朝ドラ女優の小野花梨が「罠の戦争」で見せた、ヒロインを超える存在感!

 この変幻自在な演技力こそ、彼女が重宝される理由なのだろう。

 1月23日放送のドラマ「罠の戦争」(フジテレビ系)第2話では、大臣の私設秘書・蛍原を演じる小野花梨が「ほんと救いようがないよなぁ、自覚のないクズって」と吐き捨てるシーンに、視聴者が沸いていたようだ。

 草なぎ剛の演じる大臣秘書の鷲津を主人公に、どろどろした政治の裏側を描く本作。小野は政策秘書の虻川(田口浩正)に日夜パワハラを受けていたが、鷲津の策略により虻川は秘書をクビに。呆然と立ち尽くす虻川に対して蛍原は、冒頭の台詞を投げつけたのだった。

「本作には小野のほか、鷲津の妻を演じる井川遥や週刊誌記者役の宮澤エマらの女性キャストも出演。ただ明確なヒロインは設定されていないようです。そのなかで蛍原は主人公の鷲津を支えるという大事な役を務めており、前週の第1話も含めて小野の演技力が光っていますね」(テレビ誌ライター)

 鷲津らが使える犬養大臣(本田博太郎)には敵が多く、中小企業の経営者だった兄の死を犬養のせいだと思っている大学院生の蛯沢(杉野遥亮)は、鷲津の計らいもあって秘書見習いに。彼の活躍で虻川を失脚させていたが、まだ若いことからなかなか気持ちを抑えられないようだ。

 大臣が参加した農協のBBQでは、犬養の発言から兄の死に思いが至り、思わず椅子を蹴り飛ばすことに。大臣らが怪しげな目を向けるなか、場をとりなしたのが蛍原だったのである。

「蛯沢のもとにさっと駆け寄った蛍原は『この子、無駄に手足が長くて』とおどけつつ、蛯沢の頭を押さえつけて二人して謝罪。まだ若いにも関わらず、場を無難に納める調整力の高さを見せつけました。そんな場面に説得力を持たせたのはやはり、小野の変幻自在な演技力。大臣や後援者たちにはニッコリと笑いかけ、陰では蛯沢のことをしっかりと諭す。そういった柔軟な手練手管をしっかりと示してみせたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 蛍原を演じる小野は2022年後期のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演。豆腐屋の水田きぬ役と、その孫にあたる大月花菜役を、時を経て演じてみせた。きぬ役では初代ヒロイン雉真安子(上白石萌音)の良き友人を演じ、花菜役では安子の孫にあたる大月桃太郎からひとめぼれされることに。同年代ながら異なる姿の女性像を演じ分けていたのである。

「カムカムエヴリバディ」ではきぬ役を務めていた。©NHK

 そして今回の「罠の戦争」では、やはり等身大の蛍原を演じつつ、大臣の私設秘書として有能なところを見せつけることに。どんな役にでも染まることができる器用さが発揮されていたのではないだろうか。

「カムカムでの印象の強い小野は、8歳から演技歴のある子役出身。高校生以降だけでも25作以上のドラマと20作品以上の映画に出演しており、24歳にして早くも名バイプレイヤーと言える存在になっています。すでに深夜ドラマやBSドラマ、単発ドラマではヒロインの経験もあり、今回の『罠の戦争』でさらに知名度があがれば、今年中にも地上波連ドラヒロインの可能性も期待できそうですね」(前出・テレビ誌ライター)

 今回の「罠の戦争」では今後、どのように鷲津をサポートしていくのか。終わってみれば「蛍原が良いヒロイン役だった」との印象を残しているのかもしれない。

※トップ画像は「罠の戦争」公式ツイッター(@wananosensou)より。