父親の想いは娘に受け継がれていたようだ。
4月18日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第6話にて、心臓発作で亡くなってしまった比嘉賢三(大森南朋)。最期は家族一人一人に自分の想いを告げ、妻と4人の子どもたちに看取られながら旅立っていった。
翌日、葬儀を終えた4きょうだいは海岸に行き、海に向かって父親への想いを大きな声で伝えることに。長男の賢秀は「父ちゃ~ん! 父ちゃ~ん!」と叫び、三女の歌子から「海にいるの?」と問われると、「人は死んだら海の向こうのニライカナイに行くって」と答えていた。
すると歌子は「お父ちゃ~ん、ありがとう!」と絶叫。長女の良子は「うち、必ず先生になる」との誓いを立て、賢秀は「あとは任せれ! 全部やるからよ~!」と、長男としての気概を示したのだった。
そしてヒロインの次女・暢子(稲垣来泉)は、「お父ちゃ~ん、大好き! ずっとずっと大好きだからね!」と、父親への想いを言葉にして伝えることに。そんな暢子は4きょうだいの中でも、賢三らしさを最も色濃く受け継いでいるという。
「3月30日に発売されたNHKドラマ・ガイドの『連続テレビ小説 ちむどんどん Part1』では、各キャラクターや出演者について詳しく紹介。賢三を演じる大森南朋のページでは4きょうだいについて、良子と歌子が母親の優子(仲間由紀恵)似で、賢秀と暢子が父親似だと明かしています。大森によると暢子は一番父親に懐いているようで、『演じていても感じ合うものがありました』と語っています」(テレビ誌ライター)
そんな父親に対して、暢子のほうはどう思っているのか。それは成長してからの暢子を演じるヒロイン・黒島結菜が語っているという。
ただ賢三は暢子がまだ小5だった昭和39年に亡くなったことから、ヒロインの高校生以降を演じる黒島は、賢三(大森)と共演する機会が基本的になかったはず。それでも大人になった暢子の心にはしっかりと、賢三の言葉が刻み込まれているようだ。
「比嘉家について紹介するページでは、賢三について黒島が『お父ちゃんのことばを思い出す瞬間』がたびたびあると説明しています。沖縄から内地に出た人たちは、様々な苦労や差別に苦しんだもの。おそらく暢子もツラい生活を送るなかで、折に触れて賢三の『暢子は暢子のままで上等』という言葉を思い出しては、自らの原点に立ち返るのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
賢三が旅立ったニライカナイは遠い東の海にあるという。暢子は東京から見える海の向こうに、父・賢三の存在を見いだすのかもしれない。