【ちむどんどん】ヒロインの暢子、「オーナーの親戚」という立場を自覚していなかった!?

 いや、みんな知ってるだろうに…。そう訝った視聴者も多かったことだろう。

 6月16日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第49回では、イタリア料理店「アッラ・フォンターナ」からの退職を決意した二ツ橋シェフ(髙嶋政伸)が、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)に「私が辞めた後、オーナーのことくれぐれもよろしくお願いします」と頼む場面があった。

 茨城で洋食店を営む父親が倒れ、母親から店を継いでほしいと言われた二ツ橋。オーナーの大城房子(原田美枝子)に相談すると「いつ辞めてもいい」と言われ、それが彼のなかではなぜか「お前なんか要らない」に変換されていたようだ。

 そんな二ツ橋は今回、下っ端コックの暢子を漁港に連れ出し、フォンターナに魚を卸している仲買人を紹介。引き継ぎ業務の一環でありつつ、東京から離れた場所で暢子に打ち明け話をするのが目的だったのかもしれない。

「二ツ橋は『オーナーほど美しく、優しく、知性と気品に満ちあふれた素晴らしい女性をほかに知りません』と熱弁。すると色恋事には鈍いはずの暢子でもさすがに気が付いたようで、『二ツ橋さんはオーナーのことが好きなんですね!』と嬉しそうな表情を見せました。この辺の無神経さはいかにも暢子らしいところですが、そんな暢子が相手だからこそ二ツ橋は恋バナを自分語りできたのでしょう」(テレビ誌ライター)

 二ツ橋はあくまで“後輩の話”だと前置きしつつ、10年前に「私と結婚していただけませんか」とオーナーに告白するも、「忘れられない人がいる」として断られたと説明。しかもその相手はすでに結婚しているという。

 その後、「今まで通りの関係で結構ですから、これからもおそばで働かせてください」と懇願したそうで、それ以来、フォンターナの料理長を務めてきたようだ。

オーナーに求婚した事実を暢子に明かした二ツ橋。トップ画像ともに©NHK

 そんな自分語りの前に、オーナーのことを頼むと暢子に告げていた二ツ橋。すると暢子は「なんでウチに?」と問い返し、二ツ橋は「みなさんにも言っておきたいんですが、なかなかチャンスがなくて」と言い訳していた。このやり取りにいら立つ視聴者が続出していたのである。

「二ツ橋が暢子にオーナーのことを頼んだのはどう考えても、彼女がオーナーの親戚だからにほかなりません。暢子とオーナーの関係は、第42回にて兄の賢秀(竜星涼)がフォンターナに押しかけ、『あなたの甥の賢三の息子の比嘉賢秀です』と自己紹介したことで、店の従業員たちにはバレバレ。その後、従業員たちが暢子をどう扱っていたのかは描かれていませんが、《ワンマンオーナーの親戚》として、それなりに気を遣っていたことは容易に想像できます。しかし当の暢子自身はそういった自分の立場に未だ気が付いていなかったようですから、その鈍感さには驚かされますね」(前出・テレビ誌ライター)

 暢子を巡っては、精密検査を受けに上京した妹・歌子(上白石萌歌)に接する態度も無神経だと、視聴者から批判の声があがっている。一方で彼女自身は誰からにでも好かれる明るい性格で、下宿している横浜・鶴見の沖縄料理店「あまゆ」ではすっかりお店のアイドル的な存在だ。

 いまのところ、その無神経さや鈍感さで視聴者や歌子をイラつかせている暢子。だがいずれはそんな鉄のメンタルが、彼女自身も周りをも救う日が来るのかもしれない。というか、来てもらわないと困ると思っている視聴者も多いことだろう。