まさかNHKのアナウンサーがそんなことを言うなんて! これもまた「カムカムエヴリバディ」の魅力がなせるわざだったのかもしれない。
4月8日に大団円の最終回を迎えたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。その前日にあたる4月7日には同局で、トークバラエティ番組「朝まで待てない! “わが愛しのカムカムエヴリバディ”大阪からカムカム愛を叫ぶ!」が放送された。
同番組には本作のマニアを称する芸能人4人が集合。それそれのカムカム愛を語りつくし、ドラマのフィナーレを熱く盛り上げるという趣向となっていた。
司会は昨年から大阪放送局に赴任している武田真一アナが務め、出演者はなだぎ武、木本武宏、高橋茂雄という芸人3人に加え、女優の守殿愛生という顔ぶれ。19歳の守殿は唯一の十代として若い世代の視聴者からの声を代弁しつつ、自らも2015年の朝ドラ「あさが来た」に子役として出演した経験から、視聴者とは違った角度からの感想を求められていたようだ。
番組では、ヒロインのひなたを演じた川栄李奈がVTRで出演。なだぎらは大いに喜んでいたが、そんな川栄の登場がNHKらしからぬ状況を巻き起こしていたという。
「VTRの冒頭で『スタジオの皆さん!』と呼びかけた川栄は、出演者全員の名前を連呼。そのVTR明けに武田アナは『武田さんって名前呼んでくれて、感無量ですね』と、アナウンサーの立場を忘れたかのような発言を繰り出していました。バラエティ出演者的な立回りも求められる民放の局アナとは異なり、NHKのアナウンサーには公正無私であることが求められるもの。それが出演者の特権を意識した発言が飛び出したあたり、いかに『カムカムエヴリバディ』が特別な作品なのかを実感させることになりましたね」(テレビ誌ライター)
そんな武田アナからはほかにも、NHKでは聞いたことのないような言葉が飛び出ていたようだ。
それは番組の冒頭で、各出演者が自己紹介した場面のこと。ここで一人目のなだぎは「安子ちゃん、メリークリスマス。どうも、雉真稔です」と、芸人らしいボケをさく裂させていた。
「それを受けて武田アナは『一瞬、事故ったかと思いました』と言い放ちました。いわゆる“事故”(放送事故)という単語は民放のバラエティ番組ではよく耳にしますが、それをまさかNHKで聞くことになるとは驚きましたね。しかも武田アナは、芸人たちからヒロインの川栄に局内で会ったことがないのかと問われ、『同じ建物にいたはずなんですけどね、僕。一回も会いませんでした』と告白する場面も。いわば楽屋落ち的なネタもNHKではほぼありえないので、今回の番組は良い意味でNHKらしくなかったと言えそうです」(前出・テレビ誌ライター)
トークでは高橋が、ぜひスピンアウトドラマを観たいと力説する場面も。「なんやったら劇場版で『サムライベースボール』期待しています」という言葉には、視聴者も大きく首を縦に振っていたのではないだろうか。