【カムカムエヴリバディ】支持多数の「アニー=安子」説を妨げる、制作陣が仕掛けたトラップとは?

 いよいよ泣いても笑っても最後の一週間を残すのみとなったNHK連続テレビ小説の「カムカムエヴリバディ」。いま視聴者を最も悩ませているのが、果たしてアニー・ヒラカワ(森山良子)は、年老いた雉真安子かどうなのかという問題だ。

 いまのところ支持多数で優勢なのは「アニー=安子」説だろう。安子の出身地である岡山に縁がありそうなことに加え、4月1日放送の第107話ではヒロインの大月ひなた(川栄李奈)が唱えた「あんこのおまじない」を聞いてビビッドに反応。そのおまじないは安子から娘のるい(深津絵里)、そして孫のひなたに受け継がれているものであり、アニーが安子であれば心を動かされないはずもない。

 その一方で「アニーは安子の友人」説も根強い。こちらはアニーが映画の仕事で来日するまで日本に来たことがないと語っていたり、るいが焼いた回転焼きを食べた時の反応がさほどビビッドではなかったことなどが理由とされる。

 そんな両方の説で迷う視聴者を悩ませているのが、制作側が仕掛けたトラップにあるというのだ。

「それは3月24日放送の第101話にて、アニーがハリウッド視察団の一員として来日した場面での出来事。このエンディングではナレーションが『驚きの女神が来ていたことにひなたはまだ気づいていませんでした』と語っていました。今となってはもはや《驚きの女神=アニー》であることは明らかですが、果たしてアニーが安子だとしたら、そんな表現を使うものでしょうか。ひなたにとって安子は実の祖母であり、その人物を“女神”と呼ぶのはいかにも不自然です」(テレビ誌ライター)

かつて安子がアメリカの生活に触れ、今では娘のるいが歌うステージとなった岡山偕行社(現存)。ここがクライマックスの舞台となりそうだ。トップ画像ともに©NHK

【以下、ネタバレを含みます】

 ここで気になるのが、4月1日の本編終了後に公開された次週予告の映像だ。同予告ではるいがステージで歌う場面などが明かされるなか、ラストシーンではひなたがアニーを背負って演奏会場らしき場所に登場。次いで、るいがツーッと涙を流す場面で終わっている。

「これはおそらく、アニーとるいが対面を果たす場面を示唆しているはず。そうなると問題はアニーが安子か否かですが、この予告はどちらにも受け止められるようになっています。わざとそういう作りにすることで、視聴者に考察の余地を残しているのでしょう。これもある意味で、制作側が仕掛けたトラップなのかもしれません」(テレビ誌ライター)

 果たしてるいの流した涙は母親と再会した感動によるものか、それとも別の事実を知ったことによる悲しみなのか。いずれにせよ、視聴者が号泣する内容になっていることは間違いなさそうだ。