【ちむどんどん】暢子の物件探しに異常アリ!保証金&保証人問題はどうなるのか?

 この問題をどう解決するつもりなのか。視聴者も首をひねらざるを得ないようだ。

 8月15日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第91回では、ヒロインの青柳暢子(黒島結菜)が沖縄料理店の物件探しに奔走する様子が描かれた。そのなかに不自然な描写があったという。

 一つ目は彼女が集めてきた貸店舗の物件情報だ。より多くのお客さんに美味しい沖縄料理を食べてもらいたいとの思いから、東京都内の物件を探している暢子。彼女は家賃12~15万円の物件をターゲットにしているようだが、その物件情報におかしな数字が列挙されていたのである。

 居住用の物件とは異なり、貸店舗の場合は多額の保証金が必要。原状復帰に多額の費用を要するほか、借主が夜逃げする恐れもあるからだ。その相場は家賃の10カ月分とされ、よほど人気の物件だと20カ月分まで跳ね上がることもあるが、暢子が探してきた物件ではさらに高額な保証金が必要だというのである。

「8件映し出された物件情報の中で、最も保証金が安いのは家賃12万7700円で保証金250万円というもの。それでも19.57倍ですから相当高い部類に入ります。それ以外の6件ではさらに跳ねあがり、最も高いものは12万9900円の家賃に対して保証金が実に450万円にも上り、なんと35倍弱というべらぼうな数字に。もしや若い女性ということで足元を見られたのではないかと、心配になりますね」(テレビ誌ライター)

 そんな保証金問題に加えて、暢子の物件探しではもうひとつ、不穏な点があるという。それは彼女がなんでも自分一人で進めようとしていることだ。

 新婚生活を始めた下宿部屋にて暢子は、夫で新聞記者の青柳和彦(宮沢氷魚)に愚痴をこぼすことに。物件探しや開業資金の計算を自分一人で背負っている暢子は「孤独を感じてしまって」と吐露。和彦は「僕も家族のみんなもついてるよ」と励ますが、暢子は「お店をやるとなると結局は自分一人で責任を取らないと」と語っていた。

 だが実際に沖縄料理店を始めるとなれば、とてもじゃないが「自分一人で責任」を取ることなどできないのが現実だというのである。

「物件を借りる際には必ず、連帯保証人が必要になりますからね。そもそも20代前半の暢子が一人で貸店舗を探しに行っても、普通ならまともに相手にされることもないはず。それがいくつも物件情報をもらえたのは、彼女が東京・銀座の一流イタリア料理店『アッラ・フォンターナ』から独立するからでしょう。不動産屋側では当然、フォンターナが資金面でバックアップしてくれるという前提のはず。この時点ですでに、暢子が自分一人で責任を背負っているわけではないのです」(前出・テレビ誌ライター)

暢子に独立に向けてのアドバイスを贈る大城房子。トップ画像ともに©NHK

 仮にフォンターナの大城房子オーナー(原田美枝子)が保証人にならない場合、その役目は夫の和彦に回ってくるのは確実。彼は全国紙の記者であり、昭和54年当時にはいまよりはるかに新聞記者のステータスや給与水準は高かったものだ。

 貯金などについては明かされていないものの、下宿暮らしなうえに贅沢をしている様子もなく、おそらくは保証金を余裕でまかなえるような金額を貯め込んでいることだろう。

「暢子が自分一人で独立開業の悩みを抱え込んでいるというのは、とんだ思い上がりでしょう。大城オーナーや和彦の存在がなければ、彼女が自分の店を持つことなど不可能なのは明らか。ちなみに東京で沖縄料理店が一般化したのは、朝ドラの『ちゅらさん』が放送された2001年からだと言われています。どうやら暢子は25年以上も、時代を先取りしてしまったのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)

 果たして250万円~450万円もの保証金はどうやって支払うのか。沖縄の実家に送金していた暢子にそんな貯金がないことは明らか。銀行に借りるにしても、大城オーナーや和彦にいろいろと頼らざるをえないのは確実だ。よもやお世話になっている沖縄県人会会長の平良三郎(片岡鶴太郎)に連帯保証人を頼むという恩知らずな真似は避けていただきたいところだろう。