永野芽郁にとって「ユニコーンに乗って」が、役者人生のターニングポイントになりえるワケ!

 永野芽郁がITベンチャー企業のCEOを演じたドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系)の最終回・第10話が9月6日に放送され、世帯平均視聴率8.7%をマーク。シリーズ最高タイとなり、全10話の平均視聴率は8.0%となった。

 この数字は、8~10%前後の作品が多いTBS系火曜ドラマとしては平均的な数字。決して失敗作ではないものの、今を時めく永野を主役に据えたドラマと考えた場合には、少々物足りなかったとも言えそうだ。

「2021年7月期の主演ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)はコロナ禍による中断を挟みつつも平均11.4%をマーク。永野の主演作なら視聴率2ケタは固いとの評価に繋がりました。ところが1年ぶりの主演ドラマとなった『ユニコーンに乗って』では3ポイント超も下がってしまい、2020年に放送された『親バカ青春白書』(日本テレビ系)の平均8.8%も下回ることに。これは局側としてもファンとしても、期待外れだったかもしれません」(テレビ誌ライター)

 最終回では永野の演じる成川佐奈が、一緒に会社を立ち上げつつもたもとを分かった須崎功(杉野遥亮)に対する恋心に正面から向き合い、自分の想いを告白。二人は相思相愛の恋人同士となり、ラストシーンでは仲睦まじく一緒に歩いていく姿が観る者をキュンキュンさせていた。

 視聴者には概ね好評だったものの、SNS上では杉野のファンによる声が目立ち、永野に対する声援は少なめ。永野の主演作でありながら若者の群像劇といった要素が強く、初の社長(CEO)役に挑んだ永野があまり目立たないという結果になっていたようだ。

 このように数字や評価の面ではさほど芳しい結果とはいえない「ユニコーンに乗って」。だが長い目で見た場合、本作で主演を務めたことは永野にとって、大きな意味を持ってくる可能性を秘めているというのである。

功と手を繋いで歩くラストシーンで、佐奈を演じる永野にはもはや子供っぽさは感じられないことだろう。トップ画像ともに©TBS

 永野はクランクアップコメントにて「この4ヶ月間はこれまで以上に大人にさせてもらえたと思います」と明かしている。彼女が演じた成川佐奈は母子家庭かつ高卒というハンデを乗り越えてエドテック企業を創業し、いまやIT業界で話題の若手経営者という26歳。現在22歳で大卒1年目にあたる年齢の永野にとって、実年齢を上回るレギュラー役は貴重な経験となったはずだ。

「愛らしい顔付きで人気の永野ですが、その顔付きゆえに二十歳を越えても高校生役を演じるなど、役柄の広がりに乏しい面は否めません。『ハコヅメ』で演じた若手警察官も高卒採用の二十歳という設定でしたし、映画『地獄の花園』のOL役もむしろ元ヤンというキャラが目立っていたもの。その永野が『IT企業のCEO』という役柄を務めあげたことには大きな意味があるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 今回の「ユニコーンに乗って」では経営者として振る舞う場面が多く、最終回では大手IT企業・サイバーモバイルの役員会に出席し、新たなアイデアを堂々とプレゼンする姿が堂に入っていたものだ。

 恋人同士となった功と一緒に手を繋ぐラストシーンでも、ランウェイを歩くモデルさながらの衣装をさっそうと着こなしており、大人の女性らしさを発揮。ファッション面ではカジュアルからフォーマルまで様々な衣装で視聴者の目を楽しませていた。

「高校生時代の回想シーンではセーラー服がバッチリ似合いながら、CEOとしてはサイバーモバイルのCEOを演じる広末涼子(42)と堂々と渡り合っていました。放送開始当初は《永野芽郁にCEO役は無理がある》との声もありましたが、回を追うごとに若手起業家の役が板につくことに。本作を経験したことで今後、もっと大人な役が来ても対処しやすくなったのではないでしょうか。その意味で『ユニコーンに乗って』は永野にとって、役者人生でのターニングポイントになった可能性もありそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 その答えは今後、永野がドラマや映画の出演を重ねるなかで示されていくのだろう。