これをすべて一人でこなしていたのなら、過労で倒れてしまうのも無理のないことだろう。
6月29日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第58回では、ヒロインの比嘉暢子（黒島結菜）が、幼馴染の砂川智（前田公輝）が立ち上げたばかりの食品卸会社を訪問。そこで智が倒れてしまい、慌てて駆けつける様子が描かれた。
前回、暢子が勤務する銀座のイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」にて一緒に食事をした二人。子供のころから暢子のことが好きだった智は、独立して自分の会社を立ち上げたタイミングで、正式にプロポーズしようとしていた。
智の気持ちに気づいた暢子は当惑するも、色恋にまったく興味がなかったからか、はっきりと断ることもできない様子。そんな暢子の戸惑いをよそに智の気持ちはどんどんと盛り上がっていき、取引相手にも結婚について勝手に打ち明けてしまう始末だ。
「智から事務所に遊びに来るよう誘われていた暢子は翌日、律儀にも差し入れのサーターアンダギーを手に、智の会社『スナガワフーズ』を訪れました。すると事務所からは智が『実は嫁さんもらうんです。はい、同じ沖縄出身で』と話す声が。あまりにも先走っている智の姿を目の当たりにした暢子は、その場で固まってしまったのです」（テレビ誌ライター）
はっきりとノーを伝えなかったことで、自分の気持ちが置いてきぼりにされている暢子。一方の智は上京から7年目を迎え、これまでは暢子への告白を控えてきたが、独立を機に仕事でも結婚でも成功を掴みたい構えだ。
だが好事魔多し。事務所内からはガシャーン！という音が聞こえ、驚いた暢子が奥に進んでいくと、床に倒れている智を発見したのである。周りから過労を心配されながら、「いまは少々きつくても、頑張るしかない」と無理をしていた智だが、ここにきて燃料切れを起こしたようだ。
智が寝かせられた部屋は、スナガワフーズの倉庫内に建てられた沖縄風の家屋だった。©NHK
この場面に視聴者からは<言わんこっちゃない…>といった声もあがることに。休みなしで働くことを智が宣言していた時点で、この結果が見えていたのも同然だろう。その一方で同じ場面では、視聴者も別の意味で度肝を抜かれていたというのである。
「暢子が事務所内に入っていったことで、スナガワフーズの全容が露わになりました。そこには様々な青果の段ボールが山積みとなっており、その種類もすいか、なす、はくさい、たまねぎ、とうがん、きゅうり、ピーマン、ズッキーニ、みかんと、驚くほどのバリエーション。これをすべて智が手配し、保管し、配送まで一人でこなすというのは、いくらなんでも無理があるというものです」（前出・テレビ誌ライター）
果たしてたった一人でこれだけの青果をさばけるものなのか。暢子が下宿する沖縄料理店「あまゆ」への納品は午後11時を過ぎていたはずで、いくらなんでも過重労働に過ぎるというものだろう。
そんな一人ブラック企業ぶりに加えて、スナガワフーズの事務所そのものもまた、視聴者を驚かせていたというのだ。
「智に暢子が駆け寄った場面では、カメラがどんどん引きの絵を撮っていました。すると事務所は大きな倉庫のような作りで、それは青果卸業者として納得できるところですが、驚いたのは倉庫内に瓦屋根付きの部屋があったこと。そこが智の居室になっているようですが、なぜ倉庫内に屋根付きの部屋を建てたのか。一部の視聴者からは、撮影セットをそのまま映してしまったのではと怪しむ声もあがっていたのです」（前出・テレビ誌ライター）
果たしてこの場面は撮影時のミスなのか、それとも智があえて倉庫内に沖縄家屋風の部屋を作ったのだろうか。前者では朝ドラとしてうかつすぎるし、後者なら事務所の内装費を掛け過ぎなのは明らかだ。果たして「倉庫内の屋根」はどう説明されるのか。智の体調よりも気になってしょうがないという視聴者もいることだろう。
