の彼女は、ライバル事務所の大物に対してズバっと切り込んでいたのである。
「ヒコロヒーが上手いのは、このツッコミが単なるディスりになっていないところ。あくまで『ダウンタウンさんは超大物』という前提をにじませつつ、実はイジるという高等テクニックを見せていたのです。ヤサグレキャラで知られるヒコロヒーですが、今回も番組中に一貫して丁寧な口調で通していたように、実は相手を持ち上げるトークも得意。その話術からは長年スナックで働いてきたアルバイト歴が実感できたのではないでしょうか」(前出・芸能ライター)
そんな彼女の話術はダウンタウンのような大先輩のみならず、番組ADに対しても遺憾なく発揮されていた。放送終了後、「ダウンタウンDX」の公式ツイッターでは番組ADがヒコロヒーにインタビューした動画を公開。これが初めてだという若手ADのインタビューに答えたヒコロヒーは、ADの仕事ぶりを問われると「素晴らしかったですよ!」とベタ褒め。続けて「インタビューっていうほどのものではなかった」と、今度は一刀両断だ。
それでもADが「またお願いします」と挨拶すると、「また“必ず”お願いします」と念押しするように返していた。こう言われたらその若手も意気に感じるはず。こうやって大先輩も若手もヒコロヒーの魅力にからめとられていくに違いないのだろう。