これも「悪名は無名に勝る」の一例なのだろうか。
Yahoo! JAPANは10月20日、12月に発表される「Yahoo!検索大賞2022」から「人物カテゴリー」の5部門について、現時点で上位にランクインしている候補者10名ずつを先行発表した。
今回発表されたのはアスリート部門、お笑い芸人部門、声優部門、俳優部門、ミュージシャン部門の5つ。各部門にて有力候補者10名が五十音順で発表されるなか、今年放送された朝ドラ2作品から両ヒロインの名前も入っているという。
俳優部門の有力候補者は池田エライザ、川栄李奈、黒島結菜、本郷奏多、松本若菜、間宮祥太朗、三浦透子、道枝駿佑、満島ひかり、山田涼介という顔ぶれ。この10名中、実に4人が朝ドラの出演者だ。
この4月まで放送された2021年下期のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」からは、ヒロインの大月ひなたを演じた川栄李奈に加えて、その彼氏で五十嵐文四郎役の本郷奏多、ひなたの同級生で野田一恵役の三浦透子がランクイン。そして4~9月放送の「ちむどんどん」からはヒロイン・比嘉暢子役の黒島結菜が名前を連ねている。
「有力候補者の算出期間は1月1日~9月1日となっており、この間、黒島は『ちむどんどん』のみに出演。川栄も『カムカムエヴリバディ』終了後の5~6月に『義経のスマホ』(NHK)という深夜ドラマに出演していたものの、検索のほとんどはカムカムエヴリバディでの活躍を反映したものでしょう。つまり二人は朝ドラの活躍だけで、数多の俳優たちのなかから検索回数トップテンにランク入りしたこととなり、いかに朝ドラの影響力が大きいのかを実感する形となりました」(テレビ誌ライター)
なお「カムカムエヴリバディ」には3人のヒロインがいたが、1人目の上白石萌音と2人目の深津えりが活躍したのは2021年がメイン。今回の「Yahoo!検索大賞」では2022年になってからの検索が対象のため、川栄のみが有力候補者入りしているのも納得だ。
そんな二人の朝ドラヒロインだが、検索回数の推移を精査してみると、ネットユーザーの動向には違いがみられるという。
「川栄のほうはヒロインを務めていた期間、検索回数は高値安定で推移。それに対して黒島は放送開始直後と最終回の辺りで高い数値を示しているものの、その途中には検索回数が半分ほどに減っていました。これは『カムカムエヴリバディ』が視聴者から高い評価を受け続けていたのに対し、『ちむどんどん』が“史上最低の朝ドラ”と酷評されていたことの表れかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
黒島には気の毒な話だが、最終回前後で検索回数が大きく増えたのも<亡き父親に祈ったら妹の病気が治った。何の病気だったのかは不明>という荒唐無稽なストーリーや、<最終回でおばあちゃんになった黒島の老けメイクが学芸会レベル>といった作りの甘さが悪目立ちし、朝ドラの視聴者以外からも注目を集めたからではないだろうか。
その黒島は10月21日スタートの連続ドラマ「クロサギ」(TBS系)にて、検事志望の女子大生・吉川氷柱役でヒロインを務めている。「Yahoo!検索大賞」は11月1日までが算出対象期間のため、2回の放送だけでどこまで数字が上がるのかは不明ながら、もし黒島がグランプリを獲ることがあったら「クロサギのおかげ」と言いたくなるのかもしれない!?