ついにその表紙を見ることができた! NHKのサービス精神にファンも大喜びのようだ。
ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)が34歳にまで成長しているNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。そのひなたが小学生~高校生の子ども時代に夢中になっていたマンガ雑誌の秘密が、当のNHKから詳らかにされたという。
NHK広報局ではブログ風の総合メディアプラットフォーム「note」にて、「カムカムエヴリバディ」の制作スタッフによる裏話を公開中。これまで照明や映像加工に関するエピソードが紹介されてきたなか、3月25日には<カムカムエヴリバディ 小道具美術の世界「ひなたの部屋」>と題した記事が公開された。
この記事はNHK大阪で「カムカムエヴリバディ」の美術を担当している映像デザイン部の局員が執筆しており、現場スタッフが描いたデザインスケッチなども公開。そのなかで、多くの視聴者を虜にしてきたマンガ雑誌「別冊おサーカス」の表紙もばっちりと紹介されているのである。
「小学生時代のひなた(新津ちせ)がむさぼるように読んでいた『別冊おサーカス』。その表紙には掲載マンガの作者とタイトルが8作品分、紹介されています。なかでも目を惹くのは『萩本夜都』と『荒木飛呂子』という作者名。これらの名前が萩尾望都氏と荒木飛呂彦氏のオマージュであることは確実でしょう。作品名にも『なん人かいる!』(11人いる!)や、『ジュジュの奇妙な帽子』(ジョジョの奇妙な冒険)など、実在作品をもじったタイトルが登場。一方で浪花八重子作の『わろとんねん』という作品はおそらく、2017年度後期の連続テレビ小説で吉本興業の創業者をモデルとした『わろてんか』がモチーフと思われます」(テレビ誌ライター)
ほかにも「高本ブー子」という作者名は、ザ・ドリフターズの高木ブーをイメージしていそう。「ふにゃふにゃよ」や「あるみん」が誰を想定しているのかも、大いに気になるところだ。
そして「別冊おサーカス」という雑誌名は、実在のマンガ誌が元ネタではなく、ドラマ内のオリジナルであることも紹介。その名称については<小道具チームが「ギャグサーカス」という少年誌をずっと前の別のドラマで作って>との説明もあった。
「一部のメディアでは、同じNHK大阪が制作した朝ドラの『ちりとてちん』や『スカーレット』にて、『少年ギャグサーカス』という少年マンガ誌が小道具として使われていたと指摘しており、その推測は正解だったようです。ほかにも過去の朝ドラで使われていた小道具が再利用されているケースは多く、たとえば『スカーレット』で使われていた『B&K BEER』というビール瓶もそうなのですが、NHKによるとこの再利用はSDGs(持続可能な開発目標)の一環なのだとか」(テレビ誌ライター)
その流れで言うと、本作の主要な舞台となっている<条映太秦映画村>の場面を、実在する東映太秦映画村で撮影していることは、無駄なセットを作らないことによるSDGsの実現なのであろう。
そうなると今後の朝ドラに「棗黍之丞」や「破天荒将軍」のポスターが出てくる可能性も十分にありそう。朝ドラファンはぜひ、本作の小道具をしっかりとチェックしておきたいところだろう。