【ちむどんどん】母親の優子は叔父・賢吉からいったい何ドル借りていたのか問題!

 あれだけ借金に関して強硬的だった叔父が、なぜ今回は簡単に貸してくれたのか。視聴者も首をひねっていたようだ。

 5月9日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第21回では、比嘉家の長男・賢秀(竜星涼)が為替詐欺に引っかかり、960ドルもの大金をだまし取られてしまっていた。

 昭和47年(1972年)の沖縄返還を翌年に控え、沖縄では通貨が米ドルから日本円へと替わることに。当時、1ドル=360円の固定為替相場が崩れ、1ドル=308円に切り下げられたことから、沖縄ではさらにドルが下がるとの疑念が渦巻いていた。

 そんな状況のなかで賢秀は、琉球政府に特別なツテがあるとうそぶく我那覇から、特別に1ドル=720円で両替できるという投資話を聞くことに。我那覇を信じた賢秀は母親の優子(仲間由紀恵)に頼み込み、叔父の賢吉(石丸謙二郎)から2週間後に返すとの約束で大金を借りてもらったのだった。

「しかし我那覇は前科もある詐欺師だったことが判明。約束した日時に現れることもなく、賢秀の預けた960ドルは持ち逃げされたのでした。これで優子も叔父に借りた金を返す当てがなくなることに。ただ作中では、優子がいったい何ドル借りたのかが具体的に明かされることはなかったのです」(テレビ誌ライター)

 優子が賢秀に渡した960ドルは、叔父から借りた金に比嘉家の貯金を足したものだという。ただ比嘉家はもともと500ドルの借金を背負っていたはずだ。そうなるとなぜ比嘉家に貯金があるのか、なんとも疑問なのだが…。

「普通に考えれば貯金をする余裕があるのなら、それを借金返済に回せばいいはず。ただ4人のきょうだいを女手ひとつで育てていた優子としては、様々な物入りに備えて手元にある程度のまとまったお金も残しておきたかったのでしょう。ただ貯金額が500ドルを超えていれば、さすがに借金完済を優先するでしょうから、比嘉家の貯金が500ドル未満だったことは確実です」(前出・テレビ誌ライター)

 ともあれ叔父の賢吉から借りたのが「960ドル-貯金額」だとした場合、その金額は最低でも460ドルよりは大きいことになる。優子の口ぶりから借金の完済にはもう少し時間がかかりそうだったので、賢吉から500ドル以上を借りていたのは確実だろう。

賢秀が詐欺に遭っているとも知らず、960ドルもの大金を預けてしまった優子。トップ画像ともに©NHK

 だがそうなると、いささかの矛盾が生じてしまうという。というのも7年前に亡夫の賢三(大森南朋)が亡くなった時、借金の保証人になっていた賢吉は、比嘉家が借金を返せなくなったら共倒れだと大騒ぎしていたのである。

「つまり賢吉にとって500ドルはとても背負うことのできない大金だったわけです。ところが今回、賢吉は優子に対してポンと500ドル超を貸しています。しかも比嘉家はまだ借金を完済していませんから、賢吉は大幅に追い貸ししたことになります。いったいその余裕がどこから生まれたのか。視聴者としても不思議でならないことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 借金を背負っていたはずなのに、きょうだいは全員高校に進学していた比嘉家。物語上は一瞬でワープしていた7年間に、なにかしらの大きな変化があったのかもしれない。