【舞いあがれ!】回想シーンに柏木の姿なし!もはや航空学校編は完全に倉庫入りか

 そのドライすぎる展開に、視聴者も振り回されているようだ。

 1月16日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第72回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)がハカタエアラインの内定を辞退し、実家の部品工場にて営業職に就く姿が描かれた。その展開に、舞がパイロットになる将来を期待していた視聴者が、がっかりしているという。

 部品工場の株式会社IWAKURAは社長の浩太(高橋克典)が心筋梗塞で急逝。妻のめぐみ(永作博美)が社長を継ぐも、リーマンショックによる業績悪化は如何ともしがたく、従業員3人のリストラを断行したばかりだ。

 そんな実家の危機を放っておけない舞は、せっかく航空学校を卒業してパイロットへの道を踏み出したにも関わらず、IWAKURAで働くことを決意。「営業課 岩倉舞」との名刺を手に、飛び込み営業するのであった。そんな物語の冒頭に映し出された回想シーンに、あの人がいなかったというのである。

「週の明けた月曜日には前週を振り返る回想シーンを映し出すことが多く、今回は舞が幼馴染に実家の窮乏を愚痴ったり、投資家で兄の悠人(横山裕)に投資を頼み込む場面などが描かれました。ところが第71回のハイライトだった、恋人の柏木(目黒蓮)と別れるシーンはなし。彼氏との別れ話という大事な場面が省略されていたのです」(テレビ誌ライター)

 新たな一歩を踏み出した舞にとって、恋バナなどもはや些末な話だということか。だが回想シーンに柏木が登場しなかったことにより、本作にとって重要な要素であった「航空学校」がまるごと、過去に追いやられてしまったのである。

第71回で舞と別れた柏木。これが最後の出番となるのか。トップ画像ともに©NHK

 もともとは舞がパイロットを目指す過程を描く物語だと思われていた「舞いあがれ!」。第8~11週では4週間にわたり、航空学校で厳しい訓練に奮闘する舞の姿を描いていたものだ。

 同期には恋人だった柏木のほか、もう一人の女子学生で寮の同室だった矢野倫子(山崎紘菜)や、舞に好意を寄せていた吉田大誠(醍醐虎汰朗)らが登場。鬼教官のサンダー大河内こと大河内守(吉川晃司)など、個性豊かな面々が物語を彩っていた。

 ところが今回、唯一の生き残りだった柏木すらフェードアウトしたことで、航空学校編は完全に過去のものに。朝ドラファンが言うところの「倉庫入り」となってしまったのである。

「話が進むにつれて登場キャラが倉庫入りするのは当然だとしても、重要なエピソードのキャラがまるごといなくなるのは驚きです。前々作の『カムカムエヴリバディ』ではヒロインのるいが大阪から京都に引っ越しても、野田一子は変わらずに出演していました。前作の『ちむどんどん』でもヒロイン比嘉暢子の親友だった前田早苗や、銀座のフォンターナで同僚だった矢作知洋は出演し続けていたもの。それが『舞いあがれ!』では航空学校編から誰一人として継続して出演しないのですから、急展開にもほどがあるというものです」(前出・テレビ誌ライター)

 なお公式サイトによると今後、舞が浪花大学で所属していた人力飛行機サークル「なにわバードマン」のOBである安川龍平(駿河太郎)なる人物が、東大阪市の職員として登場する予定。「なにわバードマン」の先輩たちが再び出演する可能性もありそうだ。

 その調子でしばらく先の段階で、パイロットになった柏木や矢野、吉田らが登場してくれることを、視聴者としても期待してやまないことだろう。