いったい何のことを指しているのか…。視聴者もすっかり煙に巻かれた思いだったようだ。
9月21日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第118回では、比嘉歌子(上白石萌歌)が語った言葉にほとんどの視聴者が首をひねる場面があった。
前回、恋心を抱いている幼馴染の砂川智(前田公輝)とキス寸前になっていた歌子。智とは両想いのはずだが、子供のころから引っ込み思案の歌子は心配する母親の優子(仲間由紀恵)に対して、「好きなのに、好きだから怖くて自分からは何も言えない」との思いを吐露していた。
歌子は「好きだと言ったら同じ気持ちであってほしいと欲張ってしまう」とつぶやき、智がどれくらい自分のことを好きでいるのかを案じている様子。なにしろ上京後に2年、沖縄に戻ってきてからさらに2年、智とはすぐそばで暮らしていたにも関わらず、二人の恋が進展しないことに彼女自身もすっかり焦れているのだろう。
ところがそんな歌子が突然、脈絡のない話を始めたことに視聴者はすっかり混乱。彼女がいったい何について話しているのか、まったく掴めなかったというのである。
つい先ほどまで智との恋が発展しないことを悩んでいた歌子は突然、「今日、すごくいいことがあったわけ」と優子に告白。しかも「人生で一番かもしれない」というほどの出来事だったという。
その“いいこと”に関して「これからどれだけ生きても今日みたいに幸せな日はない」とまで語っていた歌子は、「だから眠ってしまうのがもったいない。眠ってしまったら今日が終わってしまうから」とまで思いつめていたのである。
「視聴者は、歌子の言う『人生で一番』いいこととは何なのかと首をひねっています。智からのキス未遂であれば、今回は邪魔が入ったのですから、実際にキスをかわすほうが“いいこと”になるはず。また、レコード会社を名乗る人物からスカウトされた件であれば、実際にレコードデビューできる日のほうが“いいこと”のはずです」(女性誌ライター)
キスにしろレコードの件にしろ、今後にさらなる期待を抱ける出来事だろう。それがなぜ「今日みたいに幸せな日はない」となってしまうのか。そもそも歌子が優子にそう告げなかったら、視聴者にはさほど幸せそうな一日には見えていなかったのではないだろうか。
ただ、これまでの歌子の言動を振り返ると、彼女がその日を「人生で一番幸せな日」と捉えてしまうのも無理はないとの声もあるという。
「何に対しても悲観的な歌子ですから、智に関しては《私の片想いだった》、レコード会社の件については《やっぱり詐欺だった》と、残念な未来ばかりを危惧しているのかもしれません。それならば悲しい現実に直面してしまう前に、期待だけを抱いていればいい今だけが《幸せな日》ということではないでしょうか」(前出・女性誌ライター)
果たして歌子の「幸せな日」は更新されるのか。彼女にはもっと幸せになってほしいと、視聴者も願うばかりだ。