「好きなNHKドラマ企画」、ちむどんどんのゼロ票より象徴的だった「アシガール」人気!

 NHK番組のDVDや関連グッズなどを扱うNHKスクエアでは7月30日、公式ツイッターにて「#推しNHKドラマを3つ貼る見た人もやる」との企画を開催。引用リツイートを利用して「好きなNHKドラマ」のタイトルを3作品つぶやいてもらうというものだ。

 同企画では参考として、「岸辺露伴は動かない」「鎌倉殿の13人」、そして「ちむどんどん」の3タイトルをつぶやくツイートの画像を掲載。あくまで「例」のため、現在放送中の大河ドラマや朝ドラのタイトルを使うのはある意味で当然だが、その結果は何とも皮肉なものになったという。

「同日中に寄せられた回答を見ると、断トツのトップだったのは今年4月期に放送された山下智久主演の『正直不動産』でした。次いで今年1月に全4回で放送されたキンプリ永瀬廉主演の『わげもん〜長崎通訳異聞〜』が2位にランクイン。3位は2018年の志尊淳主演『女子的生活』、4位には2015年の仲間由紀恵主演『美女と男子』、そして5位は昨年度の大河ドラマで吉沢亮主演の『青天を衝け』という順位となりました」(テレビ誌ライター)

 上位にはジャニーズ勢をはじめとするイケメン俳優主演のドラマがズラリ。4位の「美女と男子」も、主演・仲間の相手役を務めた町田啓太のファンが数多く投票していたようだ。

 そんなランキングの中で朝ドラは6位に「スカーレット」、そして10位に「カムカムエヴリバディ」がランクイン。放送中の「ちむどんどん」はどうかといえば、なんとゼロ票という無残な結果に終わっていたのである。

 もっとも各方面から強烈な批判にさらされている「ちむどんどん」に票が入らないのは、想定内と言えそうなもの。それより今回の投票結果では、批判殺到中の「ちむどんどん」に対する抗議の声と思しき票も入っていたというのである。

「その声とは、2017年放送の『アシガール』が6位タイにランクインしたこと。同作は足の速さだけがジマンという女子高生が戦国時代にタイムスリップし、若君様に恋をするというラブコメディで、主役を務めたのが『ちむどんどん』にてヒロインの比嘉暢子を演じている黒島結菜だったのです。黒島は前年の『時をかける少女』(日本テレビ)で連続ドラマ初主演に抜擢され、この『アシガール』主演で大きな反響を呼ぶことになりました」(前出・テレビ誌ライター)

黒島の代表作と言える「アシガール」。足が速いという点は「ちむどんどん」と同じ設定なのだが…。

 この「アシガール」や「時をかける少女」で一気に知名度が向上した黒島は、2019年に映画「カツベン!」のヒロイン役で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。一気にスターダムへの道を駆けのぼっっていった。

 その勢いをかって2019年度後期の連続テレビ小説「スカーレット」では、戸田恵梨香が演じるヒロインの弟子役で出演し、さらに経験を積むことに。そして迎えた今年、満を持して「ちむどんどん」のヒロインに選ばれたのだった。

「沖縄の本土復帰50周年という年に、沖縄を舞台にした朝ドラで、沖縄出身の黒島がヒロインを務めることは大いに象徴的な出来事でした。ところがふたを開けてみれば『ちむどんどん』は視聴者からの猛批判を浴び、“史上最低の朝ドラ”とさえ言われることに。それゆえNHKスクエアのツイッター企画で1票も入らなかったのは当然ですが、どうやら《黒島結菜の無駄遣い》に腹を立てている視聴者も多いようで、それが『アシガール』の上位ランクインという形に表れたのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 果たして「ちむどんどん」は黒島にとって黒歴史となることは確定なのか。少なくてもファンのあいだでは黒島の代表作が朝ドラヒロインを務めた「ちむどんどん」ではなく、「アシガール」であることは確実なようだ。