自分自身がたくさんのファンに支えられていることも、この言葉を口にできた理由の一つだったのではないだろうか。
12月5日深夜に生中継されたサッカーW杯決勝トーナメントの「日本vsクロアチア」は、延長戦を終えて1対1の同点に。最後はPK戦で1-3と力尽きた日本代表が、ベスト8を目前に夢舞台を去ることとなった。
ABEMAの生放送では試合後、スタジオ出演者たちが「日本の成長を感じます」と、日本代表の健闘を称賛。ここでテレビ朝日の三谷紬アナは「本当に4年後が楽しみにね、影ちゃん、なるよね」と、日向坂46の影山優佳に話を振ることに。
すると影山は次のように応えていた。その言葉に彼女ならではの想いがこもっていたという。
影山「そうですね。こんなにできないだろうと思っていたことを(日本代表が)塗り替えてくださって、今日はきっと選手のみなさん、監督が一番悔しいと思うんですけど。こうやっていっぱいの期待を乗り越えた(日本代表の)みなさんに見える形で、(ファンの)みなさんの応援がこんなに結果に結びつくっていうことが多分、(ファンの)みなさんが身をもって分かったことっていうか、感じ取れたことだと思うので。たくさんの言葉、『おめでとう』とか『見せてくれてありがとう』っていう感謝の気持ちをぜひ、見えるところで(ファンの)みなさんから届けてもらえたらなっていうふうに今日は、試合を見て思いました」
影山は4年後への展望を語るのではなく、日本代表を応援してきたファンに対し、チームへの感謝の気持ちを「見えるところで届けてもらえたら」と提案。これこそ影山ならではの言葉と言えるのではないだろうか。
「彼女自身、日向坂46の一員としてファンに支えられている立場。コロナ禍の現在でもオンラインでファンと対面できるオンラインミート&グリート(個別トーク会)を通して、ファンからの熱い声援を受けとっています。その声援から力をもらっているからこそ、ファンが選手たちに直接『おめでとう』『ありがとう』といった感謝や労いの言葉を伝えることが、なによりも選手たちの心に届くであろうことを、彼女は実感として知っているのでしょう」(アイドル誌ライター)
経験に裏打ちされた彼女の言葉は、視聴者の心にもしっかりと届いていたはずだ。そしてもう一つ、彼女の言葉を裏付けていたのが誰あろう、日本代表の選手たちが試合後に発したコメントだったのではないだろうか。
クロアチア戦後、敗戦を引きずりつつもインタビューに応えていった選手たち。どんなに悔しい想いを抱いていようとも、プロスポーツ選手としてファンに言葉を届けることの重要性を認識しているからこその対応だったと言えるだろう。
長友佑都選手はW杯に出場した選手たちはJリーグで育ったと言及し、「みなさんのお住まいの地域にJリーグのチームがあると思うので、ぜひ応援してもらいたいなと思います」とコメント。吉田麻也選手は「多くの子供たちがこの試合を観て、サッカーに夢を馳せてときめいて、サッカー選手になりたいと思う子たちが増えて、その子たちがいずれワールドカップに出て、この壁を破ってくれることを期待しています」と、未来への期待感を口にしていた。
「二人の言葉はファンと日本代表チームの密接な関係性を示していました。影山がファンに語り掛けた言葉もやはり、ファンとチームの関係性に言及したもの。サッカー選手とアイドルは立場こそ違えども、ファンあっての存在であることは一緒であり、だからこそ影山の言葉はサッカー中継を観る視聴者にもしっかりと届いていたのでしょう」(スポーツライター)
今回のサッカーW杯で「日本一のサッカーアイドル」の称号を確かなものにした影山。4年後の次期大会までアイドルであり続けるかどうかは定かではないものの、次の大会にも関わってほしいと願うサッカーファンは決して少なくないことだろう。