まさか前作と同じ展開だったとは…。視聴者からそんなため息も聞こえてきそうだ。
2月27日放送のドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)第18話では、主人公の相良凌介(西島秀俊)を苦しめている母子失踪事件が、若きITベンチャー社長である橘一星(佐野勇斗)の描いた絵だったことが、一星自身の口から明かされることとなった。
もともとは凌介の長女で一星の彼女でもある女子高生・光莉(原菜乃華)の家出が発端だったが、一星は高校時代の交際相手だった木本陽香(生駒里奈)を利用することで、父親の凌介に世間から疑惑の目が向くように仕向けていた。
凌介から信頼を得ていた一星だが、自分が怪しまれていることを知ると、態度を豹変。「俺が切るカード一つ一つに世の中が面白いくらい反応する」と啖呵を切り、しまいには「俺が日本中にエンタメを提供してる。こんな楽しいゲーム、やめられるわけないっすよ!」とまで言い切っていたのである。
「そんな一星の告白に、視聴者からは《またもやサイコパスかよ…》《サイコパス展開だけはないと信じていたのに》といった声が噴出。というのも本ドラマの前作と言える2019年のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)では、主人公の近くにいた女子大生の黒島沙和(西野七瀬)が連続殺人事件の真犯人であり、サイコパスだったからです。この『真犯人フラグ』では当初から、考察好きの視聴者から《真犯人がサイコパスってオチは本当にやめてほしい》という声があがっていたのですが、最終回の間際に来て一星がサイコパスを発動したことに、ガッカリする視聴者が続出しています」(テレビ誌ライター)
ただ一方では、<一星はサイコパスを演じているだけ><誰かを守るためにわざと自分が真犯人だとウソをついている>といった指摘も寄せられている。さすがに制作側が「あなたの番です」と同じ展開を繰り返すとは考えづらく、むしろ“真犯人=サイコパス説”をあえてミスリードすることで、視聴者を煙に巻いているとの見方も強いようだ。
ともあれ、一星が警察に逮捕されたことで真相解明に向けて進んだ感のある「真犯人フラグ」。果たして真犯人は誰なのか、そもそも真犯人と言える人物がいるのかどうかすらも怪しまれる状況だが、これまで多くの視聴者から怪しいとニラまれていた人物が、ここにきて一気に疑いを晴らしたとの声もあるという。
「それは凌介の親友で、バー『至上の時』のマスターでもある日野渉(迫田孝也)です。日野はドラマ公式サイトで毎週行われている真犯人予想ゲーム『#みんなの真犯人フラグ』にて、3週連続で1位となっていました。ところが一星の供述により、事件に関与していない可能性が大幅に上昇。そもそも日野は、ドラマ公式サイトのトップを飾るキービジュアルには登場しておらず、『あなたの番です』で黒島がキービジュアルにばっちり写っていたことを考えると、真犯人である可能性はもともとなかったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
第18話の序盤では、同じく凌介の親友である週刊誌編集長の河村俊夫(田中哲司)が、謎の男・強羅(上島竜兵)に「この人、調べていただけます?」と依頼。渡された写真を見た強羅が「あら、ずいぶん近しい方じゃないですか」と語っていたことから、河村が日野のことを怪しんでいるとニラんだ視聴者も少なくなかったようだ。
ところが河村が渡した写真は、事件を巡って凌介を支え続けている部下の二宮瑞穂(芳根京子)だった。しかも強羅の調査で判明したのは、3年前に二宮が凌介の妻・真帆(宮沢りえ)と一緒に占い師を訪ねていたということ。果たして二宮が真犯人かどうかはともかく、少なくても日野が怪しまれていたのではないことが明かされたのである。
「残る放送はあと2話だけのはず。その短さで、事件への関与がほとんどゼロの日野を真犯人に仕立て上げるのは、さすがに無理筋というものでしょう。逆に言えば、この時点まで視聴者の目を日野に向けさせていた制作側の手法は大したもの。『あなたの番です』ではわりと早い時点から黒島が真犯人だと確信していた視聴者も多かったのに比べると、この『真犯人フラグ』では最終回まで謎を引っ張り続けることに成功しそうです」(前出・テレビ誌ライター)
果たして失踪した真帆は生きているのか。その失踪事件は自発的な家出なのか、それとも誘拐だったのか。残り2話の展開からますます目が離せなくなりそうだ。