【ちむどんどん】歌子が抱く智への恋心は「翼をください」の歌詞に込められていた!

 この7年間、一途に彼のことを想い続けてきたようだ。

 4月27日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第13回では、比嘉家の三女・歌子(上白石萌歌)が、砂川豆腐店の長男である智(前田公輝)に恋心を抱いていることを示す場面があった。

 子どものころからすぐに熱を出しやすい体質の歌子。今回も週末に熱を出してしまい、日曜日には医者に往診に来てもらっていた。すると智ができたての豆腐を届けに来訪。その道すがら、怠け者の長男・賢秀(竜星涼)が建設現場で働いているのを見たと、ヒロインの暢子(黒島結菜)に報告していた。

「ここで智は『俺も報告があるわけよ』と切り出し、名護のハンバーガーショップで働くことにしたと告白。家業の豆腐作りは朝に行い、あとは弟や妹に任せるそうです。将来は食品卸の仕事もしたいという智は、その修行も兼ねて働きに出るのだとか。そんな智の話に暢子は『はあ。みんな大人になるんだね~』と感心。智や賢秀はちゃんと働き、長女の良子(川口春奈)は先生になる夢を叶え、歌子は抜群に歌が上手いとしつつ、『それに比べてうちは…』と落ち込んでいたのでした」(テレビ誌ライター)

 智から「何か悩みでもあるわけ?」と訊かれると、「うち、本当にあの会社で働きたいのかな?」と、就職先への本音を明かしていた暢子。高校卒業を控え、自分の将来に不安を抱いている姿を見せていたのだった。

将来について語り合う暢子と智。その姿が歌子に嫉妬心を芽生えさせていたようだ。©NHK

 一方で歌子は、暢子と仲良さそうに話す智が相当気になる様子。暢子が畑に行ったのを見計らい、智に「好きなんでしょ? 暢ネーネーのことが」といきなりの質問だ。

 面食らった様子の智は「俺が? しんけん(真剣)言ってる? それはありえん!」と全否定。「それは全然見当違い!」と言い残して帰って行った。

 その後ろ姿に「バカ」とつぶやく暢子。彼女は引き出しから、7年前の運動会で智にもらった手製のメダルを取り出し、「俺にとっては歌子が1等賞!」と褒められた日のことを思い出していたのであった。

「歌子が智を好きなことはこれまでの作中でもなんとなく示されていましたが、なかでも象徴的だったのはこの回の冒頭で歌子が『翼をください』を口ずさんでいたこと。歌が大好きな歌子らしさを示す場面でしたが、彼女がその曲を選んだことには大きな意味があったに違いありません」(前出・テレビ誌ライター)

 歌子は「今 私の願い事が叶うならば 翼がほしい♪」という歌いだしのフレーズを口ずさんでいた。その願いとはまさに、智との恋が成就することを示しているのだろう。

 しかもこの曲では2番にて「子供の時夢見たこと 今も同じ夢に見ている♪」と歌っている。小三の時に智を好きになった歌子が、高一に成長した今でも同じ恋心を抱き続けている。そういった思いがこの歌詞に込められていたのではないだろうか。

撮影中にモニターをチェックする前田公輝を優しい目で見つめる上白石萌歌。その姿は智を見る歌子そのものだ。©NHK

「そんな『翼をください』の歌詞は歌子の心模様に加え、就職を控えて将来への不安を抱えている暢子の心情にもぴったり。しかも念願の小学校教員になって願いを叶えたはずの良子でさえ、勉強会で一緒の石川博夫(山田裕貴)への淡い恋心で悩んでいる様子です。彼女は那覇出身であかぬけている石川と、村出身で貧乏な家庭の自分を見比べて、悩んでいるようでした」(前出・テレビ誌ライター)

 どうやら三姉妹それぞれに、自分の理想に向けて飛び立つための翼が欲しい様子。果たして彼女たちは無事に翼を広げて大空を羽ばたくことができるのだろうか。