威厳に満ちた口調も、本人のアイデアだったようだ。
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」は11月28日放送の第41回からいよいよ、北海道・帯広でのフライト課程に突入。ヒロインの岩倉舞(福原遥)が初めて、本物の飛行機で操縦訓練を行う姿が描かれる。
その帯広編で注目を集めているのが、サンダー大河内こと鬼教官の大河内守を演じる吉川晃司だ。朝ドラの出演はこれが初めてで、オファーを受けた時は「朝から私が出ていると、威圧感があるんじゃないかと」思っていたという。そんな吉川の意外な一面が、この帯広編では役に立っていたようだ。
発売中のNHKドラマ・ガイド「連続テレビ小説 舞いあがれ! Part1」(NHK出版)には、吉川のインタビューを写真も含めて2ページにわたって掲載。ここに視聴者としても大いに気になる情報が記載されているという。
「吉川によると、当初の設定で大河内は口調もワイルドなキャラクターだったとのこと。しかし11月25日の次週予告でも示されていたように、大河内は威厳を感じさせつつ丁寧な口調でしゃべるキャラとなっています。これは吉川のほうから『ことばづかいは丁寧、物腰も柔らかく、礼儀正しい人物として演じたい』と提案したことが反映されたようですね。そのほうが本当の怖さや厳しさが出るとの考えだったようです」(テレビ誌ライター)
そんな吉川のインタビューについて、一部の視聴者からは「脚本に対する不満の表れ」との声もあがっている。たしかに第8週から脚本を担当している嶋田うれ葉氏に対する批判は根強いもの。とはいえ吉川はあくまで、自分の考える大河内像に忠実でいたいという考えではないだろうか。
一方でその吉川が普段から送っている生活スタイルが、実は航空学校の鬼教官を演じるにはぴったりだというのである。果たして伝説的なロックミュージシャンの生活スタイルとはどんなものなのか。
「吉川はなんと普段、朝5時に起床し、夜10時ごろに就寝しているそうです。この早寝早起きは、航空学校の教官に向いた資質と言えそう。なぜなら航空学校の生活サイクルは朝が弱い人には向いておらず、吉川のような朝方の人間にこそピッタリだからです」(飛行機に詳しいトラベルライター)
フライト実習では早朝から気象の解析を行い、ブリーフィング(打ち合わせ)を行ってから実際のフライトに臨むもの。気流も午前中のほうが安定しており、経験の乏しい学生はできるだけ早い時間に飛ぶほうが好ましく、フライト課程では必然的に朝方の生活になるという。
またフライト実習では必然的に屋外のシーンが多くなり、照明器具に頼ることなく自然光を活かした撮影がメイン。そうなるとできるだけ日照時間に合わせるため、撮影自体も朝方から始める必要があり、それこそメイクや着替えも早朝のうちに済ませることになるわけだ。
「深夜まで撮影することも多い民放ドラマとは異なり、朝ドラでは会社員のように朝には局舎に向かい、夜には宿泊先に帰るという時間割が徹底されているそうです。それが帯広ロケではさらに前倒しになっているのでしょう。ロックミュージシャンの吉川に朝のイメージはあまりないかもしれませんが、本人は『プライベートではおじいちゃんのような生活スタイルです(笑)』と語っています」(前出・テレビ誌ライター)
前週の宮崎座学課程ではほぼすべての場面がスタジオ内での撮影だったの対して、今週は陽光が降り注ぐ屋外の光景がメインになりそう。そのまぶしさのごとく、物語の内容も晴れやかになってもらいたいものだ。