【ミステリと言う勿れ】風呂光は悲劇的な最期を遂げる?第9話での無茶シーンは伏線なのか…

 果たしてドラマ制作陣は“恋愛要素”にどんな決着をつけるつもりなのだろうか。

 3月7日の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)第9話では、冬の山荘で開催された“ミステリー会”の後編を放送。山荘に招かれた主人公の久能整(菅田将暉)と新米刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)が、ガレージに閉じ込められる場面があった。

 本ドラマは同名の人気マンガを原作としており、このミステリー会は第7巻を丸ごと使って描かれている一大エピソードだ。その内容は原作とドラマでほとんど同一となっているが、原作に登場する相良レンという男子大学生の役目を風呂光に担わせているのが大きな相違点となっている。

「このようにドラマ版では異様に風呂光の出番が多く、しかも原作ではまったく描かれていない久能への恋愛感情が露わに。そのため原作ファンからは《無理やり恋愛要素を入れないでほしい》とのクレームが続出しています。それでも今回のミステリー会はまだ恋愛要素が少なかったほうですが、なぜか原作とは大きく異なる描写が挿入されていたというのです」(テレビ誌ライター)

 それは停電の影響で久能と風呂光の二人がガレージに閉じ込められてしまうシーンだ。ここで風呂光は排煙シャッターを開ける紐が天井にぶら下がっていることに気づき、木製の箱を踏み台にジャンプ。すると箱を踏み外してしまい、背中から落下したのだった。受け身を取ったので大丈夫だとアピールする風呂光だが、そもそも原作には風呂光が自ら危険を顧みずに行動するようなシーンはないのである。

「ガレージで風呂光は、毒性のある夾竹桃が庭で折り取られていたことを久能に報告。また久能はガレージ内のテントで怪しげな地図を見つけていました。これらの要素は形こそ変えていたものの、原作にも含まれています。しかし風呂光が木箱を踏み外すエピソードだけは原作と何のつながりもなく、物語に影響も及ぼすこともない無駄な演出。なぜこの場面が必要だったのか、どうにも不自然に思えてなりません」(前出・テレビ誌ライター)

ジャンプの予行演習をする伊藤(風呂光)のオフショット。トップ画像ともにドラマ「ミステリと言う勿れ」公式ツイッター(@not_mystery_)より。

 とは言え、本ドラマは原作マンガをじっくりと読み込んだ制作陣が、あらゆる伏線をしっかりと再現した力作でもある。そんな物語中に、何の意味もない場面をブチ込んだりするものだろうか。

 しかも次回の最終話では、原作マンガでは第6巻に描かれているエピソードが使われている。なぜドラマでは、エピソードの順番を逆にしているのか。そこに、謎演出の理由が潜んでいるのではないだろうか。

 最終話では久能が謎の女性・ライカ(門脇麦)を初詣に誘う様子が描かれる。このエピソード、原作では風呂光が1コマも登場せず、とある事件に巻き込まれる久能とライカも無事なのだが、それだと最終話にふさわしいエンディングは描けなさそうだ。

「原作にはない恋愛要素をブチ込んできたからには、最終話ではそれに決着をつける必要があるはず。とは言え久能と風呂光が結ばれてしまうという結末は、原作のイメージをぶち壊しにしてしまうので可能性はほぼゼロでしょう。一方で第9話では風呂光が、久能のためには向こう見ずになる様子が示されました。そうなると最終話では風呂光が何かしら向こう見ずな振る舞いを見せ、それが原因で悲劇的なことが起こり、久能との恋が成就しないというストーリーになるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

ライカと久能の関係にも何らかの進展はあるのか。ドラマ「ミステリと言う勿れ」公式ツイッター(@not_mystery_)より。

 そうなると、これまでさんざん描かれてきた風呂光の恋心は、最終話に向けての大いなる伏線だった可能性もある。果たして人気女優の伊藤沙莉が演じる風呂光の運命は、原作ファンとドラマ好きの両方を満足させられるエンディングを迎えられるのだろうか。