本当に優秀ならその態度はあり得ないよね。そんな声があちこちから聞こえているようだ。
11月22日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第37回では、航空学校に入学したヒロインの岩倉舞(福原遥)が、同期生との人間関係に翻弄される姿が描かれた。同期生18人は3つのチームに分けられたが、同じチームに配属された柏木(目黒蓮)のキャラクター描写に、疑問の声が寄せられているようだ。
学生時代は馬術に熱中していたという柏木は、座学の授業でも優秀さを発揮。一方で周囲に対しては冷たい態度を取っており、チームの初顔合わせではみんなの出身地を訊ねた舞に対して「これ意味あるか?」「べつに馴れ合う必要はないだろ」とバッサリ。感じの悪さを前面に押し出していたのである。
「この場面に違和感を抱いた視聴者も多かったはず。というのもパイロットに限らず養成系の学校では、学生同士の協調性が重視されるのは当然のことだからです。入試面接の際に舞のことを見下していたのはまだ、狭き門に挑戦するライバルを蹴落としたいという理由があるから分かります。しかし、文字通り同じ釜の飯を食う仲間になったからには、柏木のように他者を拒絶する態度は言語道断。そんなことは、優秀な彼なら知っていて当然のはずですが…」(テレビ誌ライター)
その態度を巡っては、柏木を演じる目黒のファンである「めめ担」たちからも<性格悪すぎ>と疑問の声があがっているようだ。しかも当のめめ担たちが、そんな柏木のキャラ付けに不満を抱いているというのである。
それは今後の展開を考えたとき、柏木が「ツンデレキャラ」になるお膳立てに見えてしまうということ。最初のうちは他者との深い関わりを拒否する冷たい人物に描いておきつつ、航空学校での課程が進むにつれて、同じチームの仲間を助けようとする心が芽生えてくるという流れが、透けて見えているのではないだろうか。
そこは朝ドラゆえ、柏木の冷たい態度にもおそらくは彼なりの理由があるのだろう。その理由が彼の家庭環境にあるのなら、両親の愛に恵まれた舞との対比はますます鮮明になるはずだ。
「ただ、多くの視聴者は舞の成長物語に期待していますし、なにより『なにわバードマン編』で描かれた仲間たちの結束は本作の大きな魅力となっていました。なにわバードマンでは設計担当の刈谷(高杉真宙)が少しはツンデレキャラだったものの、周りから浮いているような人物ではなかったもの。果たして航空学校編での柏木はいつまでこのような態度を取り続けるのか。どうやって彼のキャラを活かしていくのか、現時点では心配しかありません」(前出・テレビ誌ライター)
舞の成長を応援する視聴者が最も恐れているのは、舞と柏木が恋仲になること。そんな恋愛要素は誰も求めていないと、大方の視聴者は思っていることだろう。