いまや女性アイドルグループのトップに君臨する乃木坂46。その始まりが2011年に「AKB48の公式ライバル」として結成されたということは広く知られているところだ。そんな乃木坂46の“公式ライバル”が誕生するという。
9月4日付の「文春オンライン」では、乃木坂46の総合プロデュースを手掛ける作詞家の秋元康氏が、乃木坂46の“公式ライバル”として新たなアイドルグループをプロデュースすると報じた。
乃木坂46の所属する音楽レーベルがソニーミュージックなのに対して、秋元氏が今回タッグを組むのはライバル企業のエイベックス。6月末に行われた社員総会ではすでに大々的に告知されており、プロジェクトは来年にも本格始動するという。
「秋元氏とエイベックスはこれまでにもSKE48のCDリリースや『劇団4ドル50セント』の運営で協業しています。ただ女性アイドルグループの育成という面でエイベックスには失敗している印象しかありません。そのためAKB48や乃木坂46のような国民的アイドルグループを作れるのかどうか、怪しむ関係者も少なくないようです」(芸能ライター)
エイベックスは2009年、アイドルグループの結成を目的とした大規模一般オーディションの「avex アイドルオーディション 2010」を開催。応募総数約7000名から選ばれた12人で「SUPER☆GiRLS」(略称スパガ)が結成された。
スパガはアイドル戦国時代の波に乗ってオリコン上位の常連となり、紅白歌合戦への出場も視野に入れつつ、2011年にはレコード大賞の新人賞を受賞、グラビアで頭角を現した浅川梨奈はいまや女優としてもブレイクしている。だが人気のあった初期メンバーが卒業していくにつれ、存在感も薄れることに。卒業と新メンバー加入を繰り返し、現在は“第5章”に至っているが、メンバーの一般知名度はほぼゼロに等しい状況だ。
「スパガを軸に“iDOL Street”というレーベルを立ち上げ、『Cheeky Parade』や『GEM』などの系列グループも誕生しましたが、いずれも解散。現在は妹分の『わーすた』が活動を続けているほか、iDOL Streetとは関係ありませんが『東京女子流』も地道に活動しています。ただ女性ファンの取り込みなどアイドルグループの売り出し方は、坂道系グループを運営するソニーのほうが一枚上手に見えますね。余談ですがiDOL Streetの統括プロデューサーだった人物はいまや、AKB48の運営会社に移籍して取締役を務めています」(前出・芸能ライター)
アイドルブームは10年でひと区切と言われており、秋元氏も乃木坂46が結成11年目となったことで、ここから先の10年を考えたのだろうか。
AKB48が前田敦子や大島優子の卒業により人気をガクンと落としたように、グループアイドルでは主要メンバーが卒業したら終わりとの見方は強い。乃木坂46も絶大なカリスマ性を誇った1期生が次々と卒業し、10月31日の卒業セレモニー(東京国際フォーラム)で樋口日奈と和田まあやが卒業すると、残る1期生はキャプテンの秋元真夏と齋藤飛鳥のわずか2人だけとなってしまうのである。
「この調子だとエース齋藤飛鳥の卒業も近いのかもしれません。ただ現在の乃木坂46ではすでに、3期生や4期生が主力として活躍中。8月31日の神宮球場公演で終了した『真夏の全国ツアー2022』では3期生の山下美月や与田祐希、4期生の賀喜遥香や遠藤さくらが存在感を示し、世代交代を大きく印象付けました。さらには2月に加入した5期生もアイドル界でトップクラスのビジュアルが話題となっており、この調子ならあと10年は余裕でアイドル界の絶対王者に君臨し続けそうな気配です」(アイドル誌ライター)
実際、1期生がシングルのセンターを務めたのは2020年3月発売の25thシングル「しあわせの保護色」が最後で、この時は白石麻衣の卒業シングルという意味合いが強かったもの。
それ以降、山下美月がセンターを務めた26thシングルの「僕は僕を好きになる」から、賀喜遥香が二度目のセンターに抜てきされた30thシングルの「好きというのはロックだぜ!」に至る5作品では、いずれも3~4期生がセンターを務めている。
そんな盤石な乃木坂46に、どうやって対抗していくというのか。果たしてどんな公式ライバルが誕生するのか、実に見物だろう。