【@JAM EXPO 2022】ベイビークレヨン、デビュー10カ月で横浜アリーナのメインステージに立つ!

いまや夏の終わりの風物詩となったアイドル夏フェスの「@JAM EXPO 2022」が8月26~28日に神奈川・横浜アリーナで開催された。

 同フェスにはAKB48を筆頭とする48系の各グループのほか、でんぱ組.incやつばきファクトリー、BEYOOOOONDSといった人気のメジャーアイドルが多数参戦。ライブアイドル界では10月での解散がアナウンスされている26時のマスカレイドが最終日の大トリを飾るなど、様々なグループが観客を魅了した。

 その中から本稿では、昨年10月にデビューしたばかりながら、わずか10カ月でメインステージの「ストロベリーステージ」にたどり着いた新進グループのBABY-CRAYON~1361~(以下ベイビークレヨン)に注目したい。

BABY-CRAYON~1361~。左から吉田菜々世、永久ハンナ、桜木こと、石綿日向子、早海美玖。

 ベイビークレヨンは、2日目のストロベリーステージに登場。日本テレビが主催した、ライブパフォーマンスNo.1アイドルを決める大会の「IDOL OF THE YEAR 2022」にて、参加20組のなかから優勝を果たしたことで獲得したステージだ。

 今回の@JAM EXPO2022ではそんな大舞台に加え、3日目には登竜門的なステージとされるオレンジステージ、そして大型ライブ会場に匹敵する規模を持つブルーベリーステージでもライブを行い、計3ステージを披露。歌とダンスともにクオリティの高いパフォーマンスで会場を盛り上げた。

 ストロベリーステージでは「有頂天サマーラバー」、「No Winner」、「Todoke!」の3曲を披露。1曲目の「有頂天サマーラバー」は“みんなで踊れて汗を流せる夏曲”がテーマで、歌詞はプロデューサー兼メンバーの石綿日向子が、振付は同じくメンバーの吉田菜々世が担当したという。

 彼女たちにとって初めてとなる横浜アリーナという大舞台で、最初のうちは緊張している様子も垣間見せていたが、1曲目を歌い終わったころには楽しさのほうが勝るような表情となっていたのが印象的だった。

めいっぱいの決め顔と笑顔でアリーナ全体にパワーを届けた。

 2曲目の「No Winner」では、イントロで石綿が「私たちベイビークレヨンの“ベイビー”は、ベイビーレイズJAPANさんからいただいた“ベイビー”です」と、グループ名の由来を紹介。2018年に解散したベイビーレイズJAPANは2年目に日本武道館公演を成功させ、ラストライブでは山中湖交流プラザきららに超満員の観客を集めた伝説的なグループとして、今でも多くのアイドルから慕われている。

 石綿は「いつか、その背中を必ず超えられるように、みなさんに心を込めて歌います」と呼びかけ、尊敬する先輩グループへの想いを吐露。そのパフォーマンスからは彼女たちの強い想いを感じ取ることができた。
 
 ラストの3曲目には、ベイビークレヨンの想いが詰まった歌詞とエモいメロディが印象的な「Todoke!」をドロップ。前年10月にデビューしたばかりの彼女たちにとって、数多の人気アーティストが立ってきた横浜アリーナのメインステージ(ストロベリーステージ)は、夢舞台と呼んで差し支えのない場だったことだろう。

 それでも彼女たちにはもっと大きな夢がある。3曲目の間奏では「私たちの夢は、東京ドームに立つことです。まだまだな私たちだけど、今日、最後まで楽しんでいきましょう!」と、数多くの観客に向けて呼びかけた。

ストロベリーステージでの初パフォーマンスで自分たちの魅力を全開にしてみせた。

 そんな大きな夢を抱えるベイビークレヨンだが、パフォーマンスを大事に思う気持ちはステージの大小には影響されないことも示してみせた。3日目には横浜アリーナの外周通路に設置されたオレンジステージにてパフォーマンス。同ステージは通路を行き交う来場者たちが「どんなアイドルが演ってるんだろう?」と見かけては、気になったら足を止めるというショーケース的な役割も担っている。

 ここで披露したのは前日と同じ「有頂天サマーラバー」と「Todoke!」、そして「G.G.FANTASY」の3曲。耳の早いファンのあいだではすでに話題になっているベイビークレヨンとあって、観覧エリアが入場規制になるほどの集客力を見せつけ、熱気あふれるステージとなった。

 2曲目の「G.G.FANTASY」では、サビの振り付けで会場全体のファンと目を合わせ、ファンサを送る可愛らしいパフォーマンスも。「信じた世界を切り開け♪」の歌詞では、メインダンサーの吉田菜々世が所作の美しいダンスを披露し、艶気あふれる視線でファンを魅了していた。

オレンジステージを目いっぱいに使ってのパフォーマンス。

 数百人を収容できる規模を誇るブルーベリーステージでは、「Jump to the dream!!」「有頂天サマーラバー」「ケセラ・セラ・ヴィ」「君と歌うボクの唄」の4曲を披露。1曲目の「Jump to the dream!!」ではメンバー5人が手を取り合って、夢に向かって高く飛び立つ姿が曲に込められている。そんな全力のパフォーマンスにファンは初っ端から魅入られていた。

 3曲目に披露したのは、初見の人でも一緒に踊れるダンスが可愛らしいアイドルソングの「ケセラ・セラ・ヴィ」。5人とも表情豊かに、楽しさが伝わるダンスで盛り上げた。「どんな日常も笑って楽しもう♪」という気持ちが歌詞に込められており、ファンもハッピーな表情にあふれていたようだ。

 最後に披露した「君と歌うボクの唄」では、丁寧に届ける歌声とエモい歌詞が観客の胸に響き、5人のシンクロしたダンスも魅力。そんな熱いナンバーで、オレンジステージとはまた異なる魅力を見せていた。

プロデューサー兼メンバーの石綿日向子。

メインボーカルの桜木こと。

最年少でクォーターの永久ハンナ。

クラシックバレエの経験を持つ早海美玖。

メインダンサーの吉田菜々世はEXILEのサポートダンサーを務めた経歴も。

 ライブ後には元ベイビーレイズJAPANで、今回の@JAM EXPO 2022では総合司会を務めている高見奈央とのグループショットを公式ツイッターで公開。

 投稿には「お忙しい中、2日間ともベビクレのステージを観に来て下さりました。ベイビーレイズJAPANさんの背中を見て、その続きを私たちが描きます」とのコメントが添えられていた。高見自身、自分が出演したトークステージでは、ベイビークレヨンのステージを観ていたと明かす場面も。そんな姿に、ベイビーレイズJAPANの背中を追い、超えていくベイビークレヨンのストーリー性が感じられたのではないだろうか。

高見奈央との記念写真を公開。これぞ魂継承の現場かもしれない。ベイビークレヨン公式ツイッター(@baby__crayon)より。

 ベイビークレヨンは10月9日(日)に、埼玉・東武動物公園のイベントステージHOLA!にて、「BABY-CRAYON~1361~1st Anniversary Live」と題したワンマンライブを予定。生バンドも入れた大掛かりなステージとなっている。

 同所は2017年にベイビーレイズJAPANが「野外ワンマン3連戦」のひとつとしてライブを開催した場所。同じ場所でのライブに挑むことでベイビーレイズJAPANの背中を追いかけ、追い越そうとする意気やよし。その調子で目標とする東京ドームでのワンマンライブも、いつかは視野に捉えられるのかもしれない。

(取材:はせいあい/撮影:Issey Nakanishi)