5月31日をもって活動を終了する女性アイドルグループの「ラストアイドル」が5月29日、東京・有明の東京ガーデンシアターにて最後のコンサート「ラストライブ」を開催した。
この日は昼夜2公演が行われ、昼の部は「LAST DANCE」、夜の部は「LAST SMILE」と題して、それぞれ異なる内容を披露。いずれも全メンバー31人が出演し、本当に最後の最後となった夜の部では、ファンに惜しまれながら約3時間半の壮大なライブを全力で駆け抜けた。
その「LAST SMILE」ではデビュー曲の「バンドワゴン」から始まり、約5年間の歴史をなぞるように数々の楽曲を披露。スクリーンに映し出された当時の映像をバックに、グループ内ユニットの「Good Tears」「シュークリームロケッツ」「Someday Somewhere」「Love Cocchi」「LaLuce」が各々、当時と同じ衣装を纏ってパフォーマンスする姿でファンを沸かせた。
「バンドワゴン」を全31名で披露。photo by ラストアイドル制作委員会
「涙の仮面」Good Tears photo by ラストアイドル制作委員会
「想像上のフルーツ」シュークリームロケッツ photo by ラストアイドル制作委員会
「Again & Again」Someday Somewhere photo by ラストアイドル制作委員会
「青春シンフォニー」Love Cocchi photo by ラストアイドル制作委員会
「風よ吹け！」LaLuce photo by ラストアイドル制作委員会
人気曲の数々に興奮が冷めやらぬなか、一気に11曲を披露した後に始まった最初のMC。1期生の大森莉緒は「本当に、本当にこれが最後のライブになります。『ラストスマイル』ということで、みんなで笑って帰りましょう！」と意気込んだ。同じく1期生の西村歩乃果は「一曲一曲、思いを込めて歌おうと思ったらフライングしちゃいました（笑）」と、1曲目から涙を流してしまったことを茶目っ気たっぷりに告白。会場は笑いに包まれた。
長かった髪をバッサリ切った1期生の間島和奏は、気迫のあるパフォーマンスで強い決意を感じさせることに。これが最後の公演ということでいろんな想いがある中、どのメンバーからも「笑顔で終わりたい」という気持ちが伺えた。
ライブ中盤には、タイで活動する「ラストアイドル・タイランド」が登場し、最初で最後の共演を果たすことに。ここでは観客の撮影が可能となり、メンバーが客席側に来ては観客と交流をしたり、パフォーマンス中のメンバーを思い思いに撮影するなど、思わぬサービスタイムにファンは大興奮だ。撮影画像にハッシュタグ「#ラストアイドル」を付けた投稿がSNSに溢れ、会場のファンはもちろん、会場に来れなかったファンも一体となってラストライブを盛り上げた。
途中のMCでは「会話を広げるのが難しい（笑）」と苦戦していた1期生の籾山ひめりだが、彼女のトークを中心に前半戦までのライブの感想や舞台裏の話が展開されることに。1期生の相澤瑠香は「1公演目（昼の部）の時はまだ何回かできると思っていたけど、もう最後なんだと思うと泣いちゃいそうで」とコメント。続けて「後ろに流れる自分や他の人の映像を見ていろいろ思い出して。でも楽しくできてます！」と心境を明かすと、他のメンバーも大いに共感していた様子だ。その後もMCは盛り上がり、パフォーマンス時とは異なる和やかな雰囲気でメンバーの仲の良さを垣間見せていた。
ライブの後半戦では「青春トレイン」や「Break a leg!」、「何人（なんびと）も」など人気シングル曲を次々に披露。全31人で参加した「大人サバイバー」では、“集団行動”を取り入れた一糸乱れぬフォーメーションダンスでファンを圧倒だ。数々の壮絶なバトルを乗り越えてきた彼女たちの集大成が、この日のステージ上で繰り広げられていた。
「何人（なんびと）も」 photo by ラストアイドル制作委員会
「大人サバイバー」 photo by ラストアイドル制作委員会
本編の終盤には、ラストアイドルにゆかりのある芸人の「三拍子」や、Good Tearsのプロデュースを担当した織田哲郎、バトルの審査員を務めた吉田豪からのビデオメッセージを放映。LaLuceの楽曲に携わった小室哲哉からも激励のコメントが寄せられた。
また、冠番組「ラストアイドル」（テレビ朝日系）にてメンバーたちを見守り続けてきた「天の声」からは、「沢山の試練を乗り越えて、ここまで来た31人、お疲れ様でした。そして今までアイドルとして私たちに幸せをくれて本当にありがとうございました」と感謝の言葉が。
