宮沢りえ=真帆が生きている「真犯人フラグ 劇場版」の制作を阻む要素とは?

 3月13日に最終回を迎えたドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)を巡り、映画化を望む声が少なからずあがっているようだ。

 昨年10月から2クールにわたって放送され、考察好きマニアを中心に日曜の夜が待ち遠しいとの声もあがっていた「真犯人フラグ」。多くの視聴者がその結末に納得するなか、同じくらい残念がる声もあるという。

「週刊誌編集長の河村俊夫(田中哲司)が母子失踪事件、正確には相良真帆(宮沢りえ)の失踪事件で真犯人だったことには《やっぱりそうだったか》《予想外だったが納得できた》との声が聞こえてきます。一方で、その河村が失踪当日に真帆を殺害していたことが最終回で示されたことにより、《真帆さん死んでたのかあ(涙)》《そうは思っていたけど…》といった声も続出。失踪した母子3人全員の無事を願っていた視聴者が、真帆の死というバッドエンドを受け入れがたいのも無理はないでしょう」(テレビ誌ライター)

「真犯人フラグ」主要キャストのオフショット。唯一「あなたの番です」にも出演していた田中哲司(右上)が、本作では真犯人だった。ドラマ「真犯人フラグ」公式ツイッター(@shinfla_ntv)より。

 そこで浮上してきたのが、「劇場版」の制作に期待する声だ。本ドラマの前作にあたる2019年放送の「あなたの番です」(同)では、ヒロインの手塚菜奈(原田知世)が連続殺害犯の餌食となり、その犯人がサイコパスの女子大生・黒島沙和(西野七瀬)だったことにも不満の声が多数あがっていた。

 それでというわけでもないだろうが、昨年12月に公開された「あなたの番です 劇場版」では、ドラマ版とは内容や結末がまったく違うストーリーを用意。公開週にはランキング1位に輝くなど、成功を収めていた。

 そうなると「真犯人フラグ」でも劇場版を制作し、今度は真帆が生きているという展開に期待したいもの。しかしそんな視聴者の願いはおそらく叶わないというのである。その理由は何なのか?

「一つには視聴率の低迷です。『あなたの番です』は前半こそ振るわなかったものの、後半は平均視聴率が11.5%に躍進。最終回では19.4%の好成績を残しました。それに対して『真犯人フラグ』では後半に入っても一桁基調が変わらず、最終回でようやく二桁の12.4%に乗せたのみ。この数字で映画化するくらいなら、『ハコヅメ』など他のヒットドラマで劇場版を作るほうが日本テレビにとっても旨味は大きいはずです」(前出・テレビ誌ライター)

劇場版も好調だった「あなたの番です」。映画のオリジナルキャストはごく少数に留まっていた。

 そんな理由に加えて、そもそも「真犯人フラグ」の映画化はまず不可能だという指摘もあるという。

「それは主演の西島秀俊が、劇場版に起用できないという危惧です。なにしろ西島は主演映画の『ドライブ・マイ・カー』が日本アカデミー賞において、自身初の主演男優賞を含む8冠に輝いたばかり。すでに売れっ子だった彼が今回の受賞を受け、今後はさらに出演オファーが殺到し、いくらでも作品を選べる立場になるのは確実でしょう。その状況で彼が、視聴率の思わしくなかったドラマの映画化に参加するとはとても思えないのです」(前出・テレビ誌ライター)

 あえて西島抜きで映画化するという奇策もないわけでないが、「真犯人フラグ」は実直でお人よし、そして家族愛に満ちあふれた主人公・相良凌介あっての作品だろう。そうなるとHuluで西島抜きのスピンアウトドラマを作るのが、精一杯ではないだろうか。