【舞いあがれ!】父・浩太は日本を代表する大企業に勤めていた?母・めぐみとの出会いは長崎だった!

 さりげない会話から登場人物のバックグラウンドを匂わせる演出に、視聴者は感心していたようだ。

 11月4日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第25回では、人力飛行機「スワン号」のテストフライトを前に、パイロットを務めるヒロインの岩倉舞(福原遥)が、母親のめぐみ(永作博美)と父親・浩太(高橋克典)の馴れ初めを聞く場面があった。そこで示唆された情報に視聴者が驚いていたという。

 舞の父親でねじ製作の町工場を経営する浩太(高橋克典)は、かつて飛行機も製造する企業に勤めていたことが示されていた。だが祖父が倒れた1980年に浩太は、会社を辞めて家業の町工場を継ぐことを、当時交際中だっためぐみに報告していた。

 10月18日放送の第12回では浩太とめぐみが喫茶店で会話している姿を回想シーンとして紹介。そのロケ地となった喫茶店は大阪市内にあり、同店の公式ツイッターでも「店内が使われました」と明かしていたことから、視聴者は二人が大阪でデートしていたと思っていたことだろう。だが実際は、その場所は大阪ではなかったことが分かったというのである。

「第25回でめぐみは、浩太が社員を前に決意表明のスピーチをした姿が格好良かったと舞に熱弁し、『昔のお父ちゃんを思い出したわ』と語りました。続けてめぐみは『長崎で働いていたころのお父ちゃん』と説明し、『いつか飛行機作んのが夢やぁて、目ぇキラキラさして言うてた』と嬉しそうな表情に。舞から『その目ぇを好きになったん?』と問われると、悪戯っぽい笑顔で『フフフフフ、ないしょ』と秘密にしたのです」(テレビ誌ライター)

 母娘の何気ない会話のようだが、このやり取りから浩太が長崎で働いていたこと、そして浩太とめぐみが長崎で出会っていたが明らかになったのである。

 長崎県・五島列島出身のめぐみは19歳で浩太と掛け落ちし、大学を中退していた。ただ五島には大学がなく、本土にいたのは確実。その大学が大阪ではなく長崎だったことが今回の会話から示された形だ。

 そして、浩太とは長崎で出会っていたことも判明。これが見逃せない重要な情報となっていたのである。

「長崎にある企業で、飛行機の製造にも関わっている会社と言えば、長崎県人なら誰しもが三菱重工を思い浮かべることでしょう。『長崎にあるのは造船所では?』と思う人も多いことでしょうが、同所では航空機エンジンの部品も生産しています。それに浩太が働いていたころに飛行機の部品が長崎で作られていたかどうかは不明ながら、浩太が三菱重工の社員だったのであれば、航空機部門に異動できる可能性もあるわけで、いつかは飛行機に関わりたいとの意思を持つのも不思議ではありません」(週刊誌記者)

公式ツイッターでは9月26日、五島を訪れた親子3人のオフショットを公開。どうやら浩太は長崎を再訪することになりそうだ。トップ画像ともに©NHK

 その三菱重工は米ボーイングの協力企業として、B787の主翼やB737の内側フラップを製造。ほかにも自衛隊向けの航空機を製造していたり、ロケットや宇宙ステーションも手掛けるなど、航空・宇宙分野では日本を代表するリーディング企業だ。

 それこそ浩太は東大阪市で進められる人工衛星のプロジェクトにも参画しており、飛行機より先に宇宙分野で自社の製品が採用される可能性がある。もしかしたら浩太は、大企業勤務時には果たせなかった夢を、町工場の社長という立場で実現できるのかもしれない。