【舞いあがれ!】長濱ねる、共演者に話題性で負けるも評価が高いワケとは?

 この美女は誰? その存在感で多くの視聴者を魅了していたようだ。

 10月6日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第4回に、長崎・五島に住む山中さくら(長濱ねる)が初登場。ピンク色のスカーフをカチューシャのように巻いた姿が実に可愛らしく、注目を集めていたようだ。

 元欅坂46/けやき坂46の長濱は、地元・長崎県の出身。3歳から7歳までは、本作の舞台となっている五島列島の新上五島町(中通島)に暮らしていたこともあり、作中で話される五島弁も実に自然な様子だ。

 そんな長濱の登場にアイドルファンは沸いていたが、知名度のある元坂道メンバーでありながらも、今回の出演では他の共演者に話題性で負けていたというのである。

「第4回では船大工の木戸豪役で哀川翔が、そして診療所の医師として歌手の前川清が初登場。ネットでの検索回数を調べると、長濱はこの二人に負けていたのです。哀川には100対97と肉薄していたものの、前川には100対68とけっこうな差を付けられていました」(IT系ライター)

 若い世代にはなんとも意外な結果に映るかもしれないが、哀川は朝ドラこそ初出演なものの、大河ドラマには3回の出演歴を持つベテラン俳優。朝ドラ視聴者に多い中高年層への浸透度は絶大だ。

 そして前川は地元長崎県の出身で(佐世保市)、メジャーデビュー曲は昭和世代なら知らぬ者のいない大ヒット曲の「長崎は今日も雨だった」だ。地元の長崎では英雄的な存在として人気を博しており、これでは長濱が話題性で勝てないのも当然だろう。

 とは言え、そんな大物二人に比べても大きく劣ることはない話題性を呼んでいたとも言える長濱。しかも今回の出演で彼女は、女優としての評価も高まったというのである。

「さくらを演じる長濱は、良い意味で目立っていないように見えました。五島弁があまりにも自然なことに加え、演技面でもはしゃぎすぎずに抑制的。ヒロインの岩倉舞(浅田芭路)や母親のめぐみ(永作博美)の存在感を喰うようなこともなく、脇役として着実な演技だったと言えそうです。これは彼女が女優として演技力を高めてきた証拠ではないでしょうか」(テレビ誌ライター)

さくら(長濱)がカメラに背を向ける、朝ドラらしからぬシーン。顔が映らなくてもしっかりと演技している様子が伝わっていた。トップ画像ともに©NHK

 いまでも「元欅坂46」の枕詞で呼ばれがちな長濱だが、卒業からすでに3年超が経っており、タレントや女優としての活動も着実に重ねてきている。

 しかもNHKとの縁がやたらと深く、卒業の直前にはNHK長崎放送局が制作したドラマ「かんざらしに恋して」に出演したほか、卒業後には教養バラエティ番組の「すイエんサー」や「手話シャワー」(いずれもEテレ)に出演。ほかにもSDGs啓発キャンペーン番組の「未来へ 17アクション」や「ラストファミリー」(いずれもNHK)のMCなどに起用されており、どうやらNHKからかなり高い評価を受けているようだ。

「決してドラマ出演の多くない長濱が『舞いあがれ!』に抜てきされたことに驚く人も多いようですが、NHKへの貢献度という観点では納得のいく人選かもしれません。しかも9月23日に開業した西九州新幹線では長崎駅の一日駅長を務め、JR九州の社長と共に出発式に参加。いまや地元を代表する若手女優と言っても過言ではなさそうです」(前出・テレビ誌ライター)

 初めて舞に出会った時、さくらは思わず「みじょかねえ」(可愛いねえ)という五島弁が口をついていた。そんなさくら(長濱)はゴム長靴におさげ髪という田舎っぽい格好でも「みじょか」だと、視聴者も目を細めていたに違いない。