比嘉家はまたもや借金を重ねてしまったようだ。
5月11日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第23回では、ヒロイン比嘉暢子(黒島結菜)の“東京に行きたい”という夢を叶えるため、家族が借金を重ねる場面が描かれた。
高校を卒業したら東京に行き、西洋料理のレストランでコックとして働きたいとの夢を公言している暢子。しかし比嘉家が大きな借金を抱えていることもあり、高三の彼女は地元の沖縄にある内間食品への内定を決めていた。
一方で親友の前田早苗(高田夏帆)には、東京の大学に合格したとの朗報が届くことに。早苗のことが羨ましくてしょうがない暢子は、卒業後の春休みには上京する早苗について東京に遊びに行きたいと、母親の優子(仲間由紀恵)に懇願していた。
それに大反対したのが姉で長女の良子(川口春奈)。新米教師の彼女は給料の大部分を家計に入れており、暢子に対しても春休みは名護の工場でアルバイトをすべきと説教。反発する暢子と口ゲンカになっていたのだった。
「暢子にきつく当たったことを反省した良子は、勤務する学校で300ドルを借り入れることに。月給70ドルの彼女にとっては、現在の100万円程度に相当する大金です。そのお金で暢子に東京に遊びに行ってもらうか、それとも借金相手の叔父に一部返済することで暢子が東京で就職することを許してもらうか、相当に悩んでいる様子でした」(テレビ誌ライター)
するとその日、叔父の賢吉(石丸謙二郎)が妻を伴って比嘉家を来訪。母親の優子は、自分の働いている村の共同売店で給料を前借りした300ドルを賢吉に差し出し、借金の一部を返済するので暢子が東京で働くことを認めてほしいと懇願したのであった。
その比嘉家では亡夫の賢三(大森南朋)が遺した借金500ドルに加え、長男の賢秀(竜星涼)が為替詐欺で960ドルをだまし取られた際にも借金で資金を用立てていた。そこに来て今回、良子と優子がそれぞれ300ドルずつを借金したことで、総額が1000ドルを超えたことは確実だろう。
そんな多重債務状態に、視聴者からは<堅実だと思っていた良子まで…><借金を借金で返す悪循環>といった声が続出。さらには暢子に対しても<この状況でよく東京に行こうと思えるな>といった批判まで飛ぶ始末だ。
だが一方では、比嘉家の借金に対して<そんな良条件なら俺も借りたい!>という声もあがっていたというのである。
「良子の借金については給料の前借りだと勘違いしている視聴者もいるようですが、彼女はきっちり借用証書を書いており、返済条件なども明記されていました。そこには『償還期限』や『納入期日』といった用語が使われており、どうやら公務員共済のような制度を利用していたようです。ここで驚くのが返済の内容。300ドルの借り入れに対し、良子は毎月6ドルを4年2カ月(50カ月)で返済することになっています。つまりこの借り入れは“無利子”なのです。そんな有利な条件の借金など令和の時代には公務員の共済貸付にさえ存在しませんから、《俺も借りたい!》との声があがるのも無理はないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
月給70ドルの良子にとって、月々6ドルの返済はさほどの無理はないところ。どうせなら比嘉家の借金も良子が丸ごと肩代わりしたほうが、楽に返済できるのかもしれない。