続けて天の声は「みなさんはラストアイドルという物語を終えて、自分の人生を、新しい物語を歩んでいくと思います。数々の試練を乗り越えた皆さんです。きっと素晴らしい人生が待っています。最後は笑顔で、Good Tearsでアンコールを終えて下さい。最後まで泣かないと決めたんですけど、ウルウルきてしまったので、終わらせていただきます！」と感極まりながら惜別の言葉を送っていたのが印象的だった。
アンコールでは、この日3回目となる「バンドワゴン」のスペシャルバージョンを披露。「LAST SMILE」というラスト公演のテーマ通り、終始笑顔を見せていたメンバーたちだったが、終盤では多くのメンバーが涙を流さずにはいられなかったようだ。
1期生でセンターの阿部菜々実は「活動終了後もしばらく悔しさは残ると思うけど、心の底からラストアイドルで良かったと思います。ラストアイドルのことを忘れないでください」と力強い呼びかけ。オーラスの「僕たちは空を見る」を曲紹介する際には、涙で言葉を詰まらせていた。
「僕たちは空を見る」 photo by ラストアイドル制作委員会
すべての歌唱が終わったあとの挨拶では、2期生の橋本桃呼が「こんな素敵なファンの方々に出会えて、こんな素敵なメンバーに出会えて、いつも支えてくださっているスタッフさんや家族とこうやってラストアイドルの活動をできることが嬉しいです」と、関わってくれたすべての人たちへの感謝を表明。
さらに「未だに正直、ラストアイドルが終わる実感がなくて、いきなり天の声さんが出てきて『活動終了は嘘でした』と言って欲しいくらい本当に寂しくて、大好きな場所でした」との本音を吐露。「私にとってラストアイドルは青春であり、人生です。たくさんの愛をありがとうございました。」と涙ながらにコメントを締めくくった。
ステージを後にする際は2期生アンダー、2期生、そして1期生ユニットが順番に挨拶。一番最後となった阿部菜々実、鈴木遥夏、安田愛理の3人は、自分たちのユニット名「LaLuce」ではなく、「以上、ラストアイドルでした！」と挨拶し、笑顔でステージから去って行った。
最後は新しい道へ踏み出す決意を示すかのような真っ白な衣装で締めくくった。photo by ラストアイドル制作委員会
ライブ後には、ライブMC中の「ラストスマイル対決」で橋本桃呼に勝利した2期生アンダーの岡村茉奈が「今日見た景色は走馬灯で駆け巡ると思う。それほどの感動でした…！ありがとう、本当に」とツイート。
同様に1期生の松本ももなもインスタグラムで「ラストライブありがとうございました ステージからの景色は光の海で感動に溢れてました みんなのお顔がよく見えるステージで本当に素敵な時間を共有できて幸せです これからもラストアイドルのことずっと忘れないでね」と、ラストライブに詰めかけたファンへの感謝を綴っていた。
西村歩乃果はツイッターで「ラストライブ本当にありがとう。素敵な景色を最後に見れて幸せでした。最後一人一人のお顔を見て挨拶したつもりなんだけど、目が合わない人もいたのですれ違いになっちゃってたらごめんね」とつぶやき、最後の最後までファンへの感謝の気持ちを綴っていた。
今回のラストライブは、舞台裏映像やインタビューを交えた完全版として、7月17日の正午からCSチャンネルのテレ朝チャンネル1にて放送される予定。7月には過去の周年コンサートやオリジナルのバラエティ番組など、ラストアイドルの軌跡が詰まった計11番組、約30時間にわたる長編映像も放送される予定となっている。
【夜公演「LAST SMILE」セットリスト】
M01. バンドワゴン
M02. 涙の仮面
M03. 想像上のフルーツ
M04. Again & Again
M05. 青春シンフォニー
M06. 風よ吹け !
M07. スリル
M08. 君の Achoo!
M09. この恋はトランジット
M10. Love Docchi♡
M11. Everything will be all right
M12. サブリミナル作戦
M13. 青春0対0
M14. 好きで好きでしょうがない
M15. 誰かの夢が叶ったら
M16. Hope
M17. 愛しか武器がない
M18. Bandwagon (Protea)
M19. ラスアイ、 よろしく
M20. なんか、 好きだよ
M21. 愛の答え合わせ
M22. 青春continues
M23. ハグから始めよう
M24. 何人 (なんびと）も
M25. 大人サバイバー
M26. 瞳キラキラ
M27. ほっといて
M28. 当たりくじ
M29. 青春トレイン
M30. 独り言の存在証明
M31. Break a leg!
M32. 君は何キャラット?
M33. 愛を知る
M34. 眩しすぎる流れ星
EN1. バンドワゴン(Strings ver. オリジナル ver.)
EN2. 僕たちは空を見る
（文：森田聖子、山下恵里佳）
