【カムカムエヴリバディ】るいから逃げた算太は、モモケン同様に父親を慕っていた!

 何度も家を飛び出していたのに、実は父親から強い影響を受けていたようだ。

 3月1日に放送されたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第84話では、サンタ黒須こと橘算太(濱田岳)がついに、姪の大月るい(深津絵里)に出会う場面が描かれた。

 モモケンこと二代目桃山剣之介(尾上菊之助)とは深い付き合いの算太。そのモモケンが、自身のサイン会にやってきた小学生の大月ひなた(川栄李奈/11歳当時は新津ちせ)からもらった回転焼きを気に入っていたことから、京都の条映撮影所に来た算太は「回転焼 大月」を訪ねることに。すると偶然ひなたに出会い、その回転焼き屋がひなたの実家であることを知るのであった。

 ここで算太は「ひなたちゃん見てると、妹を思い出すんじゃ」と、妹・安子(上白石萌音)のことを回顧。ひなたが安子の孫であるとも知らず、それでも血縁ゆえの面影を感じていた様子だ。そしてひなたと一緒に回転焼き屋までたどり着くと、算太はひっそりと姿を消したのであった。

「店では夫の錠一郎(オダギリジョー)が『るい! あの、シャツどこやったっけ?』と、ひなたの母親であるるいに呼びかけていました。その声に、まだ幼かったるいを可愛がっていた自分を思い出した算太は、目の前にいるのが自分の姪であることに気づいてしまったのです。しかし算太にはかつて、安子と一緒に開こうとしていた和菓子店の開業資金を持ち逃げした過去があり、それが原因で安子とるいは離れ離れに。おそらくは罪の意識にさい悩まされ、その場を離れたのでしょう」(テレビ誌ライター)

 その場面では<それきり算太は、ひなたの前に姿を現しませんでした>とのナレーションが入ることに。もしや算太は自分の正体を明かさぬままに、るいやひなたと交わることのない人生を選んだのであろうか。

お互いの血縁関係を知らぬまま「回転焼 大月」まで足を運んでいた算太とひなた。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 このように、自分のルーツと向き合わない姿勢を示した算太だったが、実際には、折り合いが悪かったはずの父親から多大なる影響を受けていたことが示されたのである。

 算太はかつてモモケン(当時は桃山団五郎)と知り合ったころ、アンパンのあんこに文句をつけたことがあった。その時に算太は「小豆の声を聞け、時計に頼るな、目を離すな。何をしてほしいか、小豆が教えてくれる」という、和菓子職人だった父親から代々受け継いできたあんこ作りの極意を、口にしていたのであった。

「この回ではモモケンも同じように、父親の口癖だった『志を失わなければきっとなれる。侍にだってなんだって』という言葉が、自然と口をついて出てきたと明かしていました。それはサイン会に来た小5のひなたから『私、侍になりたいんです!』と言われ、『志を失わなければ、きっとなれますよ』と答えたときのこと。モモケン自身は『まさか自分の口からその言葉が出るとは』と振り返っていましたが、幼いころから何度も何度も父親から聞かされていた口癖は、算太や二代目モモケンに自然と受け継がれていたのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 そんな親子の絆は、るいとひなたの親子にももちろんあるはず。果たしてひなたはどんなところがるいに似てくるのか。ひなたの成長からますます目が離せなくなりそうだ。