【カムカムエヴリバディ】小夜子に失恋したショックで桃太郎が台詞を言い間違えていた!?

 まさかそんな言い間違えが? 朝ドラで起きた「ミス」に視聴者も驚いたことだろう。

 3月11日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第92話では、大月家の長男で京都西陣高校野球部の桃太郎(青木柚)が、レギュラーの座を得たことを報告する場面があった。

 桃太郎はヒロインの大月ひなた(川栄李奈)にとって、11歳差の弟。そんな桃太郎はひなたの同級生で西陣高校に国語教師として勤務している藤井小夜子(新川優愛)に幼いころから恋焦がれていた。

 この日は喜び勇んだ表情で、小夜子のいる国語準備室を訪問。そこで「サードに入れと監督が言ったから、7月2日はレギュラー記念日!」と、念願だったレギュラーになれたことを報告したのであった。

「桃太郎の報告に『おめでとう!』と素直に喜ぶ小夜子。普段は教師と生徒として学校では一線を引いていますが、この場面では部活が終わった桃太郎に『じゃあ一緒に帰らへん?』と訊いていました。小夜子は桃太郎の家があるあかね通り商店街に行くところだったのです」(テレビ誌ライター)

 自宅の目の前まで戻ってきた二人。ここで桃太郎は意を決して「小夜ちゃん。もし来年甲子園に出られたら、その時は…」と、告白の言葉を口にしかける。そこに「小夜子!」と現れたのが、大月家のすぐ近所で街の電器店を営んでいる赤螺吉之丞(徳永ゆうき)だった。その吉之丞は小夜子やひなたの同級生で、小さいころからの幼馴染だ。

 すると小夜子は、「映画までまだ時間あるから、ひなちゃんとこで時間つぶそ思ってたんえ」と吉之丞に語り掛け、もう仕事が終わったという吉之丞も「映画館の近くお茶飲んでいこか」と返していた。これで桃太郎は、二人が付き合っていることを理解したのだった。

高校時代の小夜子と吉之丞。二人が結婚するとは視聴者も驚いたことだろう。トップ画像ともにドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

「好きな女性が目の前で、他の男性と映画に行く話をしている。こんな分かりやすい失恋があるでしょうか。小夜子の後姿を見送った桃太郎は『さよならと君の背中が言ったから、7月20日はサラバ記念日』と、自身の気持ちをサラダ記念日になぞらえて表現していたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 ここは桃太郎の気持ちを察してキュンとするところだろう。ところが視聴者からは驚きの声が続出していたという。レギュラー獲りを報告した学校のシーンでは「7月2日」だったのに、そこから一緒に帰ってきたら突然「7月20日」へと日付がワープしていたからである。

「2日(ふつか)と20日(はつか)は発音が似ているので、最初はどちらかを聞き間違えたのかなと思いました。しかし高校のシーンでは桃太郎が唇を閉じて発音していたので『ふつか』で間違いないですし、商店街のシーンでは多くの視聴者が《7月20日は サラバ記念日》と桃太郎の台詞をツイートしています。念のために家族にも二カ所の台詞を聴き比べてもらいましたが、やはり前者が2日で、後者が20日に聞こえると言ってましたね」(前出・テレビ誌ライター)

 仮に桃太郎が両方で7月20日と言っていた場合、その時点ではすでに夏の甲子園を目指した京都府大会が開幕している。そんなタイミングで監督からレギュラーを言い渡されるのはいかにも不自然だろう。

 なお強豪校は2回戦から登場することがあり、この年に甲子園出場を果たした京都西は7月22日に府大会の初戦を迎えていた。だが作中の場面が7月20日だった場合、失恋のショックで野球部の練習をサボるようになった桃太郎は、進行中の京都府予選に出場しなかったことになる。そうなると大騒ぎになるのは確実で、8月8日の甲子園開幕まで家族がレギュラー獲りに気が付いていなかったシーンとの矛盾が生じてしまうのである。

幼いころから小夜子に恋い焦がれていた桃太郎。11歳の恋は実らなかった。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

「朝ドラのような長期にわたる作品では、物語上は連続しているシーンでも、実際の収録日は大きく離れていることも珍しくありません。それこそ桃太郎と小夜子が国語準備室で言葉を交わすシーンは何話にもわたって出てきますから、それらをいっぺんに撮影していることもあり得るのです。そうなると現場でも、日付の言い間違いがスルーされてしまう可能性は小さくなさそう。いずれにせよ放送回数が普通のドラマの数倍にもなる朝ドラでは、この程度の小さなミスを避けるのはかなり難しいのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 ともあれ、高二の桃太郎は再びレギュラーを獲り返すことができるのか。今後の活躍に視聴者も期待したいところだろう。