【舞いあがれ!】悠人はリーマンショックを乗り切るのか…「ヘッジファンド」が重要なキーワードに!?

 どうやら良い意味で、視聴者の予想を裏切ってくれるのかもしれない。

 11月30日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第43回では、ヒロイン岩倉舞(福原遥)の兄で、現在は投資家に転身した悠人(横山裕)が、実家のある東大阪に舞い戻ったシーンが描かれた。ここで悠人が明かした近況に、今後の展開を左右する重要なキーワードが含まれていたという。

 カフェ「ノーサイド」を訪れた悠人は、舞の幼馴染である久留美(山下美月)と出会い頭にぶつかることに。久留美が落とした本を悠人が拾ってあげる展開には、恋の始まる予感を抱いた視聴者もいたようだ。

「東大を出てIMORI電機に就職していた悠人ですが、久留美に対して『もう辞めた』と報告。現在は投資を手掛けており、大阪の会社をリサーチに来たと語りました。久留美はさっそく舞に『お兄ちゃん、会社辞めたらしいなあ』とメール。驚いた舞が悠人に電話するなか、意外な言葉が飛び出していたのです」(週刊誌記者)

久留美と偶然の再会を果たした悠人。トップ画像ともに©NHK

 舞から「投資家…なんの?」と問われた悠人は一言、「ヘッジファンド」と返答。その言葉に視聴者からは<個人でヘッジファンドなんかできるの?>と驚きの声も続出していた。

 ヘッジファンドと言えば、リスクの高い金融商品を扱うことでハイリスクハイリターンを狙うものと認識している人も多いだろう。しかも作中の時代設定は2007年4月。翌年9月には世界中の金融市場を激震させた「リーマン・ショック」が発生し、その影響で日経平均株価はほぼ半値に暴落。企業の経営破綻も相次いだものだ。

 そのため視聴者のあいだでは以前から、投資家に転身した悠人がリーマン・ショックの直撃で破綻してしまう恐れに言及する声があがっていた。ところが今回、彼がヘッジファンドに言及したことで、実は違った筋書きが用意されているとの観測も浮上しているという。

「ヘッジファンドの本質は、様々な金融商品を組み合わせることで損失をヘッジ(リスク回避)することにあります。決してハイリスクハイリターンな金融派生商品(デリバティブ)ばかりを扱うわけではないのです。それゆえ悠人が来たるリーマンショックに際してもしっかりとリスク回避ができていれば、大損失を免れることができるはず。そうなれば今後、岩倉家を襲うであろう危機も回避できる可能性すらあり得るのです」(前出・週刊誌記者)

 舞と悠人の実家は、ネジを中心とした部品を製作する株式会社IWAKURA(旧・岩倉螺子製作所)。現在は自動車用部品に業務を拡大するため、銀行から3億円もの融資を受け、新たな工場を建設している。父親の浩太(高橋克典)によると、2007年末にも新工場が完成する予定だ。

 しかし新工場の操業を開始しても、翌年には産業界全体を揺るがしたリーマンショックが発生するので、会社経営を直撃する恐れも大きい。銀行が融資の回収を急ぎ、急きょ3億円の返済を迫られる可能性すらある。それゆえリーマンショックの影響を受けるのは悠人ではなく、浩太のほうが危険な状況にあるのではないか。

「やがて岩倉家を襲うであろう借金問題。そこに救世主として、悠人が現れるのではないでしょうか。これまで実家にはほとんど寄り付かなかった悠人ですが、ヘッジファンドによりリーマンショックを乗り切った彼が、荒稼ぎしたお金で実家の借金を返済するという絵もありえます。その援助により、悠人は親に対する屈折した想いを晴らすことさえできるはずです」(前出・週刊誌記者)

 地道にねじ工場を経営する浩太に対し、悠人は「指一本で億を動かす」という、浩太とは相反する考え方の持ち主。それゆえ父と息子はお互いに分かりあうことができず、悠人が実家に寄り付かなくなった理由の一つはそこにあった。

 ここで悠人が、危機に陥った実家の工場をヘッジファンドにて稼いだ資金で救済できれば、それは息子が父親との葛藤に打ち勝った証になる。果たして「舞いあがれ!」ではリーマンショックが描かれるのか。こちらのサイドストーリーも目が離せない展開になるのかもしれない。