【ちむどんどん】暢子が食べたい中華料理に「料理人がヒロインなのに?」の呆れ声続出!

 まさか、近所の中華料理屋にでも行くつもりなのだろうか? ヒロインが口にした「食べたい中華料理」の内容に、視聴者から疑問の声が噴出しているようだ。

 6月27日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第56回では、イタリア料理店「アッラ・フォンターナ」に勤めるヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が、自分の食べたい中華料理のメニューを列挙する場面があった。

 昭和47年(1972年)に沖縄から上京し、銀座のフォンターナに就職した暢子。彼女を追う形で幼馴染の砂川智(前田公輝)も上京し、暢子のことを密かに想いつつ、勤務する食品卸会社からの独立を目指していた。

 物語は昭和53年(1978年)へと進み、いよいよ独立のめどがついてきた智は、暢子をデートに誘おうと画策。友人で東洋新聞記者の青柳和彦(宮沢氷魚)とその同僚で恋人の大野愛(飯豊まりえ)に、いつもとは違う雰囲気の良いレストランについて相談だ。

「帰宅した暢子もそこに合流。智が『二人でどっか行かないか?』と訊ねると、色恋に無頓着な暢子はデートの誘いとは受けとめず、自分が食べたいものを念頭に『横浜の中華街!』と提案していました。そこまではよかったのですが、ここから暢子があげた料理の数々が、なんとも料理人らしからぬメニューばかりだったのです」(テレビ誌ライター)

 暢子は以前も中華街に行ったらしく、その時は店に入る前に肉まんを食べていたことから、餃子と青菜炒め、麻婆豆腐に酢豚、そして五目あんかけご飯を食べたところでお腹いっぱいになったと悔しがっていた。

 そして暢子はえびのチリソースや青椒肉絲、回鍋肉も食べたかったとメニュー名を連呼。どうやら「食べることが大好き」という暢子の食い意地が張った様子を描いた場面のようだったが、この脚本に呆れる視聴者が続出していたのである。

「なにしろ暢子は銀座の一流イタリア料理店で働いていますからね。それなら中華街でも高級店に入り、普段はなかなか食べられない料理を頼むのが料理人というものでしょう。皮付きの豚バラ肉を使った『東坡肉』でも、高級食材の干しアワビを使った煮込みでも、それこそフカヒレでもいいのですが、暢子が名前をあげた料理がすべて街なかの中華料理屋で提供されているものばかりなことには驚かされました」(女性誌ライター)

 しかも「五目あんかけご飯」とはいわゆる中華丼のことだと思われるが、これは日本発祥の料理であり、わざわざ横浜の中華街で食べるものではないはず。まさかそんなベタな中華料理を、料理人生活7年目の暢子が食べたがるものだろうか?

智としても、餃子や麻婆豆腐を食べながら特別な話をしたいとは思っていないことだろう。トップ画像ともに©NHK

 料理の専門家ならずとも、ちょっとした食好きの視聴者なら誰しもがおかしいと思うレベルの場面だったが、こんな頓珍漢な暢子が描かれたのは、脚本に原因があるというのだ。

「すでに何度も言及されていますが、本作の脚本を担当する羽原大介氏は、ドラマの公式ムックにて『僕たちおじさん3人は料理の知識が全くないんです』と明かしていましたからね。これだから暢子が『餃子に麻婆豆腐、青椒肉絲に回鍋肉』など、おじさんなら誰でも知っている中華料理のメニューばかりを連呼したのも無理はないワケです。しかし料理の知識がないのであれば、専門家に脚本の時点から料理監修をしてもらえば済む話。そういった手間を省くと、ヒロインが料理人とは思えないお話が出来上がってしまうという悪例を見た思いです」(前出・女性誌ライター)

 この調子では、第56回の冒頭でせっかく暢子が「ソラマメとリコッタチーズのラビオリ」を作っても、そのメニューに説得力が生まれないというもの。果たして料理音痴な脚本はいつまで続くのか。視聴者ももはやあきらめムードなのかもしれない。